- 大学受験の全体的な流れと年間スケジュール
- 国公立大学と私立大学の入試制度の違い
- 2026年度から本格化する新課程入試の変更点
- 受験生と保護者が知っておくべき準備のポイント
高校に入学したばかりの皆さんにとって、大学受験はまだ遠い将来のことかもしれません。しかし、複雑化する入試制度を理解し、早めに準備を始めることが合格への近道となります。
大学受験制度は年々複雑化していますが、基本的な仕組みを理解すれば決して難しいものではありません。
この記事では、大学受験の流れから国公立大学受験の仕組み、私立大学との違いまで、わかりやすく解説します。
受験生とその保護者の方が迷わずに進路選択できるよう、最新の入試情報をお届けします。
- 2026年度入試の重要な変更点
- 「情報I」が必須に!何を準備すればいい?
- 新課程で変わる出題範囲をチェック
- 大学受験の基本的な流れとスケジュール
- 入試方式で異なる「3つの時間軸」
- 一般選抜の月別アクションリスト
- 保護者が管理すべき「お金と書類」のタイムライン
- 大学入試の仕組みをわかりやすく解説
- 入試方式は大きく3種類!それぞれの評価基準
- 3つの入試方式を比較:自分に合うのはどれ?
- 国公立大学入試の仕組みと戦略
- 共通テスト+二次試験の2ステップを理解しよう
- 科目は「勉強法」より「受験設計」を先に決める
- 前期と後期、どちらも出願すべき?日程の使い分け方
- 私立大学入試の仕組みと戦略
- 私立大学入試の仕組みをざっくり理解しよう
- 私立入試の流れ(出願から合格まで)
- 国公立と私立の違い(併願設計で差が出るポイント)
- 失敗しない併願戦略
- 併願校は3段階で組む(安全校を必ず作る)
- 共通テスト利用は“増やしすぎない”
- 日程と入学金期限を先に一覧化する
- 受験費用の上限を先に決める
- 受験費用と経済的な準備
- 受験から入学まで、いくらかかる?
- 知らないと損する奨学金・学費支援制度
- 保護者が知っておくべきサポートのポイント
- 情報収集は親の出番!やるべきこと・任せること
- 受験生のやる気を引き出す声かけと環境づくり
- まとめ
2026年度入試の重要な変更点

2026年度大学入試は、新学習指導要領に基づく入試の2年目として、過去数十年の大学入試史上で特筆すべき転換点を迎えました。
最も大きな変化は「情報I」の必須化で、国公立大学では全校で受験が必要となり、広島大学や会津大学では配点比率が10%を超えるなど合否に直結する重要科目となっています。
また、数学Cの復活や理科・社会科目の選択ルール変更など、出題範囲にも大きな変化があります。
これらの変更は受験戦略の見直しを迫るものであり、早期の対策開始が合格への鍵となります。
「情報I」が必須に!何を準備すればいい?
国公立大学で全面必須化される「情報I」
2026年度から、国公立大学入試において「情報I」が7番目の必須科目として加わりました。
これまでの6教科8科目から7教科21科目への変更により、受験生は情報処理やプログラミング、データサイエンスの基礎知識が問われることになります。
「情報I」の出題内容は、情報社会の問題解決、コミュニケーションと情報デザイン、コンピュータとプログラミング、情報通信ネットワークとデータの活用の4分野で構成されています。
特にプログラミング分野では、基本的なアルゴリズムの理解や、データ分析の手法が重要なポイントとなります。
大学別の配点格差に注目
国公立大学入試では、各大学が「情報I」の配点を独自に設定できるため、志望校選択に大きな影響を与えています。
2026年度の配点状況を見ると、広島大学では総合点に占める「情報I」の比率が12.5%、会津大学では15%を超えており、これらの大学では「情報I」の得点が合否を左右する可能性が高くなっています。
一方で、配点比率を5%程度に抑える大学もあり、志望校の配点設定を早期に確認して学習計画を立てることが重要です。
特に理系志望者にとっては、従来の数学・理科に加えて「情報I」の対策時間を確保する必要があり、全体的な学習スケジュールの見直しが求められます。
新課程で変わる出題範囲をチェック
数学の出題範囲拡大
2026年度入試では、数学の出題範囲も大幅に変更されています。数学Cが復活し、ベクトルや平面上の曲線、複素数平面などの内容が加わりました。
特に数学IIIを履修する理系受験生にとっては、学習すべき内容が大幅に増加しており、計画的な学習が不可欠です。
国公立大学の共通テストでは、数学でも新たに「数学C」の内容が出題範囲に含まれるため、文系・理系を問わず影響を受けます。
特にベクトルの分野は、物理や化学との関連も深く、理系受験生は重点的に学習する必要があります。
理科・社会科目の変更点
理科では「地学基礎」の内容が大幅に見直され、地球環境や自然災害に関する最新の知見が反映されています。
また、化学では「化学基礎」と「化学」の境界が一部変更され、従来よりも実験・観察を重視した出題が予想されます。
社会科目では、地理歴史・公民の選択ルールが変更され、同一名称を含む科目の組み合わせが制限されました。
例えば、「世界史探究」と「世界史B」の併用ができなくなるため、選択科目の組み合わせを慎重に検討する必要があります。
2026年度入試の変更点は多岐にわたりますが、早期の情報収集と計画的な対策により十分に対応可能です。
特に「情報I」については、基礎から着実に学習を積み重ねることで、他の受験生との差別化を図ることもできるでしょう。
大学受験の基本的な流れとスケジュール

大学受験では「いつ、何をすべきか」を把握することが合格への第一歩です。特に重要なのは、入試方式によって「流れ」が全く異なるという点。
総合型選抜なら夏から動き出し年内に決着、一般選抜なら年明けが本番と、選ぶルートでスケジュールが大きく変わります。
ここでは、入試方式別のタイムラインと、最も受験者が多い一般選抜の具体的な手続きフローを解説します。
「いつから受験勉強を始めるべき?」と迷う人は、まずこちらで全体の開始時期の目安を確認しておくと安心です。
入試方式で異なる「3つの時間軸」
現在の大学受験には大きく3つのルートがあり、それぞれスケジュールが異なります。まず自分がどのルートを主軸にするかを把握することが、計画の第一歩です。
総合型選抜のフロー(7月〜12月で決着)
総合型選抜は最も早く始まり、年内に合否が決まるルートです。
- 7月〜8月:オープンキャンパス参加、志望理由書の作成開始、出願要件(評定平均・英語資格など)の確認
- 9月〜10月:出願開始、書類提出
- 10月〜11月:面接・小論文・プレゼンテーションなどの試験
- 11月〜12月:合格発表、入学手続き
注意点:年内入試や一部の推薦入試では、「合格したら必ず入学する」専願が条件になっていることがあります。出願後に気づくと取り返しがつかないので、併願できるか・辞退できるかは必ず募集要項で確認しましょう。
学校推薦型選抜のフロー(高1から勝負が始まる)
学校推薦型選抜は、高校の校長推薦が必要な入試です。高1からの評定平均が合否を左右するため、実質的には入学直後から「受験」が始まっています ※17。
- 高1〜高3の1学期:定期テストで安定した成績を維持(評定平均の確保)
- 9月〜10月:校内選考(指定校推薦の場合、ここで候補者が決定)
- 11月:大学への出願、面接・小論文試験
- 12月:合格発表、入学手続き
注意点:指定校推薦は合格率がほぼ100%ですが、校内選考を通過する必要があります。推薦枠は各高校で限られているため、希望者が多い場合は評定平均の高い生徒が優先されます。
一般選抜のフロー(1月〜3月の本丸)
一般選抜は最も受験者数が多い王道ルートです。共通テストと各大学の個別試験で合否が決まります。
- 9月〜10月:共通テスト出願(学校経由で願書を受け取り・提出)
- 1月中旬:共通テスト本番→自己採点→国公立出願先の決定
- 1月下旬〜2月:私立大学入試ラッシュ、国公立大学出願
- 2月下旬:国公立大学前期試験
- 3月上旬〜中旬:国公立大学後期試験、合格発表、入学手続き
一般選抜の月別アクションリスト
一般選抜は手続きが最も複雑です。「勉強」と並行して「事務作業」の抜け漏れが命取りになるため、時期ごとのタスクを整理しておきましょう。

出願準備期(9月〜12月)
9月〜10月:共通テストの出願
- 出願手続き(学校の案内に従う)
※年度や学校によって運用が異なるため、まずは学校配布の案内が最優先。 - 検定料の支払い(原則:3教科以上 18,000円)
支払い方法・期限は案内に沿って確認。
11月〜12月:併願校を固めて、出願の段取りを作る
- 受験校を確定(チャレンジ/実力相応/安全)
模試結果と過去の合格ラインを参考に、偏差値だけで決めない。 - 受験スケジュールを作る(試験日・移動を可視化)
連日受験や長距離移動が続くと崩れやすいので、無理のない配置に。 - 遠方受験の交通・宿泊を仮押さえ
条件の良い宿は埋まりやすい。キャンセル規定も確認しておく。 - Web出願の準備(顔写真データ/支払い手段/メール)
写真サイズやファイル形式でつまずきやすいので、先に揃える。
共通テスト期(1月)
1月上旬:私立大学の出願が本格化
- Web出願の入力と決済
入力ミス・決済期限切れが典型的な失敗。出願直前は避ける。 - 検定料の目安(1校 3〜3.5万円)
支払い方法(コンビニ/クレカ等)と締切をセットで管理。
1月中旬:共通テスト本番
- 当日の持ち物を前日までに固定
受験票/時計/筆記用具/昼食/防寒具など。会場の寒さ対策も。
1月中旬〜下旬:自己採点 → 国公立の出願判断
- 自己採点をして、出願先を最終決定
予備校の解答速報や判定ツールは“目安”として活用。 - 出願締切から逆算して提出
郵送・オンラインなど方式があるので、締切と到着要件を必ず確認。
入試本番期(2月〜3月)
2月上旬〜中旬:私立一般入試のピーク
- 連日受験になりやすいので体調を最優先
無理に詰め込みすぎない(移動・睡眠もスケジュールに含める)。 - 合格発表〜入学金納付期限が短いことがある
期限と金額を事前に把握し、家族で判断基準を決めておく。
2月下旬:国公立 前期(二次)
- 記述中心の対策は“時間配分”まで含めて準備
1問に時間をかけすぎない練習が重要。
3月上旬〜中旬:後期・合格発表・入学手続き
- 前期の結果が出る前に、私立の入学金期限が来る場合がある
「席確保で支払う/辞退する」の判断が必要。入学金は原則返還されない点に注意。
保護者が管理すべき「お金と書類」のタイムライン
受験生が勉強に集中できるよう、保護者の方は資金と事務手続きの管理を担いましょう。
12月〜2月:受験料の準備
- 共通テスト:18,000円
- 私立大学:1校3〜3.5万円 × 受験校数
- 国公立大学:17,000円
- 合計で20〜50万円程度を即座に動かせるよう準備 ※22
2月〜3月:入学手続き費用
- 入学金:20〜30万円(合格発表後すぐに納付期限)
- 前期授業料:50〜80万円(入学手続き時または3月末まで)
- 延納・分納制度がある大学もあるため、資金繰りに不安がある場合は事前に確認
大学受験は「勉強」だけでなく「手続き」の管理も合否を左右します。特に一般選抜では、出願期限や入学金納付期限を1日でも過ぎると取り返しがつきません。保護者の方がスケジュールと資金の管理をサポートする体制を早めに整えておくことをおすすめします。
大学入試の仕組みをわかりやすく解説
大学入試は「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つの方式に大別され、それぞれ何を評価されるかが根本的に異なります。
この章では、各入試方式の選考基準と評価ポイントを詳しく解説します(各方式のスケジュールは前章を参照)。

入試方式は大きく3種類!それぞれの評価基準
一般選抜:試験当日の学力で勝負
一般選抜は、入試当日の試験結果のみで合否が決まる方式です。高校の成績や課外活動は原則として評価対象になりません。
- 国公立大学:共通テスト+二次試験の合計点
- 私立大学:各大学独自の学力試験の点数
試験科目の違い
| 区分 | 試験科目 | 特徴 |
|---|---|---|
| 国公立大学 | 5教科7科目(共通テスト)+2〜3科目(二次試験) | 幅広い学力が必要 |
| 私立大学(文系) | 英語・国語・選択1科目 | 科目を絞って深く |
| 私立大学(理系) | 英語・数学・理科 | 理数科目が重要 |
一般選抜は「今までの成績が振るわなくても、入試本番で挽回できる」という点が最大の特徴です。
学校推薦型選抜:高校3年間の成績が合否を左右
学校推薦型選抜は、出身高校の校長推薦が必要な方式です。「公募制」と「指定校制」の2種類があります。
指定校制は校内選考を通過すれば合格率がほぼ100%という特徴がありますが、推薦枠が各高校で1〜2名と限られています。
| 比較ポイント | 指定校推薦 | 公募制推薦 |
|---|---|---|
| 出願できる人 | 大学が指定した高校の生徒のみ | 条件を満たせば幅広い高校から出願可 |
| 枠(人数) | 高校ごとに枠がある(人数が限られる) | 枠はあるが、指定校より間口が広いことが多い |
| まず必要なこと | 校内選考に通ること(評定・生活態度など) | 大学の出願条件を満たすこと(評定・資格など) |
| 選考の中心 | 高校内の評価+大学の選考(面接・書類など) | 大学の選考が中心(書類・面接・小論文等) |
| 学力試験 | なし〜基礎確認程度が多い(大学による) | 実施されることがある(基礎学力検査など、大学による) |
| 合格のしやすさ(傾向) | 校内選考を通れば合格に近い傾向 | 受験者同士で競争になりやすい |
| 専願・併願 | 専願が多い(合格したら入学が前提のケースが多い) | 専願/併願可どちらもある(募集要項で確認) |
| 注意点 | 途中辞退しにくい/校内での競争がある | 条件・試験内容の大学差が大きい/締切が早いことがある |
学校推薦型選抜は、指定校・公募で「必要な条件」と「対策のしかた」が変わります。違いを整理して、自分が狙えるルートを確認したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。
総合型選抜:「あなたらしさ」を多面的に評価
総合型選抜(旧AO入試)は、大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)との適合性を評価する方式です。高校の推薦は不要で、受験生が自ら出願できます。
総合型選抜では「偏差値」や「評定平均」だけでは測れない個性や将来性が重視されます。
- 志望理由の明確さ・説得力
- 将来ビジョンと大学での学びの接続
- 活動実績(部活動、ボランティア、研究、資格など)
- 面接・プレゼンテーションでの表現力
- 書類審査(志望理由書、活動報告書)
- 小論文・課題論文
- 面接・口頭試問
- プレゼンテーション
- グループディスカッション
- 実技試験(芸術系など)
総合型選抜は「早く動くほど有利」になりやすい入試です。志望理由書や面接で見られやすいポイント、準備の進め方をもう少し具体的に知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
3つの入試方式を比較:自分に合うのはどれ?

大学入試は大きく「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つに分かれます。
どれが有利かというより、評価されるポイントと動き出す時期が違うので、自分に合うルートを知っておくことが大切です。
- 一般選抜:学力試験の点数が中心。試験日が重ならなければ併願しやすく、最後まで逆転のチャンスがある。
- 学校推薦型選抜:評定(定期テストの積み重ね)や学校での評価+面接など。高校の推薦が必要で、年内に結果が出ることが多い。
- 総合型選抜:志望理由や活動実績(探究・課外活動・資格など)+面接など。準備に時間がかかるため、早めのスタートが重要。
迷ったらこれ:1分でわかる選び方
次の目安で考えると、方向性が整理しやすくなります。
- 定期テストが得意で評定を狙える → 学校推薦型選抜が向きやすい
- 探究・部活・コンテスト・資格など“語れる実績”がある → 総合型選抜が向きやすい
- 学力試験で勝負したい/年内入試に不安がある → 一般選抜を軸にしやすい
「どれか1つに絞る」のではなく、年内入試に挑戦しつつ一般選抜も準備するなど、併用する人も少なくありません。
注意:専願・併願は必ず確認しよう
学校推薦型選抜・総合型選抜は、募集によっては専願(合格したら入学が前提)が条件になることがあります。
「滑り止めとして受ける」ことができないケースもあるため、出願前に専願か併願可かを募集要項で必ず確認しましょう。
一方、一般選抜は試験日が重ならなければ併願しやすいのが特徴です。具体的な併願パターンや、私立と国公立を組み合わせる考え方は「私立大学入試との違いと併願戦略」で詳しく解説します。
入試方式の選択は「自分の強みを最も活かせるルート」で考えましょう。ただし、総合型や推薦型で不合格になっても一般選抜で再挑戦できるため、複数のルートを視野に入れた準備をお勧めします。
国公立大学入試の仕組みと戦略
国公立大学受験は、大学入学共通テストと各大学の個別試験(二次試験)を組み合わせた「2段階選抜」が基本です。
私立より科目数が多い一方で、学費面・学習環境などのメリットも大きく、戦略を立てて挑めば十分に合格を狙えます。
この章では、勉強法の細部よりも「何がどう決まる試験なのか」「どこで差がつくのか」を押さえ、出願判断まで見通せるように整理します。
共通テスト+二次試験の2ステップを理解しよう
共通テストの役割と重要性
共通テストは国公立受験の入口で、結果が
- 二次試験に進めるか(足切りの有無)
- 出願先をどう決めるか
- 最終合否でどれくらい効くか(配点比率)
に直結します。
2026年度からは「情報I」が加わり、共通テストの構成が変わります。国公立志望者は原則としてここを避けられないため、志望校の配点設定も含めて早めに確認しておくのが安全です。
二次試験(個別試験)の特色
二次試験は大学が独自に作る試験で、記述式中心のことが多く、共通テストよりも「思考力」「記述・論述力」「深い理解」を見られやすいのが特徴です。
重要なのは、大学ごとに配点比率と科目が違うことです。同じ学力でも「共テで稼ぐ型」「二次で逆転する型」で相性が変わるので、志望校を選ぶときは次を確認しましょう。
- 共通テスト:二次の配点比率(例:4:6、5:5 など)
- 二次で必要な科目(英・数・国・理・社など)
- 得意科目が高配点か(伸ばしやすい勝ち筋があるか)
科目は「勉強法」より「受験設計」を先に決める
国公立は科目数が多いぶん、勉強法以前に「どの科目が必要か」「どの科目で勝つか」を決めることが戦略になります。
- 共通テストの受験科目(必須・選択)
- 二次試験で課される科目
- 配点が高い科目(合否に効く科目)
この3点を先に確定させると、勉強計画が自然に整理されます。
「情報I」は“科目追加”ではなく“配点の一部”として見る
「情報I」は、ただ新しく増えた科目というより、大学によっては合否に効く比重が変わります。
志望校によって扱いが違うため、早い段階で「配点に占める割合」を確認し、必要なら対策時間を確保しましょう。
前期と後期、どちらも出願すべき?日程の使い分け方
前期日程:ここが本番(最優先で設計)
前期日程は募集人員が多く、事実上ここが最大の勝負どころです。前期で受ける大学は、次の軸で決めるとブレにくくなります。
- 共通テスト得点で“戦えるライン”にいるか
- 二次の配点が自分の得意科目に寄っているか
- 合格したいのか、挑戦したいのか(目的を明確にする)
後期日程:保険にするなら「条件」が合う大学を選ぶ
後期は募集枠が少なく競争が厳しいため、単に偏差値を下げるだけでは安全にならないこともあります。後期を使うなら、
- 共通テスト比率が高い
- 科目数が少ない
- 得意科目で勝負しやすい
など“勝ち筋が残る”大学を選ぶのが現実的です。また後期を廃止する大学もあるため、選択肢が限られる点は押さえておきましょう。
中期日程(公立大学):追加チャンスとしての位置づけ
公立大の一部には中期日程があり、前期と後期の間にもう1回チャンスが増える場合があります。
ただし前期の結果を待たずに出願する必要があるため、事前に併願の組み合わせを決めておくことが大切です。
国公立は「仕組み」を理解して、配点と日程から逆算して設計すると、やるべきことが明確になります。次の章では、私立との併願戦略まで含めた受験プランの作り方を整理します。
国公立大学受験では、共通テストと二次試験の配点比率を正確に把握することが合格への鍵となります。志望校の過去3年間のデータを分析し、自分の得意分野を活かせる戦略を立てることをお勧めします。
私立大学入試の仕組みと戦略
国公立大学と私立大学は「科目数」や「学費」だけでなく、入試の進み方そのものが違います。
私立は方式が多く、日程が分散していて、併願の組み方で結果が変わりやすいのが特徴です。
ここではまず、私立大学入試の仕組みを流れで押さえ、そのうえで国公立との併願戦略につなげます。
私立大学入試の仕組みをざっくり理解しよう
私立大学の入試は、大学ごとに細部が異なる一方で、基本は「受け方が複数ある」仕組みです。代表的なのは次の3つです。
一般選抜(大学独自の試験で受ける)
私立入試でいちばん基本になるのが、大学が作る学力試験です。
科目数は3科目程度が多く、対策を絞りやすいのがメリットです。文系なら英語・国語・選択1科目、理系なら英語・数学・理科が典型的な形になります。
私立は同じ大学でも日程が複数用意されることが多く、学部や方式を変えて複数回チャレンジできる場合があります。ここが、出願数が限られる国公立との大きな違いです ※3。
共通テスト利用入試(共通テストの得点で受ける)
私立には、共通テストの得点で合否を判定する方式があります。国公立志望者にとっては、追加の試験負担を増やしすぎずに私立を併願できるのが魅力です ※1。
一方で、募集人数が少ない方式もあるため、共通テスト利用だけに絞るより、一般選抜と組み合わせてリスクを分散するのが現実的です。
総合型選抜・学校推薦型選抜(年内に受ける)
私立は年内入試の枠が大きい大学も多く、早く結果が出ることがあります。選考は書類、面接、小論文などが中心で、学力試験とは準備のしかたが異なります ※17。
私立入試の流れ(出願から合格まで)
私立入試は「いつ」「何を確認するか」を押さえておくと、併願がぐっと組みやすくなります。
- 募集要項の確認(秋〜冬)
- 出願(年明け前後〜)
- 試験(1月下旬〜3月上旬に集中)
- 合格発表と入学手続き
ここで重要なのが、合格発表から入学金納付までの期間です。
私立は期限が短いことがあり、国公立の結果を待つために「いったん席を確保するか」を判断する場面が出てきます。
併願戦略は、偏差値だけでなく「日程」と「お金の動き」もセットで考えることが欠かせません。
国公立と私立の違い(併願設計で差が出るポイント)

私立の仕組みを押さえたら、次は「併願戦略に直結する違い」だけを整理しておきましょう。
ここを先に理解しておくと、志望校選びや出願の優先順位がブレにくくなります。
- 科目数:国公立は幅広く、私立は科目を絞って対策しやすい
- 併願の自由度:国公立は出願枠に制限がある一方、私立は日程が許す限り複数受験しやすい ※3
- 試験日程:私立一般は1月下旬〜3月上旬に集中し、国公立二次と重なることがある ※7
- 合格後の手続き:私立は合格発表が早く、入学金の納付期限が短い場合がある
この4点は、偏差値と同じくらい「併願の成否」を左右します。とくに最後の“手続き”は見落としやすいので要注意です。
この違いを踏まえると、併願戦略で重要なのは「安全校の確保」と「日程・入学金期限の管理」です。次の章で具体的な組み方を解説します。
失敗しない併願戦略
併願は「たくさん受ければ安心」ではなく、受け方の設計で合格率が変わります。
ここでは、失敗を防ぐための基本ルールを順番に紹介します。
併願校は3段階で組む(安全校を必ず作る)
私立は受験機会が多い分、戦略なしで選ぶと「安全校がなくて全落ち」になりやすいのが落とし穴です。
目安として、次の3段階で組むとバランスが取りやすくなります。
- チャレンジ校:2〜3校
- 実力相応校:3〜4校
- 安全校:2〜3校
安全校は「合格可能性が高い」だけでなく、合格後の入学金の判断も含めて現実的に進学できるかまで考えて選びましょう。
共通テスト利用は“増やしすぎない”
共通テスト利用は追加の試験負担が少ない一方で、募集枠が小さく高得点勝負になりやすい場合があります。
基本は、共通テスト利用と一般選抜を組み合わせて合格の可能性を分散させることです ※1。
日程と入学金期限を先に一覧化する
併願で起きやすい失敗は、次の2つです。
- 試験日が重なって、受けたい大学を受けられない
- 合格後の手続き期限が短く、判断が間に合わない(入学金の納付など)
併願表を作るなら、偏差値だけでなく「試験日」「合格発表日」「入学金の納付期限」までセットで並べると、ミスが大幅に減ります。
受験費用の上限を先に決める
併願校が増えるほど検定料がかさみ、遠方受験なら交通費・宿泊費も必要になります。
出願を始める前に「どこまで受けられるか(上限)」を家族で決めておくと、併願設計が現実的になります。
私立は単なる「滑り止め」ではありません。受け方を設計できる入試だからこそ、日程と手続きまで含めて戦略を立てることで、合格の可能性を大きく高められます。
受験費用と経済的な準備

大学受験には想像以上に多くの費用がかかります。受験料だけでなく、模試代、参考書代、塾・予備校費用、さらに遠方の大学を受験する場合は交通費や宿泊費も必要です。
国公立大学と私立大学では学費に大きな差があり、4年間で数百万円の違いが生じることもあります。
経済的な負担を軽減するためには、早めの資金計画と奨学金制度の活用が重要です。
受験生と保護者が安心して志望校選択できるよう、具体的な費用の目安と支援制度について詳しく解説します。
受験から入学まで、いくらかかる?
受験にかかる直接費用
大学受験では、まず各種検定料が必要になります。大学入学共通テストの検定料は、3教科以上受験する場合18,000円、2教科以下の場合12,000円です。
国公立大学の個別試験は1校あたり17,000円程度、私立大学は30,000円から35,000円程度が一般的です。
複数校を受験する場合、検定料だけで10万円を超えることも珍しくありません。例えば、国公立大学2校と私立大学5校を受験した場合、検定料だけで約20万円が必要になります。
学習にかかる費用
受験勉強には参考書や問題集の購入費用がかかります。主要科目の基本的な教材を揃えると、年間で3万円から5万円程度が目安です。
また、模試は1回あたり4,000円から6,000円程度で、年間を通じて受験すると5万円前後の費用が発生します。
塾や予備校を利用する場合は、年間で50万円から150万円程度の費用が必要です。個別指導を選択すると、さらに高額になる傾向があります。
入学後の学費負担
国公立大学の場合、入学金が約28万円、年間授業料が約54万円で、4年間の総額は約250万円となります 。
一方、私立大学では文系学部で年間約100万円から120万円、理系学部では年間約150万円から200万円が相場です。
4年間では文系で400万円から480万円、理系で600万円から800万円の学費が必要になります。
知らないと損する奨学金・学費支援制度
日本学生支援機構の奨学金制度
最も利用者が多いのが日本学生支援機構の奨学金です。給付型奨学金は返済不要で、世帯収入に応じて月額12,800円から75,800円が支給されます。
貸与型奨学金には無利子の第一種と有利子の第二種があり、それぞれ月額2万円から12万円程度の範囲で選択できます。
給付型奨学金の対象者は、入学金・授業料の減免も同時に受けられるため、経済的負担を大幅に軽減できます。申込みは高校3年生の春から可能で、早めの準備が重要です。
大学独自の支援制度
多くの大学では独自の奨学金制度を設けています。成績優秀者向けの特待生制度、地域出身者向けの支援、経済困窮者向けの給付型奨学金など、多様な制度があります。
国公立大学では授業料免除制度があり、家計状況に応じて半額免除や全額免除を受けられる場合があります。私立大学でも、入学試験の成績上位者に対する学費減免制度を設けている大学が増えています。
その他の支援制度
自治体や民間団体による奨学金制度も充実しています。
地方自治体の多くは、地元出身者や地元大学進学者向けの奨学金を提供しており、卒業後に地元で一定期間働くことで返済免除となる制度もあります。
また、企業や財団法人による奨学金制度では、特定の分野を学ぶ学生や将来その企業で働く意志のある学生を対象とした支援があります。
これらの制度は競争率が高い場合もありますが、給付額が大きく、返済不要のものが多いのが特徴です。
受験費用と学費の負担は決して軽くありませんが、様々な支援制度を活用することで経済的な不安を軽減できます。
早めの情報収集と申込み準備を進めることで、安心して受験に臨むことができるでしょう。
奨学金制度は年々充実していますが、申込み時期や条件が制度ごとに異なります。高校2年生のうちから各制度の詳細を調べ、必要な書類を準備しておくことをお勧めします。特に給付型奨学金は早期申込みが有利になることが多いため、計画的な準備が重要です。
保護者が知っておくべきサポートのポイント

大学受験は受験生だけでなく、保護者にとっても重要な挑戦です。
現在、76%の保護者が大学受験の情報収集を手伝っており、その関与度が第一志望合格率に影響することも明らかになっています。
しかし、過度な干渉は逆効果となる場合もあり、適切な距離感でのサポートが求められます。
保護者の役割は従来の「スポンサー」から「プロジェクトマネージャー」へと変化しており、情報収集、スケジュール管理、精神的支援など多面的なサポートが必要です。
受験生の自主性を尊重しながら、効果的にサポートする方法を具体的に解説します。
情報収集は親の出番!やるべきこと・任せること
保護者が担うべき情報収集の範囲
大学受験の仕組みが複雑化する中、保護者による情報収集は合格への重要な要素となっています。
特に国公立大学入試では、共通テストの変更点や各大学の個別試験の詳細など、膨大な情報を整理する必要があります。
保護者が積極的に取り組むべき情報収集として、まず入試制度の変更点があります。
2026年度は「情報I」の必須化や経過措置の撤廃など重要な変更があるため、文部科学省や大学入試センターの公式発表を定期的にチェックしましょう。
また、志望大学の入試要項や過去の合格者データ、オープンキャンパスの日程なども保護者が率先して収集することで、受験生は勉強に集中できます。
一方、模試の結果分析や具体的な勉強方法については、受験生本人や担当教師に任せることが大切です。
保護者が過度に学習内容に介入すると、受験生の自主性を損なう可能性があります。
効果的な情報共有の方法
収集した情報は、受験生に押し付けるのではなく、適切なタイミングで共有することが重要です。
定期的な家族会議を設けて、入試日程や出願手続きの確認を行い、受験生の意見を聞きながら方針を決めていきましょう。
また、塾や予備校の選択、併願校の検討など、費用が発生する重要な決定については、保護者が主導して情報を整理し、選択肢を提示することが効果的です。
受験費用は国公立大学で約17,000円、私立大学で30,000円から35,000円程度かかるため、経済的な計画も含めて検討する必要があります。
受験生のやる気を引き出す声かけと環境づくり
効果的な声かけとコミュニケーション
受験生のモチベーション維持には、保護者の声かけが大きな影響を与えます。
多くの受験生が嬉しかったと回答する声かけは「体調を気遣う言葉」「努力を認める言葉」「将来への期待を込めた言葉」です 。
具体的には、「最近よく頑張っているね」「体調は大丈夫?」「あなたなら大丈夫」といった、プロセスを評価し、信頼を示す言葉が効果的です。
逆に「○○大学に絶対合格して」「もっと勉強しなさい」といった結果を強要する言葉や、他の受験生と比較する発言は避けましょう。
また、受験生の話を聞く際は、アドバイスよりも共感を重視することが大切です。模試の結果が思わしくなかった時も、まずは受験生の気持ちを受け止め、一緒に改善策を考える姿勢を示しましょう。
学習環境の整備と生活リズムのサポート
受験生が集中して学習できる環境づくりも保護者の重要な役割です。
静かな学習スペースの確保、適切な照明や温度管理、必要な参考書や文具の準備など、物理的な環境を整えることから始めましょう。
生活リズムの管理では、規則正しい食事の提供と栄養バランスの配慮が重要です。
特に共通テストや個別試験の時期は、体調管理が合否を左右するため、免疫力を高める食事や十分な睡眠時間の確保をサポートしましょう。
さらに、家族全体で受験生を支える雰囲気づくりも大切です。
テレビの音量を下げる、家族の外出予定を調整するなど、受験生が最優先で学習できる環境を家族で協力して作り上げることが、精神的な支えにもなります。
適切な距離感を保ちながら、情報収集と環境づくりに徹することで、受験生の力を最大限に引き出すことができるでしょう。
保護者のサポートは「見守る」ことが基本です。情報収集や環境整備に力を注ぎ、受験生の自主性を尊重することで、親子関係を良好に保ちながら合格に向かうことができます。過度な期待や干渉は逆効果となるため、受験生のペースに合わせた支援を心がけましょう。
まとめ
大学受験の流れと仕組みについて詳しく解説してきましたが、最も重要なのは「今すぐ行動を始める」ことです。
2026年度入試では「情報I」の必須化をはじめとする大きな変更があり、早期の準備開始が合格への分かれ道となります。
大学受験の仕組みは複雑に見えますが、基本的な流れを理解し、計画的に取り組めば必ず道筋が見えてきます。保護者の方と連携しながら着実に歩みを進めていきましょう。
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