- FIT入試の仕組みと一般入試との違い
- A方式・B方式それぞれの特徴と向いている人
- 2026年度の倍率・選考結果データ
- 出願資格・必要書類の確認ポイント
慶應義塾大学法学部のFIT入試は、学科試験を課さない総合型選抜です。書類・論述・面接などを通じて、学力だけでなく主体性や表現力を総合的に評価します。
「FIT入試に興味があるけど、A方式とB方式の違いがよくわからない」「実際の倍率はどのくらい?」という疑問を持っている人に向けて、制度の概要から対策のポイントまで解説します。
FIT入試とは
FIT入試は、慶應義塾大学法学部が2006年度から導入している総合型選抜です。FITは「Flexible and Intelligent Thinking」の略で、柔軟な思考力と知的表現力を持つ学生を求める入試制度です。
学科試験(筆記試験)は課されません。その代わり、書類審査・論述試験・口頭試問(または総合考査・面接)を通じて、受験生の学問的素養や表現力を評価します。
法律学科と政治学科それぞれ最大80名を募集しており、A方式とB方式の2種類があります。一般入試と並行して出願できる「併願可」の入試ではなく、合格した場合は入学することが前提の専願型です。
A方式とB方式はそれぞれ対象とする受験生や試験内容が異なります。自分に合う方式を確認しておきましょう。
A方式・B方式の違い
FIT入試には、A方式とB方式の2種類があります。同じ学科でA・B両方に出願することは可能ですが、法律学科と政治学科の併願はできません。
A方式
A方式は、学業以外の活動実績を持つ受験生を対象とした方式です。
- 高卒(見込み)または同等以上の学力
- 外国語検定・文化芸術・スポーツ・ボランティア・学業成績など、何らかの活動実績
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模擬講義(50分)
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論述試験(45分)
理解力・考察力・表現力を評価
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口頭試問(約15分)
テーマについて教員と質疑応答
活動実績は自己推薦書に記載し、証明書類を添付します。一芸に秀でているだけでは合格できない設計で、高い学力と幅広い素養の両方が問われます。
B方式
B方式は、地域ブロック枠を設けた方式です。各地域で活躍してきた学生が全国から集まることを目的としています。
- 高卒(見込み)
- 調査書の指定5教科(外国語・数学・国語・地理歴史・公民)と全体の学習成績の状況がすべて4.0以上
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総合考査Ⅰ(45分)
資料を読み取り400字程度でまとめる
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総合考査Ⅱ(45分)
与えられたテーマで400字程度の小論文
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面接(約10分)
個人面接
評定平均4.0以上という基準が出願の前提になるため、日頃の定期テストや授業態度の積み重ねが問われます。
また、南関東以外のブロックで優秀な成績で合格した場合、年額30万円の特別奨学金(最大4年間)が給付されます。
A方式・B方式の比較まとめ
| 項目 | A方式 | B方式 |
|---|---|---|
| 評定基準 | なし | 指定5教科・全体で4.0以上 |
| 2次選考 | 論述試験+口頭試問 | 総合考査(2種)+面接 |
| 活動実績 | 自己推薦書に記載 | 評価書(教員作成)を提出 |
| 奨学金 | なし | 成績優秀者に年額30万円(最大4年) |
続いて、実際の選考結果から倍率を確認してみましょう。
2026年度の倍率・選考結果
2026年度の選考結果は以下のとおりです。
学科・方式 出願者数 実質倍率 法律学科 A方式 306名 約5.8倍 法律学科 B方式 197名 約4.3倍 政治学科 A方式 306名 約5.5倍 政治学科 B方式 199名 約4.3倍
※最終合格者数:法律A方式53名、法律B方式46名、政治A方式56名、政治B方式46名
※合格者数にはA方式・B方式の両方に合格した者を含む
出典:慶應義塾大学「2026年度法学部FIT入試 選考結果」
A方式は法律・政治ともに約5〜6倍、B方式は約4倍台で推移しています。B方式の方が倍率は低めですが、評定4.0以上という出願資格の条件があるため、誰でも出願できるわけではありません。
倍率の目安がつかめたら、出願資格と必要書類も確認しておきましょう。
出願資格と必要書類
出願はインターネット登録と書類郵送の2ステップで完了します。どちらか一方だけでは受理されません。
A方式の必要書類
- 志願確認票
- 志願者調書
- 志望理由書(800字以内・自筆・横書き)
- 自己推薦書(別添資料5枚以内)
- 調査書
B方式で追加される書類
- 教員による評価書(所定用紙・厳封)
志望理由書は「なぜ慶應法学部で学びたいのか」「法律学または政治学が自分の将来においてどんな意味を持つか」を800字以内で書く書類です。自筆・横書き指定のため、早めに内容を固めておくことが求められます。
書類が揃ったら、次は選考本番に向けた対策を整理しておきましょう。
対策のポイント
FIT入試は書類・論述・口頭試問(または面接)の3段階で評価されます。それぞれの準備が必要です。
志望理由書・自己推薦書の準備
志望理由書は800字の自筆です。「慶應法学部で何を学びたいか」「それが自分の将来にどうつながるか」を、自分の言葉で書くことが求められます。
書き直しが効かない自筆書類のため、下書きを繰り返して内容を練り上げてから清書する流れが基本です。
自己推薦書(A方式)は、活動実績を記載する書類です。外国語検定・スポーツ・文化活動などの証明書類を添付できます。
公的機関が発行した証明書がないと評価対象にならないため、出願前に取得できるものは早めに準備しておきましょう。
論述試験・総合考査への対応
A方式の論述試験は、当日の模擬講義を聞いてからその内容をもとに書くスタイルです。事前の知識よりも、話を聞いて要点をつかみ、自分の考えを整理して記述する力が問われます。
日頃から新聞や書籍を読み、文章を書く習慣をつけておくことが対策になります。
B方式の総合考査Ⅰは資料の読み取り、Ⅱはテーマに対する小論文です。400字という短い字数で的確にまとめる練習が有効です。
口頭試問・面接の準備
A方式の口頭試問は、複数の教員と受験生1名で行う約15分の質疑応答です。与えられたテーマについて自分の考えを述べ、教員からの問いに答えます。
法律・政治に関する時事的なテーマや基礎的な問いが出ることが多く、日頃から社会問題への関心を持ち、自分の言葉で説明できる準備が必要です。
B方式の面接は個人面接(約10分)です。
まとめ
慶應法学部FIT入試は、学科試験なしで書類・論述・面接を通じて選抜される総合型選抜です。A方式は活動実績と表現力、B方式は評定と地域性を重視した方式で、それぞれ準備の方向性が異なります。
2026年度の倍率はA方式で約5〜6倍、B方式で約4倍台です。
狭き門ではありますが、「慶應法学部で法律学・政治学を学びたい」という強い動機と、それを裏づける実績や表現力があれば十分に挑戦できる入試です。
まずは自分がA方式・B方式のどちらに向いているかを確認することから始めてみてください。
志望理由書や自己推薦書の対策を塾でサポートしてもらうか迷っている人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
出典:慶應義塾大学「2027年度 FIT入試(総合型選抜)募集要項 法学部」「2026年度法学部FIT入試 選考結果」
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