- 学校推薦型選抜の基本的な仕組みと特徴
- 指定校推薦と公募推薦の違いと選び方
- 学校推薦型選抜のメリット・デメリット
- 不合格時のリカバリー戦略
大学受験において、学校推薦型選抜は今や主要な入試制度の一つとなっています。
2024年度は、全大学入学者のうち約35%が学校推薦型選抜で入学しており、私立大学では約40%を占める重要な選抜方法です。
※出典:文部科学省 令和6年度国公私立大学入学者選抜実施状況
学校推薦型選抜は、高校3年間の学業・活動の積み重ねや人物面が評価される入試です。
早めに制度を理解し、評定平均の維持や志望理由の整理、面接・小論文対策を計画的に進めることで、一般選抜とは異なるルートで志望校合格を狙えます。
この記事では、学校推薦型選抜の仕組みから指定校推薦と公募推薦の違い、合格に向けた具体的な準備、不合格時の切り替え戦略までを分かりやすく解説します。
- 学校推薦型選抜とは何か?制度の基本を理解しよう
- 学校推薦型選抜の特徴
- 一般選抜・総合型選抜との違い
- 学校推薦型選抜は2種類!指定校推薦と公募推薦の違い
- 指定校推薦とは?その特徴と仕組み
- 公募推薦とは?指定校推薦との違い
- 「専願」と「併願」をここで整理
- 【比較表】代表的な推薦方式の違い(目安)
- 国公立大学と私立大学の違い
- 出願スケジュールと選考の流れ(目安)
- 自分に合った推薦方式の選び方
- 学校推薦型選抜(公募制)の選考方法は?評価基準と審査内容を詳しく解説
- 書類審査:調査書と志望理由書が合否の土台
- 面接:人柄や学ぶ意欲が見られる
- 小論文:思考力と表現力を確認
- 学力確認:共通テスト・基礎テスト・資格活用など
- 学校推薦型選抜のメリット・デメリットを正直に解説
- 学校推薦型選抜の主なメリット
- 学校推薦型選抜のデメリットとリスク
- 学校推薦型選抜で合格するには?高1からの準備と評定対策
- 高校1年生:土台づくりの重要な1年
- 高校2年生:専門性を深める発展期
- 高校3年生:仕上げと実践の集大成
- 効果的な定期テスト対策のコツ(評定を落とさない仕組み)
- 志望理由書・面接・小論文の対策ポイント
- 志望理由書:4点セットを揃える(書く前に決める)
- 面接:よく聞かれる3問を“短く”答えられるようにする
- 小論文:型を決めて反復する(序論→本論→結論)
- 学力確認がある場合:推薦でも基礎学力は落とさない
- 学校推薦型選抜に落ちたら?不合格時のリカバリー戦略
- まずやるべきこと:当日〜48時間の行動(最短リカバリー)
- 一般選抜への切り替え:時期別の対応策
- 気持ちの切り替えと立て直し方
- 出願戦略の見直しポイント(落ちた後こそ戦略が効く)
- 保護者のサポート方法(家庭でできる現実的支援)
- 学校推薦型選抜でよくある質問(FAQ)
- まとめ:学校推薦型選抜を成功させるために
学校推薦型選抜とは何か?制度の基本を理解しよう

学校推薦型選抜とは、高等学校の校長による推薦に基づいて行われる大学入試制度です。
従来の「推薦入試」が2021年度から名称変更されたもので、高校在学中の学業成績や活動実績を主な判断材料として、大学で必要とされる資質を多面的に評価して合否を決定します。
一般選抜とは異なり、高校3年間の継続的な努力や人物面が重視されやすい入試制度として、多くの大学が採用する主要な選抜方法となっています。
学校推薦型選抜の特徴
学校推薦型選抜の最大の特徴は、出願に校長先生の推薦が必要という点です。
これは単なる書類上の手続きではなく、高校が「この生徒を責任を持って推薦します」と一定の責任を持って送り出すことを意味します。
そのため、対象は現役高校生が中心で、既卒者の出願可否は大学・方式によって異なります ※13。必ず志望校の募集要項で確認しましょう。
出願には一定の成績基準(評定平均値)を満たすことが求められる場合があります。評定平均の計算方法や基準値については、第3章で詳しく解説します。
また、選考時期が早いのも特徴です。通常11~12月頃に実施・合否決定されるケースが多く、一般選抜(1~3月)より早期に進路が確定しやすい点がメリットです。
合格すれば受験勉強のプレッシャーから解放され、残りの高校生活を有意義に過ごしやすくなります。
学校推薦型選抜では、学力試験だけでは測れない多様な能力や意欲も評価対象になります。
部活動、生徒会活動、ボランティア、各種コンテストでの受賞歴など、高校生活全体での取り組みが総合的に判断されるため、筆記試験が得意でない場合でも、継続した努力を強みにできる点が特徴です。
一般選抜・総合型選抜との違い
学校推薦型選抜と他の入試制度との違いを整理すると、まず一般選抜では学校長の推薦は不要で、主に学力試験の成績で合否が決まります。
現役生・既卒生を問わず受験可能で、複数大学の併願が認められるのが一般的です。
一方、総合型選抜(旧AO入試)では校長先生の推薦は不要ですが、受験生自身が大学の求める人物像(アドミッション・ポリシー)に合致していることを、書類や面接などで示す必要があります。
学校推薦型選抜が「高校が推薦する入試」であるのに対し、総合型選抜は「受験生が自分を売り込む入試」という違いがあります。
大学入試の種類を全体像から整理したい方・総合型選抜について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
学校推薦型選抜は高校3年間の継続的な努力が評価されやすい制度です。まずは自分の高校にどのような推薦枠があるかを確認し、進路指導の先生に相談してみることをおすすめします。
学校推薦型選抜は2種類!指定校推薦と公募推薦の違い

学校推薦型選抜には大きく分けて「指定校制(指定校推薦)」と「公募制(公募推薦)」の2種類があります。
指定校推薦は、大学が特定の高校に推薦枠を設ける方式で、公募推薦は出願条件を満たせば全国の高校生が出願できる方式です。
それぞれ合格までの流れ、競争の仕組み、出願条件が異なるため、自分の状況に合った方式を選ぶことが重要です。
指定校推薦とは?その特徴と仕組み
指定校推薦とは、大学が特定の高等学校を「指定校」として指定し、その高校の校長から推薦された生徒のみが出願できる方式です。
各大学・学部が指定校ごとに推薦枠を設定し、希望者が枠を超える場合は高校内で校内選考(学内の選抜)が行われます。
指定校推薦の特徴は、校内選考を通過できれば合格に近づきやすく、合格率が非常に高い点です。
これは高校と大学の信頼関係に基づく制度であり、高校が責任を持って推薦する生徒を大学が受け入れる前提で枠が運用されているためです。
ただし、最終的な合否判断は大学が行うため、油断せず面接や提出書類の準備は丁寧に進めましょう。
また指定校推薦は、合格した場合に入学を確約する「専願(合格したら入学する前提)」として運用されることが一般的です。
入学辞退が原則できない(または強く制限される)ケースが多いため、第一志望が明確な場合に向いています。
公募推薦とは?指定校推薦との違い
公募推薦とは、大学が全国の受験生に広く募集をかける推薦方式で、出願条件を満たせばどの高校の生徒でも出願できます。
高校長の推薦書が必要な点は指定校推薦と共通ですが、特定高校の枠に縛られないため、より多くの受験生にチャンスがあります。
公募推薦は、学業成績を中心に評価する「公募制一般推薦」と、スポーツ・文化活動・ボランティアなど学業以外の実績を評価に含める「公募制特別推薦」に分かれることがあります。
指定校推薦との大きな違いは、大学側での選抜(競争)がある点です。人気大学・学部では倍率が高くなることもあり、推薦があっても不合格になる可能性があります。
倍率は大学・学部・年度で大きく変動するため、過去の入試結果や募集要項で目安を確認しておくと安心です。
「専願」と「併願」をここで整理
推薦入試では「専願・併願」という言葉がよく出てきますが、意味が混ざりやすいので整理します。
- 専願:合格したら入学する前提(入学辞退が原則できない/強く制限される)
- 併願:他大学の出願も同時にできる、または合格後に進路選択の余地がある(※運用は大学ごとに異なる)
公募推薦の中には併願可の方式もありますが、範囲(他大学との併願可/同一大学の別方式のみ可/合格後の辞退可否など)は大学によって異なります。ここは必ず募集要項で確認しましょう。
専願について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【比較表】代表的な推薦方式の違い(目安)
| 推薦方式 | 対象校 | 合格の確度 | 競争の仕組み | 専願・併願 | 主な選考方法 |
|---|---|---|---|---|---|
| 指定校推薦 | 指定校のみ | 非常に高い傾向 | 校内選考が中心 | 専願が一般的 | 書類審査・面接 |
| 公募制一般推薦 | 全国の高校 | 大学・学部で変動 | 大学で選抜(倍率あり) | 専願が多い(併願可もあり) | 書類審査・面接・小論文/学力確認 |
| 公募制特別推薦 | 全国の高校 | 条件・枠次第 | 募集枠が限定されやすい | 専願が多い | 実績評価・面接・実技(必要に応じて) |
※「合格の確度」は方式の性質上の傾向であり、最終的な合否は大学の選抜によります。
国公立大学と私立大学の違い
国公立大学では、公募制推薦を中心に実施する大学が多く、私立大学で一般的な指定校推薦はほとんど行われていません。
また、学力の確認として共通テストを課す(または共通テストの成績を合否に加味する)大学が多い傾向があります。
合格発表の時期も、共通テスト後(1〜2月以降)になるケースが見られます。
私立大学では、指定校推薦と公募推薦の両方を導入している大学が多く、特に指定校推薦の比重が高いケースが見られます。
選考は書類審査・面接が中心で、年内に合否が決まるスケジュールとなることが多い点が特徴です。
出願スケジュールと選考の流れ(目安)

学校推薦型選抜の一般的なスケジュールは以下の通りです(大学により前後します)。
6~7月:各大学が募集要項を公表
9~10月:指定校推薦の校内選考実施(高校内)
11月:出願受付開始、選考(面接・小論文・学力確認など)
12月:私立大学の合格発表(年内決定の例が多い)
1月:共通テスト実施
2月:国公立大学の合格発表(共通テスト後の選考がある場合)
自分に合った推薦方式の選び方
指定校推薦は「確実性」を重視する人に向いています。
評定平均が高く、第一志望が明確で、合格したら入学する覚悟がある場合におすすめです。
ただし、校内選考があるため、同じ大学・学部を志望する同級生との競争になる可能性があります。
公募推薦は、指定校枠がない大学に挑戦したい人や、より幅広い選択肢から受験先を検討したい人の選択肢になります。
不合格の可能性はありますが、選考方法(小論文・面接・学力確認)に合わせて対策できれば、上位校を狙えるケースもあります。
どちらの方式を選ぶにしても、高校1年生からの継続的な成績維持と、志望理由の明確化が成功の鍵となります。
推薦方式の選択は「第一志望への本気度」と「出願条件(評定・活動実績)」を冷静に整理することから始まります。指定校推薦は合格に近づきやすい一方で、進路選択の自由度が下がりやすいため、早めに進路指導担当者と相談し、自分に合った戦略を立てることをおすすめします。
学校推薦型選抜(公募制)の選考方法は?評価基準と審査内容を詳しく解説
学校推薦型選抜の選考は、書類審査を軸に、面接・小論文・学力確認を組み合わせて行われます。「高校3年間の学びの積み重ね」と「入学後に学ぶ意欲・適性」が評価される点が共通しています。
書類審査:調査書と志望理由書が合否の土台
提出書類の中心は「調査書」と「志望理由書」です。
- 高校1年生から3年生1学期までの成績・評定が記載される
- 評定平均の計算:全科目の評定合計 ÷ 科目数(例:国語4、数学3、英語5、理科4、社会4 → 4.0)
- 基準は大学・学部で異なる(4.0前後が目安だが、難関校はより高い基準も)※25
- 出席状況、部活動・委員会などの活動、資格も記載される
- 「なぜその大学・学部か」「入学後に何を学びたいか」を具体的に記述
- 自分の経験・問題意識と結びつけ、筋道立てて説明できるかが鍵
面接:人柄や学ぶ意欲が見られる
形式は個人面接、集団面接、グループディスカッション、口頭試問など大学によって異なります。主な評価項目は志望動機、高校生活での取り組み、将来像、学ぶ意欲です。
志望理由書の内容を深掘りされることが多いため、書類との一貫性が重要です。具体的な対策は第6章で解説します。
小論文:思考力と表現力を確認
人文社会系を中心に課されることが多く、社会問題・時事問題・志望分野に関わるテーマが出題される傾向があります。文章力だけでなく、考えを組み立てる力や関心の深さも評価されます。
学力確認:共通テスト・基礎テスト・資格活用など
学校推薦型選抜でも学力確認を行う大学が増えています。国公立大学では共通テストを課すケースが多く、私立大学でも基礎学力テストや英語検定などの活用が見られます。
「筆記試験がない=学力が不要」ではないため、基礎学力の維持も意識しておきましょう。
学校推薦型選抜の選考は大学・学部ごとの差が大きいのが特徴です。志望校の募集要項を必ず確認し、「書類」「面接」「小論文/学力確認」のどこが比重が高いかを見極めたうえで、早めに対策を始めることが合格への近道です。
学校推薦型選抜のメリット・デメリットを正直に解説
学校推薦型選抜には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットやリスクも存在します。
メリット・デメリットを正しく理解することで、自分に適した受験戦略を立てやすくなります。
早期合格による精神的余裕や、受験費用・準備負担の軽減といった利点がある反面、専願による進路選択の制約や、不合格時に一般選抜へ切り替える必要がある点も考慮が必要です。
両面を冷静に検討し、推薦入試が自分に向いているかを判断しましょう。
学校推薦型選抜の主なメリット
早期合格による精神的・時間的余裕
学校推薦型選抜の大きなメリットは、一般選抜より早い時期に合否が判明しやすいことです。
私立大学の指定校推薦や公募推薦では年内に合格発表が行われるケースも多く、進学先が早めに確定すれば、受験勉強のプレッシャーが軽くなるという利点があります。
また、入学前の準備時間を確保しやすい点も魅力です。
大学の専門分野の予習、生活面(通学・住まい)の準備、必要に応じたアルバイトなど、余裕を持って大学生活に向けた準備を進められます。
理工系など基礎科目の積み上げが重要な学部では、入学前に数学や理科の基礎固めができるのもメリットになります。
受験にかかる経済的・事務的負担を抑えやすい
推薦で進学先が早期に決まれば、複数校を受験する一般選抜と比べて、受験料や移動・宿泊費などの負担を抑えやすくなります。
一般選抜では受験校数が増えるほど、受験料(1校あたり数万円が一般的)、交通費、宿泊費、併願校の入学金などが積み上がるため、推薦で早めに進路が決まることは家計面でもメリットになり得ます。
※ただし費用は受験校数や地域(遠征の有無)によって大きく変わるため、「どれくらい削減できるか」はケースによります。
多面的な評価で合格のチャンスを作れる
学校推薦型選抜では学力試験の点数だけでなく、高校3年間の学びの積み重ねや人物面、活動実績などが評価対象になります。
部活動、生徒会、ボランティア、資格取得、探究活動など、高校生活で培った強みをアピールできるため、筆記試験の一発勝負が不安な人にとって有力な選択肢になり得ます ※28。
学校推薦型選抜のデメリットとリスク
進路選択の制約(専願)によるリスク
学校推薦型選抜の代表的なデメリットは、進路選択の自由度が下がりやすいことです。
特に指定校推薦は「合格したら入学する」ことを前提とする専願として運用されるケースが一般的で、合格後の入学辞退が難しい(または強く制限される)場合があります。
合格後に他大学と比較検討したい人にとっては、ミスマッチのリスクになり得ます。
また、推薦は高校と大学の信頼関係の上に成り立つため、入学後の学業不振やトラブルが“高校側の評価”に影響する可能性がある点は理解しておきましょう(影響の程度はケースによります)。
推薦で入学する場合は、「高校の代表として推薦されている」という意識を持って大学生活に臨むことが大切です。
不合格時の切り替えがタイトになりやすい
公募推薦は大学側の選抜があるため、不合格になる可能性があります。
結果が出る時期が年末に近い場合、不合格後に一般選抜へ切り替えると、残り時間が短く感じやすい点は注意が必要です。
また、推薦対策(志望理由書・小論文・面接)に時間を割くことで、一般選抜の学力試験対策との両立が難しくなるケースもあります。
推薦を主軸にする場合でも、基礎学力の維持(英語・数学など)を並行して進める設計が安全です。
推薦入試は「楽な入試」ではなく、高校3年間の積み重ねが問われる制度です。メリットに目が行きがちですが、専願の制約や不合格時の切り替えも含めて、一般選抜との両立を視野に入れた計画を作ることが成功の鍵になります。
学校推薦型選抜で合格するには?高1からの準備と評定対策

学校推薦型選抜で合格を目指すなら、高校1年生からの継続的な準備が重要です。
評定平均は高校3年間(多くは3年1学期まで)の成績で決まるため、早い段階から全科目で安定して成績を取る必要があります。
また、学業成績だけでなく、課外活動、探究学習、出席状況などが調査書に反映され、大学側の評価材料になり得ます。
高校生活全体を「推薦に使える実績」として積み上げる意識で、計画的に準備を進めましょう。
高校生の学習計画について詳しくはこちらの記事で解説しています。
高校1年生:土台づくりの重要な1年
高校1年生は学校推薦型選抜の土台を築く時期です。ここでの学習習慣と成績の取り方が、その後の評定平均に大きく影響します。
全科目で「取りこぼさない」成績戦略
学校推薦型選抜では、特定科目だけでなく全科目の評定平均が見られるケースが多いため、苦手科目を放置しないことが重要です。
目安としては、定期テストで各科目80点前後(評定4相当)を安定させる意識を持つと、評定平均が崩れにくくなります。
具体的には次の3つを徹底しましょう。
- 授業の復習(当日〜翌日)を固定化する
- 提出物・小テストを落とさない(評定に直結しやすい)
- 分からない箇所は“次の週までに解消”する(先送りしない)
課外活動は「量」より「継続」と「説明できる学び」
部活動や生徒会、委員会、ボランティアなどの活動は、調査書に記載され、志望理由書・面接の材料になります。
重要なのは「すごい実績」よりも、継続して取り組み、そこから何を学んだかを言語化できることです。
- まずは1つ、継続できる活動を決める
- 活動の目的・工夫・成果をメモに残す(後で志望理由書に効く)
※探究学習については、大学・学部によって評価のされ方は異なりますが、探究の取り組みを出願書類や面接で問う例もあります。
学校の探究活動は「受験に関係ない」と切り捨てず、テーマ設定や成果のまとめ方を意識しておくと武器になりやすいです。
高校2年生:専門性を深める発展期
高校2年生は、成績の維持に加えて「志望校に向けた準備」を具体化する時期です。
志望分野に関連する科目を“強み科目”にする
志望学部と関連の深い科目は、志望理由の説得力に直結します。
- 理工系:数学・理科の安定(+レポート・課題の質)
- 文系:英語・国語・社会の安定(+読解・論述の習慣)
この段階で「強み科目」を作っておくと、高3の書類・面接で語りやすくなります。
志望校研究を“募集要項の読み込み”に変える
高校2年生のうちに、志望校の募集要項(過去版でも可)を読み、次を整理しておきましょう。
- 出願条件(評定、欠席、資格、科目条件など)
- 選考方法(面接/小論文/学力確認/口頭試問の有無)
- どんな人物が求められているか(アドミッション・ポリシー)
「なんとなく推薦」から「勝てる推薦」へ切り替える段階です。
出席状況の管理は“当たり前”を崩さない
出席状況は調査書に記載されます。
扱いは大学・高校の方針によって異なるため数値で断定はできませんが、「欠席・遅刻・早退が増えるほど説明が必要になる可能性がある」という前提で、生活リズムと体調管理を整えておきましょう。
高校3年生:仕上げと実践の集大成
高校3年生は、評定の確定と出願準備が同時に進みます。「成績」と「推薦書類・面接」の両輪が必要です。
1学期(前期)の成績が重要になりやすい
多くの推薦では高校3年生1学期までの成績が評価対象になります。最後まで成績が動くので、推薦を狙う場合ほど1学期の定期テストを最優先にしましょう。
校内選考(指定校)を想定した準備
指定校推薦を希望する場合、9〜10月頃に校内選考が行われることがあります。
校内選考では成績だけでなく、志望の固さ(なぜその大学なのか)や普段の学校生活の姿勢が見られることもあるため、次を早めに準備しておくと強いです。
- 志望理由の骨子(200〜300字で説明できる)
- 学びたい内容(学部・学科レベルで具体化)
- 高校で頑張ったこと(エピソードを1分で話せる)
効果的な定期テスト対策のコツ(評定を落とさない仕組み)
推薦で勝つ人の定期テスト対策は「気合」ではなく「仕組み」です。
- 2週間前:範囲確認→科目ごとの優先順位を決める
- 10日前:提出物を先に終わらせる(評定の土台)
- 1週間前:学校ワークを“2周目”に入る(穴の潰し込み)
- 3日前:ミスが多い単元だけを回す(弱点集中)
- 前日:暗記科目の最終確認+睡眠確保
高1は評定を落とさない仕組み作り、高2は志望校研究と実績の深掘り、高3は成績確定と出願準備の同時進行が鍵になります。推薦一本にせず、基礎学力の維持も並行して進めると、万一の切り替えにも強くなります。
志望理由書・面接・小論文の対策ポイント
学校推薦型選抜では、志望理由書・面接・小論文(または学力確認)が評価に入ることが多く、ここで差がつきます。
とはいえ、必要なのは「完璧な文章力」や「話術」ではなく、①一貫性(書類と面接で矛盾しない)、②具体性(経験と学びが説明できる)、③準備の反復(添削・模擬の回数)です。
この章では、制度理解の次に押さえるべき“最低限の対策”を整理します。
志望理由書・面接・小論文については、総合型選抜対策を行っている塾でも対策が可能です。詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
志望理由書:4点セットを揃える(書く前に決める)
志望理由書は、次の4点が揃うと評価されやすくなります。
- 学びたいテーマ(結論):この学部で何を学びたいかを一言で言える
- きっかけ(根拠):関心が生まれた経験・問題意識がある
- この大学である理由(適合):授業・ゼミ・研究など具体的な根拠がある
- 将来のつながり(展望):学びをどう活かすかが現実的に語れる
文章は「結論→根拠→大学適合→将来」の順にすると読み手に伝わりやすくなります。
抽象的な言い回し(例:「校風に魅力」)だけで終わらず、具体的な学び方(例:少人数ゼミ、フィールドワーク等)に落とし込みましょう。
面接:よく聞かれる3問を“短く”答えられるようにする
面接は志望理由書の深掘りが中心です。まずは次の3問に対して、30〜60秒で答えられる状態を作るのが最短ルートです。
- なぜこの大学・学部なのか
- 高校生活で力を入れたことは何か
- 入学後に何を学びたいか
コツは「結論→理由→具体→まとめ」の順で話すこと。暗記した文章ではなく、要点(キーワード)で話せるようにしておくと、本番で崩れにくくなります。
可能なら模擬面接を行い、録音して言い回しや話の長さを調整しましょう。
小論文:型を決めて反復する(序論→本論→結論)
小論文は“型”で安定します。まずは次の構成を固定しましょう。
- 序論:結論(主張)を先に示す
- 本論:理由①+根拠(例・データ・経験)
- 本論:理由②+根拠(反対意見への配慮があると強い)
- 結論:主張をまとめ、具体策や条件を添える
頻出テーマ(社会課題、AI、環境、教育、医療など)は「現状→原因→影響→対策」の整理をしておくと書きやすくなります。
上達には添削が効果的なので、学校の先生や塾など第三者のフィードバックを活用しましょう。
学力確認がある場合:推薦でも基礎学力は落とさない
方式によっては、共通テストや基礎学力テストなどの学力確認が組み込まれます。
推薦対策に寄せすぎて学力が落ちると、切り替え時に不利になりやすいので、英語・数学(または国語)の基礎は並行して維持しておくのが安全です。
- 志望理由を「結論→根拠→大学適合→将来」で説明できる
- 面接の頻出3問に30〜60秒で答えられる
- 小論文を「序論→本論→結論」の型で書ける
- 添削(志望理由書/小論文)と模擬面接を最低2回は実施した
- 推薦対策と並行して基礎学力を維持できている
志望理由書は添削、面接は模擬、小論文は時間を計った練習を回すだけで完成度が上がります。
制度を理解したら、まずはこの章のチェックリストを満たすことから始めましょう。切り替えにも強くなります。
学校推薦型選抜に落ちたら?不合格時のリカバリー戦略
学校推薦型選抜で不合格になった場合でも、適切に動けば挽回は十分可能です。
公募推薦は大学側の選抜があるため、不合格は珍しいことではありません。大切なのは「落ちた理由探しで止まらないこと」と「次の入試に向けて最短で立て直すこと」です。
ここでは、不合格後にやるべき行動を時期別に整理し、学習面・出願面・メンタル面のリカバリー手順を具体化します。
まずやるべきこと:当日〜48時間の行動(最短リカバリー)
不合格直後は気持ちが揺れやすいので、最初に“やること”を固定して迷いを減らします。
- 結果の事実確認:合否、追加連絡(繰り上げ等)の有無、次の手続き期限
- 出願予定の再確認:一般選抜の出願日・必要書類・検定利用の条件など
- 学習の優先順位の決定:科目別に「落とせない単元」を絞る
※「原因分析」は必要ですが、ここで長引かせないのがコツです。落ちた理由は、次の面接や小論文の改善に使う“材料”として短時間で整理し、行動に戻しましょう。
一般選抜への切り替え:時期別の対応策
12月不合格の場合:まだ伸ばせる期間がある
私立の推薦で12月に不合格となった場合、一般選抜までまだ一定の準備期間があります。この段階では「科目を増やす」より「得点源の再現性を上げる」戦略が有効です。
- 過去問で現状把握:志望校(または併願校)の過去問を1年分だけ解く
- 弱点を3つに絞る:英語なら長文・文法・語彙、数学なら頻出単元など
- 短期の回し方に切り替える:1週間単位で「演習→復習→再演習」を固定化
- 併願校の整理:対策が分散しないよう、出題傾向が似た大学に寄せる
推薦対策で作った志望理由や大学研究は、一般選抜のモチベーション維持や、入学後の学びの整理にも活きます。完全に無駄になるわけではありません。
2月不合格の場合:後期・中期・追加募集も含めて選択肢を確保
国公立の推薦や、結果が遅い方式で不合格になった場合は、残っている日程・方式をすぐ洗い直します。私立の中期・後期日程、国公立後期、大学によっては追加募集等を検討することになります ※5。
- 出願可能な日程を一覧化(締切・試験日・科目・配点)
- 直前で伸びる科目(暗記系、頻出単元)に集中
- 受験校数を増やす場合は「対策の近さ」を優先(傾向が違う大学を増やしすぎない)
気持ちの切り替えと立て直し方
不合格の直後は落ち込むのが自然です。ただし、立て直しのコツは「気持ちを整えてから動く」ではなく、「動きながら整える」ことです。
- 落ち込む時間を区切る:1日(または半日)だけは休む
- “次の一手”を固定:今日やることを3つだけ決める
- 小さく勝つ:英単語100語、過去問1題など、達成できる目標を設定
「推薦に落ちた=自分が否定された」ではなく、「その方式の評価基準に合わなかった可能性がある」という整理が大切です。
出願戦略の見直しポイント(落ちた後こそ戦略が効く)
志望校のランク調整(安全校の確保)
推薦で不合格となった場合、一般選抜では同レベルに加えて、1段下の安全校(合格可能性が高い大学)を必ず混ぜるのが基本です。
受験は最後に“進学先を確保できるか”が重要なので、挑戦校だけに寄せないようにしましょう。
受験校数の調整(増やすなら“似た傾向”で)
受験校を増やすと安心感は増しますが、対策が分散しやすいのがデメリットです。増やす場合は、出題形式や科目が似ている大学に寄せて、学習効率を落とさない設計にします。
- 志望理由書で整理した「関心テーマ」は、国語・英語の読解や小論文に活きる
- 面接で鍛えた「結論から話す」は、記述・論述にも活きる
- 大学研究は、一般選抜でも志望度維持に効く
推薦対策を“失敗”で終わらせず、“転用”して得点に変える視点を持ちましょう。
保護者のサポート方法(家庭でできる現実的支援)
適切な声かけと見守り方
保護者は共感を示しつつ、結論を急がせないのがポイントです。
- 良い例:「悔しいよね。次に何から始めるか一緒に整理しよう」
- 避けたい例:「なんで落ちたの?」「次は絶対受かるよ(根拠なし)」
- 出願締切・受験日程の管理(親が手伝うとミスが減る)
- 体調管理(睡眠・食事・移動計画)
- 必要に応じて添削や模試など“外部リソース”を検討
推薦入試の不合格は決して珍しいことではありません。重要なのは、結果を受け止めたうえで、次の入試に向けて最短距離で行動に移ることです。推薦対策で培った経験は一般選抜でも転用できます。最後まで諦めず、戦略的に立て直していきましょう。
学校推薦型選抜でよくある質問(FAQ)
学校推薦型選抜について高校生や保護者から寄せられる質問には、合格率、評定平均の基準、課外活動の必要性、既卒者の可否、併願の扱いなど、受験戦略に直結するものが多くあります。
ここでは、誤解されやすいポイントを中心に、原則と例外、確認すべき点(募集要項・高校の方針)をセットで整理します。
部活をやっていないと不利になる?
部活動をしていなくても、推薦で不利になるとは限りません。重要なのは「何をやったか」だけでなく、「どのように取り組み、何を学び、どう成長したか」です。生徒会活動、委員会、探究学習、ボランティア、資格取得、アルバイト(学校で認められている範囲)など、部活動以外でも十分にアピールできます。自分の取り組みを具体的に説明できるよう、経験を言語化しておきましょう。
浪人生でも学校推薦型選抜は受けられる?
学校推薦型選抜は現役生を中心に設計されている方式が多い一方で、既卒者の出願可否は大学・方式によって異なります。例外的に既卒者の出願を認めるケースもあるため、「志望校の募集要項で既卒可否を確認」してください。また、推薦系に近い方式でも、教科試験中心の制度や、別枠の選抜(総合型など)を用意している大学もあります。既卒の場合は選択肢を広く持って検討するとよいでしょう。
指定校推薦と公募推薦は併願できる?
原則として、指定校推薦は「合格したら入学する」専願として運用されることが多く、他大学との併願は難しいケースが一般的です ※17(高校の方針としても制限されることがあります)。公募推薦は大学によって扱いが異なり、併願可の方式もあります ※20。ただし「併願」の範囲(他大学との併願可/同一大学の別方式のみ可/合格後の辞退可否など)は大学ごとに異なるため、募集要項で必ず確認しましょう。
まとめ:学校推薦型選抜を成功させるために
学校推薦型選抜は、高校3年間の学びや活動の積み重ねをもとに、大学で学ぶ意欲・適性を多面的に評価する入試制度です。
早期に進路が決まりやすい一方で、専願の制約や不合格時の切り替えなど、戦略面での注意点もあります。
制度を正しく理解し、評定・活動・書類・面接(必要に応じて小論文や学力確認)を計画的に準備することで、合格の可能性を高められます。
募集要項を基準に、評定・活動・書類・面接(必要なら小論文/学力確認)を逆算して進めましょう。
推薦対策をしながら基礎学力も維持しておくと、不合格時の切り替えにも強くなります。
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