「河合塾・駿台・東進・代ゼミ、どこがいいの?」と調べ始めると、情報が多すぎてかえって決められなくなることがあります。
結論から言えば、予備校選びは志望校の系統・通学できる距離・自己管理力の3点で候補を絞り、体験授業で最後に確かめるのがいちばんミスの少ない選び方です。
まずは比較表で全体像をつかみ、そのあと自分の条件に当てはめて候補を1〜2校に絞りましょう。
そもそも予備校に通うべきか迷っている場合は大学受験に予備校は必要?通うべき人の特徴と判断基準を、予備校選びの基本(指導形態の選び方・合格実績の読み方・入塾前の確認ステップ)は高校生の予備校の選び方|現役合格を目指すために見るべきポイントでくわしく解説しています。
河合塾・駿台・東進・代ゼミ、何が違う?

まず4グループの特徴を一覧で確認しましょう。詳しい選び方は次のセクションで解説します。
河合塾グループ 駿台グループ 東進グループ 代ゼミグループ 得意な志望校系統 文系・難関私立・国公立文系 理系難関・医学部 難関私立(現役) 系統問わず/少人数重視 対面の予備校 河合塾 駿台予備学校 ※東進は映像のみ 代々木ゼミナール 映像の予備校 河合塾マナビス 駿台Diverse 東進ハイスクール/東進衛星予備校 代ゼミサテライン 合格実績の公表 詳細公表あり 2026年度より非公表 現役生のみ・厳格基準 詳細公表あり 自己管理の必要度 対面:低
映像:中対面:低
映像:低高 対面:低
映像:中〜高対面校舎数 約80校舎 34校舎 ―(映像専門) 直営6拠点のみ 対面年間費用の目安 約57万円〜 3科目で約74万〜115万円 ― 月謝制3教科・年約29万円〜 映像年間費用の目安 3科目・年60万〜100万円 月額制・年40万〜70万円 単科5講座+諸費用で年57万円〜 月謝制・年約29万円〜
候補の絞り方:3つの確認ポイント

以下の3つを順番に確認していくと、候補が1〜2校に絞れます。
① 志望校の系統は?
理系難関・医学部を目指すなら → 駿台グループ
東大・京大・難関国立理系・医学部を目指すなら、まず駿台グループが最有力候補です。授業は原理・原則から理解を深めるスタイルで、テクニックの丸暗記より思考力の育成を重視しています。
東京のお茶の水校には東大専門校舎、市谷校舎には医学部専門の校舎があり、全国から上位層が集まります。
駿台は2026年度より大学別の合格者数の公表を取りやめましたが(詳細は後述)、これは実績がないためではなく、学習形態の変化への対応が理由です。
文系・難関私立・国公立文系を目指すなら → 河合塾グループ/東進グループ
河合塾の最大の強みは「全統模試」の規模です。2024年度の共通テストプレ模試では受験者が24万人超で、全受験生の約50%が受験しています。
これだけの母集団があるため、模試の偏差値・志望校判定の精度が高く、進路指導の質に直結しています。
合格実績でも2026年度に国公立大医学部医学科1,608名・私立大医学部医学科2,681名を記録しており、文系・理系を問わず幅広い実績があります。
東進は現役合格者数が私立最難関で特に強く、2025年度は早稲田大学3,122名・慶應義塾大学2,217名の合格者を出しています。
講師・環境との相性を重視するなら → 代ゼミグループ
大人数の授業が苦手、少人数で講師と近い距離で学びたい、総合型選抜の対策も必要——こうした状況に当てはまるなら代ゼミグループが向いている可能性があります。
文系・理系どちらにも対応しており、入試形式別の専門講座も充実しています。
② 通える距離に対面校舎があるか?
志望系統に合った対面校舎が通学圏(目安:片道30分以内)にあれば対面が選びやすい状況です。ない場合は映像の予備校が現実的な選択肢になります。
- 河合塾は約80校舎で、北海道から沖縄まで四国・東北各県にも拠点があり、対面の選択肢として最も地方に広がっています
- 駿台は34校舎で、東京・大阪に半数が集中。四国エリアには校舎がなく、北陸・山陰も手薄です
- 代ゼミの直営校舎は全国6拠点(代々木・札幌・新潟・名古屋・大阪・福岡)のみです
③ 映像授業を自分で管理して進められるか?
映像を選ぶ場合は、自己管理力に合った予備校を選ぶことがポイントです。対面との違いや向いている人の特徴はこちらの記事もあわせてご覧ください。
| 向いている人 | 管理サポートの特徴 | |
|---|---|---|
| 河合塾マナビス | 映像を選びたいが自己管理に不安がある | 受講直後にスタッフへの口頭説明(アドバイスタイム)が義務づけられており、受け身になりやすい映像学習を能動的にする仕組みがある |
| 駿台Diverse | 難関理系・医学部志望で管理も欲しい | 月2回のコーチング面談+AI(人工知能)学習分析。東大・京大生によるオンライン質問対応あり。季節講習なし(年35回で完結)で費用が安定しやすい |
| 東進ハイスクール | 自分でペースを作れる | 週1回のチームミーティングと担任助手(現役大学生)のサポートがあるが、日々の視聴スケジュールは自己管理 |
| 代ゼミサテライン | 科目を絞って受講したい | 月謝制(受け放題)・講座単位・スマホ視聴と受講形式の自由度が高い。苦手科目の集中受講にも使いやすい |
合格実績の読み方
予備校を選ぶとき、合格実績の「数字」だけ見ると判断を誤ることがあります。各グループがどのような基準で実績を公表しているかを把握しておきましょう。
河合塾:詳細な実績を継続公表
河合塾は引き続き詳細な合格者数を公表しており、2026年度は国公立大医学部医学科1,608名・私立大医学部医学科2,681名(防衛医科大含む)を記録しています(出典:河合塾公式サイト 2026年度速報)。
全統模試の大規模データを背景にした進路指導の精度の高さが、医学部志望者への実績に出ています。
駿台:2026年度より合格者数を非公表に
駿台は2026年度より、大学・学部ごとの合格者数の公表を原則取りやめました。
現在の受験生は複数の予備校・教材を併用することが常態化しており、「どの予備校の実績か」という区別が意味をなさなくなっているという点を理由に挙げています。
事実、2025年度の東京大学前期合格者数は2,997名でした。しかし主要予備校の合格実績を合計するとこれを大きく上回っており、数字の信頼性が業界全体の課題になっていました。
駿台はこの現状に対して、数字より学びの質を重視する方針に転換しています。
東進:現役生のみ・厳格な算出基準
東進は合格実績の算出基準において厳格なルールを設けており、入学手続きを行い通期講座を1講座以上受講した生徒のみをカウントしています。
短期の講習受講者・模試受験者は含まれません。これは業界に多い「実績の水増し」への批判的な姿勢の表れであり、数字の信頼性という点では比較的確認しやすい実績です。
合格実績の数字は、算出基準が予備校によって大きく異なります。短期講習の受講生を実績に含めているかどうかだけでも、合格者数は大きく変わります。「全体の合格者数」より「自分の志望校・学部への合格者数」を確認する方が、実際の選択に役立ちます。
模試の特徴
合格実績と合わせて確認しておきたいのが、各グループの模試の特徴です。模試は自分の全国的な立ち位置を測る手段であり、どの模試を受けるかによって判定の精度も変わります。
模試の特徴 外部受験 河合塾
(全統模試)最大規模。共通テスト対応模試は受験者数十万人で、偏差値・志望校判定の精度が高い 可能 東進 年数回実施。試験後5日以内という速さで成績表を返却。記憶が鮮明なうちに復習できる 可能 代ゼミ
(入試プレシリーズ)名古屋大・東北大など地方旧帝大を含む大学別プレ模試が充実。在籍生に優待料金あり 可能 駿台 難関大志望者が多く受ける記述模試(駿台全国模試)が柱。東大・京大・地方旧帝大の実戦模試も揃い、上位層での立ち位置を測りやすい 可能
各グループの2026年度模試日程は以下の記事でまとめて確認できます。
部活・学校行事との両立
現役生にとって、学校・部活と予備校の両立は大きなテーマです。入塾前に各グループの対応を比べておきましょう。
河合塾は欠席した授業を後日「塾生マイページ」から映像授業として振替視聴できます(無料・手続き不要)。
同一ターム内であれば、他の校舎・時限の同じ講座に振り替えることもできます。授業開始1時間前までに申請すれば認められます。
東進は映像授業が基本なので、部活の引退時期や学校行事に合わせて受講ペースを自由に調整できます。定期テスト前に受講を一時停止して自習に専念するといった調整も簡単にできます。
代ゼミは月謝制の柔軟性を活かして、定期テスト期間が重なる月に受講科目を絞るといった運用が可能です。
駿台の振替・調整制度は校舎によって異なるため、通う予定の校舎に直接問い合わせてみてください。
費用の目安と注意点
対面予備校の費用
| 予備校名 | 入学金 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|
| 河合塾 | 33,000円 | 3科目受講で年50〜60万円程度+塾生サポート料月7,140円(受講講座数によって変動) |
| 駿台予備学校 | 33,000円(説明会参加等で16,500円に割引) | 3科目受講のモデルケースで約74万円〜(講座・地区・入学月によって変わるため詳細は校舎に確認を) |
| 代々木ゼミナール | 33,000円 | 学期制・パック制が基本。3講座パック(学期+講習会込)は425,000円〜、3教科までのフリーセレクトプランは450,000円 |
映像予備校の費用
| 予備校名 | 入学金 | 費用の特徴 |
|---|---|---|
| 河合塾マナビス | 6,600円(事務手数料) | 月額サポート料6,600円+受講料(90分1講3,820円)。3科目フル受講で年間60万〜100万円程度 |
| 駿台Diverse | 33,000円 説明会参加で16,500円 | システム・サポート料は月5,000円。授業料はパッケージ制。季節講習なしで年間の支出が安定しやすい |
| 代ゼミサテライン | 校舎による | 月謝制(受け放題):3教科以上で月24,200円(上限)。教材費別。季節講習は90分×4回16,000円と他グループより安め |
| 東進ハイスクール | 33,000円 | 単科1講座85,800円×受講数+担任指導費77,000円+模試費29,700円(高3)。受講数やコースによっては総額100万円超になるケースも |
見落としがちな費用
季節講習は授業料に含まれていません。 夏・冬だけで20〜40万円の追加になることがあります(1講習の相場:駿台28,000円〜・代ゼミ16,000円〜。河合塾は校舎に確認を)。
入学時に「季節講習も含めた年間総額でいくらになりますか?」と必ず聞いておきましょう。
また「思ったより科目数が増えた」という費用の膨らみが現役生に起きやすいパターンです。受講予定の科目と年間総額は、最初に整理しておくと安心です。
予備校費用の相場と内訳はこちらの記事でくわしく解説しています。
まとめ:最後は体験授業で確認を
候補が絞れたら、体験授業で実際に確かめましょう。年間の総費用(授業料・季節講習・模試・教材費)も申し込む前に把握しておくと、入学後のギャップを防ぎやすくなります。
1校だけで即決せず、2〜3校を比較してから決めるのがおすすめです。
あなたに合った予備校は、実際に足を運んでみてはじめてわかることがあります。まず1校、気になるところから体験してみてください。
体験授業での確認ポイントや予備校選びのステップについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
大手以外の予備校も選択肢に
この記事で紹介した4グループは全国規模で展開していますが、地域に特化した予備校や、特定の志望校に強みを持つ小規模の予備校も選択肢のひとつです。費用が大手より抑えられるケースもあります。
※本記事に掲載している情報は記事執筆時点のものです。料金・キャンペーンなどの最新情報は各教室にお問い合わせください。

