- 大学受験で塾を使わなかった人の割合
- 塾あり・塾なしで「志望校のどこか」への進学率にどれだけ差があったか
- 塾に通った人が成果を感じている部分
- いまの課題別に、塾に通うかどうかをどう判断するか
大学受験を前に、「塾に通わなくても大丈夫?」「独学だと不利になる?」と迷っている人もいるのではないでしょうか。
塾シルが大学受験を経験した20代3,446人に調査したところ、受験対策で塾・予備校を使わなかった人は61.3%でした。
さらに、志望校のどこかに進学できた割合は、塾に通った人が86.0%、塾・予備校、家庭教師、添削サービス、通信講座のいずれも利用しなかった独学の人が85.2%。大きな差はありませんでした。
ただし、これは「塾に通う意味がない」ということではありません。塾に通った人の回答を見ると、合否だけでなく、学力の伸びや苦手克服などに成果を感じている人もいます。
この記事では、3,446人の調査と塾シルに寄せられた口コミをもとに、大学受験は塾なしでも大丈夫なのか、どんな場合に塾を検討するとよいのかを整理します。
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大学受験で塾なしの割合は61.3%
大学受験を経験した20代3,446人のうち、受験対策で塾・予備校を継続的に使ったのは1,333人でした。全体の38.7%です。
一方、塾・予備校を使わなかった人は2,113人で、61.3%を占めます。
さらに、塾・予備校だけでなく、家庭教師・添削サービス・通信講座も利用しなかった「独学」の人は1,576人でした。全体の45.7%にあたります。
受験対策で使ったもの 割合(人数) 塾・予備校を使った 38.7%(1,333人) 塾は使わず、家庭教師・添削・通信講座のいずれかを使った 15.6%(537人) 塾・家庭教師・添削・通信講座を使わなかった(独学) 45.7%(1,576人)
なお、「大学受験で塾なしは約4割」という数字を見かけることもあります。
これは文部科学省の「子供の学習費調査」にある高校3年生の通塾率から逆算した推測値で、大学受験を経験した本人に直接聞いた数字ではありません。
この記事で紹介している61.3%は、大学受験を経験した人に直接聞いた割合です。また、大学に進学しなかった人も含むため、合格者や大学進学者だけを対象にした調査とは母集団が異なります。
では、塾に通わなかった人が多いとして、受験結果には違いがあったのでしょうか。
次に、塾を使った人と使わなかった人の進学結果を比べます。
志望校のどこかに進学した割合は、塾あり・なしでほぼ同じ
志望校のどこかに進学できた割合は、どのグループでも84.2〜86.7%の範囲に収まりました。
受験対策 第1志望に進学 志望校のどこかに進学 塾・予備校を利用 50.5% 86.0% 家庭教師・添削・通信講座のいずれかを利用 38.4% 84.2% 独学 64.8% 85.2%
「志望校のどこかに進学」は、第1志望と第1志望以外の志望校を合わせた割合です。
志望校のどこかに進学した割合の差は、最大でも2.5ポイント(86.7%と84.2%)でした。統計的にも意味のある差は確認されていません。
今回の調査では、塾を利用した人のほうが志望校への進学率が明確に高い、という結果にはなりませんでした。
ただし、表を見ると「第1志望に進学した割合」ではグループ間に大きな差があります。
では、独学のほうが第1志望に届きやすいのでしょうか。
大学受験は塾なしのほうが第1志望に届きやすい?
今回の調査では、第1志望に進学した割合は独学が64.8%、塾を使った人が50.5%でした。数字だけを見ると、独学のほうが14.3ポイント高くなっています。
ただし、この結果から「塾なしのほうが第1志望に届きやすい」とは言えません。
今回の3,446人調査では、本人の学力や第1志望校の難易度をそろえて比較していないためです。
実際、塾に通った人の口コミ2,727件だけを見ても、第1志望校によって合格率には大きな差があります。
第1志望校 第1志望校に合格した割合(件数) 早慶上理・ICU 53.7%(201件) 旧帝大・一橋大学・東京工業大学 57.8%(408件) その他の難関国公立大学 59.1%(357件) MARCH・関関同立 64.4%(396件) 日東駒専・産近甲龍 69.4%(144件) その他の私立大学・地方大学 76.3%(1,221件)
塾に通った人だけを見ても、合格率は53.7〜76.3%まで開いています。
第1志望の結果を考えるときは、塾に通ったかどうかだけでなく、どの大学を第1志望にしたのかも無視できません。
そのため、独学64.8%、塾あり50.5%という数字は事実として示せますが、この差をそのまま「塾なしのほうが有利」と解釈することはできません。
今回の調査から言えるのは、塾を使ったかどうかだけでは、第1志望の結果を説明できないというところまでです。
では、合否だけでは塾の価値を判断できないとすると、実際に塾へ通った人はどんな点に成果を感じているのでしょうか。
塾に通った人は、何に成果を感じている?
塾に通った人の回答を見ると、合否だけでなく、学力の伸びや通塾目的の達成を挙げる人も多くいます。
口コミ2,727件で3つの指標を並べると、次のようになります。
指標 割合 偏差値が上がった 75.9% 通塾目的を達成できた 80.7% 第1志望校に合格した 67.5%
偏差値が上がったと答えた人は75.9%、通塾目的を達成できたと答えた人は80.7%でした。どちらも、第1志望校に合格した人の割合67.5%を上回っています。
塾に通った人が成果を感じているのは、合否だけではないことが分かります。
では、何を目的に通ったときに成果を感じやすかったのでしょうか。
通塾目的別に達成率を見ると、次のような違いがありました。
塾に通った目的 目的を達成できた割合(件数) 定期テスト対策 87.2%(329件) 学力伸長・内部進学 87.1%(101件) 苦手克服 83.7%(246件) 私立受験 81.1%(1,705件) 公立受験 78.1%(503件) 国立受験 76.9%(1,340件)
今回の口コミでは、私立・公立・国立受験を目的にした人の達成率が77〜81%程度だったのに対し、定期テスト対策や学力伸長を目的にした人では87%前後でした。
つまり、「大学に合格したい」という大きな目的だけで塾を考えるのではなく、自分がいま何に困っていて、塾に何を手伝ってほしいのかまで具体化することが大切です。
たとえば、
- 苦手科目を克服したい
- 学習を継続できるようにしたい
- 勉強の計画を立ててもらいたい
- 分からない問題を質問できる環境がほしい
といった課題があります。
ここまで整理すると、次に考えるべきなのは「一般的に塾が必要か」ではなく、自分の場合は塾を使ったほうがよいのかです。
大学受験で塾に通うべきか迷ったときの判断基準
今回の調査から、「大学受験には塾が必要」「塾なしのほうがよい」と一律に決めることはできません。
塾に通うかどうかは、いま自分が何に困っているかから考えるのがよいでしょう。
今回の調査では、独学1,576人のうち85.2%が志望校のどこかに進学していました。一方、塾に通った人では、苦手克服を目的にした人の83.7%、定期テスト対策を目的にした人の87.2%が「目的を達成できた」と答えています。
こうした結果を踏まえて、判断の目安を整理すると次のようになります。
いま困っていること おすすめの選択肢 特に困っておらず、自分で勉強を続けられる まずは独学で進める 苦手科目を自分で解決できない 個別指導などを検討する 勉強が続かない 学習管理のある塾・サービスを検討する 質問や添削だけしてほしい 必要なサポートだけ利用する 志望校までの勉強計画が分からない 学校や塾で学習計画を相談する
通える範囲にどんな大学受験向け塾があるか見てみる
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大切なのは、塾に通うかどうかを先に決めないことです。まず自分の課題を整理し、自力で解決できるのか、誰かのサポートが必要なのかを考えます。
塾なしで進める場合も、「念のため通信講座や添削サービスを使っておこう」と考える必要はありません。
塾を利用しなかった人を見ると、家庭教師・添削・通信講座のいずれかを使った人の84.2%、それらも使わなかった独学の人の85.2%が、志望校のどこかに進学していました。
受験対策で使ったもの 志望校のどこかに進学(人数) 家庭教師・添削・通信講座のいずれかを使った 84.2%(537人) 塾・家庭教師・添削・通信講座を使わなかった(独学) 85.2%(1,576人)
この結果だけから、「塾に行かないなら通信講座を使ったほうがよい」とは言えません。必要なのは、サービスを増やすことではなく、自分に足りない支援だけを補うことです。
- 学習計画を自分で組めないなら、計画を管理してもらう
- 記述式や小論文の添削相手がいないなら、添削サービスを使う
- 教材の選び方が分からないなら、通信講座のカリキュラムを利用する
そのうえで、苦手科目の指導や学習管理など、塾のサポートが必要だと感じたら塾を候補に入れます。
塾を選ぶときは、費用だけでなく、集団指導・個別指導、対面・オンラインといった指導形式や、学習計画・質問・添削への対応が、自分の課題に合っているかを確認しましょう。
まとめ
今回の調査では、大学受験で塾・予備校を使わなかった人は61.3%でした。また、志望校のどこかに進学した割合は、塾に通った人と独学の人で大きな差は見られませんでした。
一方で、この結果だけから「塾は必要ない」と判断することもできません。塾に通った人の多くは、苦手克服や学力の伸び、学習の継続といった部分にも成果を感じています。
大切なのは、塾に行くかどうかを先に決めるのではなく、自分がいま何に困っているのかを整理することです。
自分で計画を立てて勉強を続けられているなら、塾なしで進めることも十分に選択肢になります。一方、苦手科目を解決できない、勉強を続けられない、質問や添削をしてくれる相手が必要といった課題があるなら、塾を検討する意味があります。
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