- 調査書・学力検査・面接・特色検査それぞれの役割
- 令和9年度から変わった面接(My Voice)の新形式
- 調査書様式の変更点と自己評価資料の位置づけ
- 電子出願の流れと特別選抜の種類
「埼玉県の公立高校入試って、何をどう準備すればいいの?」そう感じている中学生や保護者の方は多いと思います。
埼玉県の公立高校入試は、調査書・学力検査・面接の3つが選抜の軸になります。令和9年度(2027年度)からは面接がすべての志願者に必須となり、形式も大きく変わりました。
この記事では、入試の全体像から各試験の内容、特別な選抜の種類まで、基礎から整理してお伝えします。
埼玉県公立高校入試の全体像
埼玉県の公立高校入試では、主に以下の4つの資料をもとに合否が決まります。
- 調査書(内申点):中学校の各教科の評定
- 学力検査:5教科のペーパーテスト
- 面接:全志願者が受検(令和9年度から必須)
- 特色検査:実技または作文・小論文(実施する学校のみ)
これらの得点を合計して、総合的に選抜が行われます。配点の比重は高校ごとに異なり、各校が公表する「選抜実施内容」で確認できます。
なお、埼玉県の県立高校には通学区域がありません。県内どこの高校にでも出願できます(市立高校は各市の規定による)。
入試の軸のひとつ、調査書の仕組みから見ていきましょう。
調査書(内申点)の仕組み
評定の対象学年と教科
調査書には、中学1年・2年・3年の各教科の評定が記載されます。評定は5段階で、対象は国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美術・保健体育・技術家庭の9教科です。
中3の評定は、第1学期と第2学期の成績をもとに判定されます。
令和9年度の調査書様式の変更点
これまでの調査書には、部活動・取得資格・ボランティア活動などを記載する「その他」欄や、「出欠の記録」欄がありました。令和9年度からこれらの欄は削除されました。
調査書に記載されるのは以下の2項目のみになります。
- 各教科の学習の記録(9教科5段階評定)
- 総合的な学習の時間の記録
部活動や学校外の活動、欠席日数は選抜資料から外れ、代わりに受検生が自分で作成する「自己評価資料」に自分の言葉で記入する形になりました。
傾斜配点とは
一部の高校では、特定の教科の評定を通常より高い比重で換算する「傾斜配点」を実施しています。理数系や芸術系の学科などで多く見られます。志望校が傾斜配点を実施しているかどうかは、埼玉県教育委員会の別表(別表5)で確認できます。
もうひとつの軸が、学力検査です。
学力検査の内容
5教科・各50分
学力検査は毎年2月下旬に実施されます(令和9年度は2月25日)。試験会場は志願先の高校です。
実施教科は国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、各50分です。英語にはリスニングテストが含まれます。解答形式はマークシートと記述の併用です。
学校選択問題とは
一部の高校では、数学と英語の試験に「学校選択問題」を使用します。通常の共通問題とは別に、各高校が選択して実施する問題で、難易度が異なります。どの高校が学校選択問題を実施するかは、埼玉県教育委員会が公表する別表(別表7)で確認できます。
難関校を志望する場合は、早めに確認しておくとよいでしょう。
学力検査の翌日には、全員が面接を受けます。
面接の仕組み
令和9年度から全員必須に
令和9年度入試から、すべての志願者が面接を受けます。これまでは実技検査を実施しない学科・コースで「実施できる」という位置づけでしたが、今年度から一般募集の全員が対象になりました。
形式は個人面接または集団面接で、学校によって異なります。
「My Voice(マイボイス)」の仕組み
令和9年度の面接には、「My Voice(マイボイス)」と呼ばれる時間が設けられています。
面接は大きく2つの部分で構成されます。
パート 内容 時間の目安 My Voice 受検生が自分の言葉で自由に話す 1分30秒〜2分程度 質問・応答 面接委員からの質問に答える 3分30秒〜6分程度
My Voiceでは、これまでの体験・力を注いだこと・将来取り組みたいことなどを自分の言葉で表現します。何を話すかは自由で、成功体験や大きな実績がなくても構いません。
評価の基準
面接で重視されるのは、話し方の上手さや実績の大きさではありません。活動に取り組んだ過程(プロセス)や、そこから何を学び・感じたかを自分の言葉で表現できるかどうかが評価の軸です。
評価の観点は主に2つです。
- 主体的・協働的な学びの力:主体的・協働的に学び続ける意欲があるか
- 自らの人生や社会の未来を切り拓く力:自分のよさを認識し、自らの未来を切り拓こうとしているか
加えて、各高校が独自に設定する「学校独自項目」についても評価されます。
自己評価資料との関係
自己評価資料は面接の補助資料として使われますが、得点化はされません。面接委員はこの資料を参考にしながら質問します。
自己評価資料には、日頃の気づきや体験のメモ、キャリアパスポートなどを活用して記入しておくとよいでしょう。整った文章でなくても、箇条書きやメモ書きで構いません。
「言葉に詰まってもよい、一言一句暗記する必要はない」と埼玉県教育委員会の資料に明記されています。自分らしい言葉で伝えることが大切です。
面接とあわせて、一部の学校では特色検査も行われます。
特色検査の種類と内容
特色検査は、一部の学校・学科を志願する受検生が受ける検査です。すべての高校で実施されるわけではありません。
2種類の特色検査
実技検査
芸術系(美術・音楽・書道・映像芸術・舞台芸術)、体育系(体育科・スポーツサイエンス科)、外国語系(外国語科・外国語コース)などを志願する場合に実施されます。検査の内容は学科・コースによって異なり、各校の募集要項に詳細が記載されています。
作文(小論文)
学科・コースの特色に応じた内容で出題されます。時間は原則30〜60分、文字数は600〜1,000字が目安です。
志望校で特色検査が実施されるかどうかは、埼玉県教育委員会の別表(別表2)で確認できます。
出願の流れ
電子出願が基本
埼玉県の公立高校入試の出願は、原則すべて電子出願システムで行います。出願の流れは以下のとおりです。
- 志願情報の入力:受検生が電子出願システムに情報を入力する
- 中学校による承認:出身中学校が内容を確認し、調査書などを電子データで提出・承認する
- 手数料の納付:電子収納で納付する(県立全日制2,200円)
志願先の変更
出願後も、定められた期間内に1回だけ志願先を変更できます。変更も電子出願システム上で手続きが完結します。
特別な選抜の種類
一般募集とあわせて、特別な事情のある受検生を対象とした選抜も実施されます。
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不登校生徒などを対象とした特別選抜
中学在学中に不本意な学校生活を送った生徒が対象です(在籍中学校長が認めた者)。自己申告書を提出し、面接は個人面接で行われます。
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帰国生徒特別選抜
海外在住2年以上かつ帰国後3年以内の生徒が対象です。社会・理科の学力検査が免除されます。
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外国人特別選抜
外国籍を持ち在日3年以内の生徒が対象です。国語・社会・理科の学力検査が免除されます。
いずれも一般募集と同じ日程で出願します。対象に該当するかどうかは、在籍中学校の先生に相談してみてください。
まとめ
埼玉県の公立高校入試は、調査書・学力検査・面接の3つが選抜の基本的な軸です。令和9年度からは面接が全員必須となり、My Voiceを通じて自分の言葉で自分を語る場が設けられました。
調査書も変わり、部活動や欠席日数ではなく、受検生自身が記入する自己評価資料が重視される方向になっています。実績よりも、取り組みの過程や自分なりの考えを言葉にする力が問われる入試になっています。
中学校での日々の活動を丁寧に振り返りながら、準備を進めていきましょう。
出典:埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施要項」「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接に係る資料」
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