地域密着と難関校対策の両立!定期テスト対策で成績アップを実現する鷗州塾にインタビュー

広島を中心に山口、岡山、大阪の4府県で展開する総合学習塾「鷗州塾」。創業50年超の歴史を持つ同塾は、難関校への進学実績で知られる一方で、地域に密着した学習指導にも力を入れています。今回は広島地区統括責任者の大野先生に、同塾の特徴や指導方針、そして変わりゆく教育環境への対応についてお話を伺いました。

- 大野 日出男(おおの ひでお)先生
- 執行役員/広島地区統括責任者。大阪出身。『鷗州塾』を運営する株式会社AICエデュケーションに新卒入社。講師としてキャリアをスタートさせ、入社2年目には校舎責任者、3年目にはグループ長、9年目には地区統括として活躍。2023年、執行役員に就任。趣味はサイクリングと読書。
鷗州塾は4府県66校舎で展開 ~駅前型と地域密着型で多様なニーズに対応
ーー本日はよろしくお願いします。まず大野先生のお役職と普段どんなお仕事をされているか教えていただけますでしょうか?
私は広島地区の統括責任者を担当しています。また鷗州塾府中校や春日野校で小中学生制の授業を担当しております。
塾の組織は校舎運営部門と教務部門という大きく2つの部門があり、私は山口、広島、岡山、大阪の4府県の教務部門の責任者も兼任しているので、校舎運営側と教務全体の両方の状況を把握する立場でもあります。
ーー現場にいながら全体をマネジメントする立場でいらっしゃるのですね。鷗州塾の校舎がある地域の特徴なども教えていただけますか?
鷗州塾の校舎は大きく2つのパターンに分かれます。1つは8階建て等の大きな建物で、駅前に立地し電車で遠方からも来ていただけるスタイルの校舎。もう1つは駅から離れて小中学校や住宅地に近い校舎です。ちなみに私が授業を担当する府中校は小中学校に近い地元密着型の校舎になります。
最近は、毎年1校舎ずつくらい新規開校を続けており、校舎数は増加傾向にあります。ここ数年は、地域密着型の校舎の開校が続いていますね。
- 2021年3月 春日野校開校
- 2022年3月 中筋校開校
- 2022年9月 五日市中央校開校
- 2023年3月 庚午校・新涯校・富井校開校
- 2024年3月 祗園校・府中校開校
鷗州塾は上位層の生徒だけが通う塾ではない
ーー鷗州塾と言えば、レベルの高い生徒が通っているイメージがあります。
創業が1973年で50年を超えており、古き伝統があります。ご指摘のとおり鷗州塾といえば昔ながらの難関校に進む生徒のための塾、というブランドが定着しています。特に保護者世代には、「県外を受験する生徒、地域のトップ校を受験する生徒が通う塾」というイメージが強いかもしれません。
しかし、現在は4府県で66校舎を展開していて、校舎や地域ごとにそれぞれ異なります。大型の校舎ではさまざまなクラスがあり、今でも難関校を目指すクラスは人気です。一方、府中校のようなその地域の中学校の成績アップを中心としたクラスも着実に増えています。
ーー幅広いレベルの生徒が通っているのですね。
はい。全体で見ると、難関クラスの設置数は多くはなく、学校の勉強についていきたい、学校のテストがもう少しできるようになりたいという生徒の方が多いです。
というのも入試で求められることも変化しており、定期テストの点数は軽視できない状況です。広島は特に内申点が重視されているため、定期テスト対策のニーズは高くあります。
ーー集団授業でついて行けるか不安の方のために補講などはありますか?
はい、塾としてさまざまな要望にお応えするため、集団授業だけでなく個別指導のクラスも用意しています。たとえば府中校でも、集団授業クラスもありますし個別指導のクラスもあります。さらに学校の内容に完全に特化した個別指導クラス、AIの力を借りて苦手な問題を重点的に解いてもらう個別クラスなど、さまざまな形式をご提供しています。
授業形態と受講パターン
ーー中学生では週に何コマを受講している生徒が多いのでしょうか?
中学生は基本的に週2回か3回です。中1の学年においては、小学校から中学校に上がったばかりの生徒たちが入って週1回のコース、週2回通う生徒、週3回通う生徒という3つのパターンに分かれます。
基本は週2回で、1日が文系科目(社会と英語と国語)、もう1日が理系科目(理科と数学)という形です。19時から21時40分までで2科目ないし3科目の授業をしていきます。
現在は週3回を選択される方が多く、中1〜中3全体で6割くらいが週3のコースを選択しています。
ーーテスト対策について、複数の中学校の生徒が通う中でどのように対応されているのでしょうか?
地域によってテスト期間が異なるため、柔軟な対応が必要です。たとえば府中校では、広島市内の中学校と府中町の中学校では定期テストの時期が全く異なります。そのため、以下のような独自のテスト対策システムを構築しています。
週3回目の授業を活用した定期テスト対策
火曜日:理系科目(講義形式)
木曜日:文系科目(講義形式)
土曜日:個別演習(テスト対策)
週2回の講義形式の授業に加え、3回目の授業を土曜日に設定し、中学1・2年生合同で個別演習の時間を設けています。講義形式ではなく、生徒一人ひとりの状況に応じた課題を設定し、各自のペースで学習を進められる形式を採用しています。
この個別演習型の授業は実質的に毎週の定期テスト対策となっており、約60%の生徒が選択しています。さらに定期テスト直前期には、無料の特別対策講座も実施し、生徒の学習をサポートしています。
このように、通常授業とテスト対策を効果的に組み合わせることで、異なるテスト期間の生徒たちに対応しています。
ーーどの中学校の生徒でも定期試験対策ができるようになっているのですね。
小学生からの学習習慣の確立 ~兄弟割引で早期スタートを応援
ーー小学生について、中学受験層と非受験層の両方からみた特徴を教えていただけますでしょうか?
駅前の校舎には中学受験をする生徒向けのクラスを設置しています。広島だけでなく近隣の県でも中高一貫校が増えているので、私立公立ともに中学受験が盛んです。
一方で、ご家庭の希望を考慮して、受験はせずに学校の勉強ができるようになりたい、中学校に入ってからつまずかないようにしたいという非受験のクラスも用意しています。
中学受験をしない生徒たちも多く来ていただいています。たとえば私が勤務している日野校では、小学生の受験しない生徒だけで100人近く通っています。
ーー口コミや紹介で入塾される方が多いのでしょうか?
そうですね。紹介の中でも、ごきょうだいで一緒に通う方が多いです。きょうだい割引という特典があり、上の子の成長を見て「もう少し早く始めておけばよかった」と気づく保護者さまは多いのです。中学校になって遅れないように下の子は上の子よりも早めに塾に通わせる例が多いですね。
小学校のクラスは学年を分けずに通ってもらうようなクラス設計をしているので、ごきょうだいが一緒に通えるように時間割が設定されています。
ーー早期から通塾するメリットはやはり大きいのでしょうか。
小学生の早期指導について、私たちはよく歯医者の例えを使って保護者さまに説明しています。歯の痛みと同じように、学習の遅れも後から対処すると余計な時間とコストがかかってしまいます。子どもは勉強で困っていても自分から言い出せないことが多いため、大人の見地から、予防的な学習支援が重要だと考えています。
中学生クラスも担当している正社員の講師が主に16時、17時台の時間を使って教えています。これには大きな利点があります。「この内容は中学校でこう繋がっていく」という先を見据えた指導ができます。
たとえば、中学生を教えていると「割り算ができない」という生徒に出会うことがありますが、それは掛け算や足し算の基礎が不十分なことに起因していることがよくあります。
小学生の段階から指導することで、そういったつまずきを予防し、同時に勉強嫌いを防ぐことができます。早い段階から「できる」という経験を積み重ねることで、学習への意欲を保つことができるのです。
充実した授業を支える講師研修
ーー講師の先生はどういった方を採用していますか?
基本的には教員免許は不要で、教育学部など出身学部も問いません。大学時代に鷗州塾でアルバイトをして、そのまま仕事にしたいと就職を希望する方もいらっしゃいます。
経験上、真面目な人が多いと感じています。教育が好きで入ってきているので、教えることに一生懸命な先生であれば歓迎します。子どものためにベストを尽くしていれば、それは自分のためにもなります。会社のために働くというよりも、教育者として生徒の前でベストを尽くせる人、貪欲で一生懸命な人に来ていただきたいと考えています。
ーー新卒、中途で入社する方で違いはありますか?
新卒採用と中途採用は2つに分かれます。中途採用は塾講師を経験している人が多く、教務・指導の経験がある場合は鷗州塾のやり方を理解していただくように研修します。
新卒採用は中途採用とは大きく異なり、人事採用課という研修する部門があり、月に1回Zoomと対面でずっと研修をして、3月から現場に配置する形になります。
講師に裁量はありつつも、何でも自由に教えていいわけではなく、この単元はこうやって指導する、この単元はどういう内容で宿題を出すかなど、基本的なものは教科責任者が作成します。若手の先生もそれを見て、授業の進め方を学んでいきます。
今年度から授業を全て撮影することにしました。新しく入る先生たちは先輩講師の授業を見て上手い部分を取り入れてもらうことで、授業のレベルを底上げしていきます。
ーーなるほど。新しく講師になる方には勉強になりますし、先輩の講師陣も見本となる授業を心掛けるので素晴らしい取り組みですね。
教室の雰囲気をつくるために大切にしていること
ーー教室の雰囲気や指導方針について特徴的な点はありますか?
一定の厳しさというのは絶対に必要です。特にお父さんお母さん世代は、まだ厳しい指導を受けていた世代なので、鷗州塾に厳しさを求める保護者もたくさんいらっしゃいます。
私は地区の責任者として、各校舎の先生たちに「メリハリをつけてください」とよく話します。休憩時間は自由にしてもらい、授業が始まったらピリッとした雰囲気を作ることを意識しているので、メリハリのついた校舎が多いです。
たとえば府中校は休憩時間はとても元気ですが、授業になった途端話が止まり、静かに授業に切り替わります。
時代に合わせた保護者との関わり
ーー保護者様との面談などはどのように実施されているのでしょうか?
入塾面談などを除いた定期的な懇談会は、基本的には夏休み前に1回、12月か1月くらいに1回の年2回を予定しています。学年や生徒さんによっては4回、5回実施するところもあり、保護者さまとのやり取りができる機会を設けています。
ーー保護者とのコミュニケーションは多いのでしょうか?
専用アプリを導入しており、保護者とのメッセージのやり取りや、こちらからの情報発信ができるようになっています。保護者さまも共働きが多く、特に16〜17時台は電話が繋がりにくい時間帯なので、テキストメッセージでのやり取りが重宝されています。
授業後や翌日に確認して返信する形を取っていて、コミュニケーションは頻繁に取れる塾だと思います。また、本部へのフリーダイヤルもあり、電話が苦手な方はアプリでメッセージを送るなど、保護者さまの声はどの形でも拾えるようにしています。
また、生徒の様子を保護者さまに伝えることも行っています。特に中学生の男子は塾での様子を家では話さないので「様子がわかってありがたいです」というお声をいただいています。
クラスによっては満足度調査のようなアンケートも実施しており、入退室管理もアプリで行っています。
インスタグラムでも保護者さまから許可をいただいた成績アップ事例を紹介しています。時代に合わせた情報提供、発信も心がけています。
(鷗州塾公式インスタグラムより)
ーー授業だけではない部分のフォローも手厚いと保護者も安心ですね。
学ぶ楽しさを伝えたい
ーー鷗州塾様の目指している方向性について教えてください。
「学ぶ楽しさを伝えたい」というのが、創業以来の変わらない理念です。生徒たちは夢を叶えたい、成績を上げたい、志望校に合格したいという思いで入塾してきます。私たちはその一つ一つの夢の実現に向けて、全力でサポートさせていただきます。
特に大切にしているのが「わかる喜び、知る喜びを体感する」ということです。開校から50年という歴史の中で培ってきた指導ノウハウを活かしながら、生徒一人ひとりが学ぶ楽しさを感じられる環境づくりを心がけています。時代は変わっても、この軸は鷗州塾の伝統として大切にしています。
ーー最後に生徒と保護者へのメッセージをお願いします。
生徒にとっては、人生が変わるきっかけになりたいと思います。点数がアップすることで自分が変わる体感をし、今まではわからなかったものがわかることで喜びを感じてほしいです。「家だったらダラダラしてしまうけど塾に来たらなぜかがんばれる」という小さな変化で、自分が変わることができると感じることができるのです。
どんなお子さまでも満足していただけるよう幅広いクラスを用意しています。学習相談だけでも構いませんので、ぜひお気軽にお近くの鷗州塾にお越しください。
ーー本日はありがとうございました。
取材協力:鷗州塾