- 高1・高2・高3で準備しておきたいこと
- 経験者が志望理由書・小論文・面接の対策を始めた時期
- 志望校の出願日から準備を逆算する方法
- 高3から始める場合に優先して確認したいこと
総合型選抜(旧AO入試)は、高1・高2で日々の学習や大学研究を進め、高3の春から出願準備を本格化するのが一つの目安です。ただし、必要な準備や開始時期は、志望大学の出願日や選考内容によって異なります。
塾シルが総合型選抜経験者416人に行った調査では、志望理由書・小論文・面接のいずれも「高3の4~8月」に始めた人が最多でした。一方で、64.2%が受験後に「もっと早く対策を始めればよかった」と振り返っています。
高1・高2から出願対策を始める必要はありませんが、高3になってから大学研究や自分の経験の整理まで一から始めると、準備期間が短くなります。学年に応じて、今できることから進めておくことが大切です。
この記事では、高1・高2・高3それぞれの時期に、何を準備しておけばよいのかを整理します。高3から検討を始めた人も、出願までの残り期間から何を優先すべきか確認できます。
【調査概要】
項目 内容 調査対象 総合型選抜経験者 調査時期 2026年8月 調査方法 インターネット調査 有効回答 416人
※開始時期と受験後の振り返りを集計したもので、準備を始めた時期と合否の因果関係を表す調査ではありません。
総合型選抜の準備はいつから?学年・時期ごとの目安
総合型選抜は、高1から志望理由書を書いたり、面接練習を始めたりする必要はありません。学年や時期によって、準備する内容を変えていくのが一つの目安です。
時期 主に準備しておきたいこと 高1 評定を意識して学校の学習に取り組み、興味・関心を広げる 高2前半 学びたい分野を探し、大学・学部を調べる 高2夏~後半 オープンキャンパスなどで大学を知り、自分の経験を振り返る 高3春 志望校を絞り、出願資格・提出書類・選考内容を確認する 高3春~夏 志望理由書、小論文、面接など必要な対策を本格化する 出願前 書類の推敲、模擬面接、必要書類や手続きを最終確認する
経験者416人への調査では、64.2%が受験後に「総合型選抜の対策をもっと早く始めればよかった」と振り返っています。
この結果だけから、「高1・高2から出願対策を始めるべき」と判断することはできません。ただ、後から準備期間が足りなかったと感じないように、今の学年でできることから進めておくとよいでしょう。
志望校の出願日から準備を逆算する
上の時期はあくまで目安です。実際にいつから何を始めるかは、志望大学の出願日や選考内容を確認して決めます。
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」では、総合型選抜の入学願書の受付は2026年9月1日以降、判定結果の発表は11月1日以降とされています。
ただし、大学によっては正式な出願より前に、説明会への参加やエントリー、事前課題の提出などが必要な場合があります。
志望大学の募集要項では、少なくとも次の項目を確認してください。
- 出願資格と評定などの条件
- エントリー期間と出願期間
- 志望理由書、活動報告書、学修計画書などの提出書類
- 面接、小論文、プレゼンテーションなどの選考方法
- 試験日と合格発表日
- 専願・併願の条件と入学手続き期限
必要な日程と選考内容がわかったら、書類の作成や添削、面接・小論文の練習に必要な期間を考え、最も早い締切から逆算して予定を立てます。
志望校が複数ある場合は、大学ごとに日程や必要書類を一覧にしておくと、準備の優先順位を整理しやすくなります。
学年別|総合型選抜で準備しておきたいこと
ここからは、高1・高2・高3で準備しておきたいことを具体的に見ていきます。
高1では日々の学習と興味・関心、高2では大学研究と自分の経験、高3では志望校に合わせた出願準備が中心です。
高1:評定と興味・関心の2つを意識する
高1で意識したいのは、評定につながる日々の学習と、自分が興味を持てるテーマを見つけることです。
大学・学部によっては、評定を出願条件にしている場合があります。まだ志望校が決まっていなくても、定期テストや提出物などに取り組んでおくことで、後から出願先を検討するときの選択肢を狭めにくくなります。
同時に、授業や探究学習、部活動、学校行事などを通じて、「もっと知りたい」「なぜこうなるのだろう」と思ったテーマにも目を向けてみましょう。この段階で大学で学びたいことまで決める必要はありません。
興味を持ったことや印象に残った経験は、簡単にメモしておくと後から振り返りやすくなります。受賞歴や特別な活動だけでなく、自分なりに工夫したことや考えが変わった出来事も、後に志望理由を考える材料になります。
総合型選抜のためだけに新しい活動を無理に増やすのではなく、まずは学校生活の中で興味を持ったことや、続けて取り組みたいことを見つけていきましょう。
高2:大学・学部を調べ、経験と学びたいことをつなげる
高2では、高1までに広げてきた興味・関心をもとに、大学で学びたい分野や進学先の候補を具体的にしていきます。
高2前半:学びたい分野と大学・学部を調べる
まずは、興味を持った授業や社会課題などから、学んでみたい分野を探します。そのうえで、大学・学部の公式サイトを見て、授業内容や研究分野を比較してみましょう。
同じ学部名でも、大学によって学べる内容や研究テーマは異なります。アドミッション・ポリシー(大学が求める学生像)も確認すると、その大学がどのような学生を求めているのかがわかります。
この段階で志望校を1校に決める必要はありません。気になる大学をいくつか比較しながら、自分が何を学びたいのかを具体化していきます。
高2夏~後半:大学を実際に知り、自分の経験も振り返る
気になる大学が見つかったら、オープンキャンパスや説明会も大学を比較する機会になります。模擬授業や学部説明などを通じて、Webサイトだけではわからなかった授業内容や研究テーマを確認できます。
高校生活で取り組んできたことも、この時期から振り返っておきましょう。部活動や探究学習などについて、「何をしたか」だけでなく、「なぜ取り組んだのか」「どんな課題があったのか」「何を工夫したのか」「そこから何を学んだのか」を整理します。
経験者416人への調査では、志望理由書に高2までに取り組み始めた人が45.7%いました。
ただし、高2のうちに完成原稿を作る必要はありません。志望理由書を書く前の段階として、自分の経験と大学で学びたいことを整理しておけば、高3で「なぜこの大学・学部を志望するのか」を考えやすくなります。
高3:志望校を絞り、出願準備を具体化する
高3では、志望校の募集要項を確認し、これまで考えてきたことを実際の出願書類や試験対策につなげていきます。
高3春:募集要項を確認し、必要な準備を洗い出す
志望大学や併願校の候補を絞り、大学ごとに次の内容を確認します。
- 出願資格や評定などの条件
- 出願日や、出願前のエントリーの有無
- 志望理由書、活動報告書などの提出書類
- 面接、小論文、プレゼンテーションなどの選考内容
- 学校で受けられる添削や面接指導
募集要項がまだ公表されていない場合は、前年度の内容を参考にして準備し、最新の募集要項が公開されたら必ず確認し直します。
一般選抜も受ける可能性がある場合は、受験勉強の時間も確保したうえで、総合型選抜の準備時間を組み込みます。
高3夏~:志望理由書・小論文・面接の対策を本格化する
経験者416人への調査では、志望理由書・小論文・面接のいずれも、「高3の4~8月」に取り組み始めた人が最多でした。高3の春から夏は、志望校の選考内容に合わせて具体的な対策を進める時期の一つです。
志望理由書は出願までに完成させる必要があるため、高3の春ごろから作成を進めます。小論文や面接は試験日に向けて練習期間を確保し、特に面接は志望理由書などの提出書類が固まり始めた段階から準備すると進めやすくなります。
対策 目安 志望理由書 高3春ごろから作成を進める。高2までに経験や学びたいことを整理しておくと進めやすい 小論文 小論文がある場合は、試験日から逆算して練習を始める 面接 提出書類の内容が固まり始めたら準備し、本番までに模擬面接を重ねる
志望理由書は、経験者の45.7%が高2までに取り組み始めていました。ただし、高2までに完成させる必要はありません。高2では自分の経験や大学で学びたいことを整理し、高3になったら志望校に合わせて文章にしていく流れでよいでしょう。
出願前:書類・試験・手続きを最終確認する
出願が近づいたら、志望理由書などの内容だけでなく、必要書類がそろっているか、提出方法や締切に間違いがないかも確認します。
面接や小論文などの試験がある場合は、本番を想定した練習を続けます。複数の大学へ出願する場合は、出願日や試験日、入学手続き期限も大学ごとに整理しておきましょう。
高3から始めるなら、出願条件と残り期間から優先順位を決める
高3になってから総合型選抜を検討し始めた場合も、出願までの期間や選考内容によっては準備できる可能性があります。
まず確認したいのは、「出願できるか」と「締切までに必要な準備ができるか」の2点です。次の項目を志望大学の募集要項で確認してください。
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評定などの出願資格を満たしているか
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出願や事前エントリーの締切はいつか
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志望理由書など、どのような書類が必要か
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面接・小論文・プレゼンテーションなど、どのような選考があるか
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学校で添削や面接指導を受けられるか
出願資格を満たしていることを確認したら、最も早い締切から逆算して、必要な準備を並べます。
準備期間が限られている場合は、活動実績を増やすために新しいことを始めるより、これまでの高校生活を振り返ることを優先します。部活動や探究学習、授業、学校行事などから、「なぜ取り組んだのか」「どのように考え、行動したのか」「そこから何を学んだのか」を整理してみましょう。
そのうえで、自分の経験と「なぜその大学・学部で学びたいのか」をつなげ、志望理由書や面接の準備に進みます。
小論文がある場合は、書いて添削を受ける時間も必要です。面接やプレゼンテーションを課す大学では、提出書類の作成と並行して練習の予定も確保します。
学校の先生に相談するときは、志望大学の募集要項と、作成途中でもよいので志望理由書などの資料を持参すると、出願までに何を優先すべきか相談しやすくなります。
学校で受けられる支援だけでは不足する場合は、必要な部分に限って塾や講座、添削サービスなどを利用する方法もあります。
総合型選抜の開始時期に関するよくある質問
高3の夏からでも間に合いますか?
高3の夏からでも、出願資格を満たし、必要な準備期間を確保できれば間に合う大学はあります。ただし、出願までの期間が短いため、まず志望校の募集要項を確認し、すぐに準備の優先順位を決める必要があります。
最初に確認するのは、出願資格、出願やエントリーの締切、提出書類、面接・小論文などの選考内容です。正式な出願より前にエントリーや事前課題が必要な大学もあるため、出願日だけで判断しないようにしましょう。
出願できることを確認したら、志望理由書など締切のある提出書類から着手します。小論文や面接がある場合は、試験日までの練習期間も確保します。
準備期間が限られている場合は、新しい活動実績を増やそうとするより、これまでの高校生活での経験を振り返り、志望理由につなげることを優先します。
あわせて、学校で志望理由書の添削や面接練習をどの程度受けられるかも確認しておきましょう。十分な回数を確保しにくい場合や、小論文など自分だけでは進めにくい対策がある場合は、必要な部分だけ塾や添削サービスを利用する方法もあります。
志望理由書・小論文・面接は、どれから始めたらよいですか?
基本は、志望理由書から始め、面接と小論文を並行して進めます。
志望理由書を作る過程で、自分の経験や大学で学びたいこと、「なぜこの大学・学部なのか」を整理できます。面接では志望理由書や活動報告書の内容について聞かれることもあるため、提出書類の内容が固まり始めたら面接練習へ進みます。
小論文がある場合は、志望理由書の完成を待つ必要はありません。出題形式を確認し、試験日から逆算して練習を始めましょう。
ただし、必要な提出書類や選考内容は大学・学部によって異なります。最初に募集要項を確認し、自分の志望校に合わせて順番を調整してください。
総合型選抜対策の塾にはいつから通えばよいですか?
総合型選抜のために、必ず特定の時期から塾へ通う必要があるわけではありません。
まずは、志望校で必要な対策と、学校で受けられるサポートを確認します。そのうえで、志望理由書の添削、小論文、面接など、自分だけでは進めにくい部分がある場合に利用を検討するとよいでしょう。
塾に通う場合も、すべての対策を任せるのではなく、必要な講座やサポートだけ利用する方法があります。
まとめ|総合型選抜は、今の学年でできる準備から始める
総合型選抜は、「何年生の何月から始めればよい」と一律に決められるものではありません。高1では評定と興味・関心、高2では大学研究と自分の経験、高3では志望校に合わせた出願準備と、学年ごとに重点を変えていきます。
経験者の開始時期は参考になりますが、その時期をそのまま自分に当てはめる必要はありません。後から準備期間が足りなかったと感じないためにも、まずは今の学年でできることを確認してみてください。
志望校が決まっている場合は、募集要項で出願資格、締切、提出書類、選考内容を確認し、必要な準備を逆算することが次の一歩です。すでに高3の場合も、出願条件と残り期間を確認したうえで、優先順位を決めて進めましょう。
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