お子さまの塾選びは、将来の学習意欲や成績に大きく影響を与える大切な決断です。しかし、情報が多すぎてどこから手をつければ良いのか迷ってしまうことも多いのではないでしょうか?
実際、「友達が通っているから」と安易な基準で塾を選んでしまい、お子さまのやる気が続かなかったり、期待した成果が出なかったりすることも少なくありません。
また、高額な塾なら間違いないと考えて入塾したものの、子どもに合わずに転塾を余儀なくされるケースもよくあります。
本記事では、教育のプロフェッショナルの知見をもとに、失敗しない塾選びのポイントを徹底解説します。
これから塾を探そうとお考えの方はもちろん、現在通っている塾に不安を感じている方にも参考になる内容となっていますので、ぜひお子さまの塾選びにご活用ください。
- 塾選びがなぜ難しいのか?
- 無形サービスは実態が見えにくい
- ニーズと塾の形態が多様化し複雑になっている
- 学年・年齢によって塾選びのポイントが異なる
- 塾選びに失敗すると?
- 進学の選択肢が狭まる
- 塾にかけた費用が無駄になる
- 転塾の必要にせまられる
- 子どものモチベーションが低下する
- 塾選びが失敗する原因
- 友達が通っているからという理由だけで選ぶ
- 費用が高い塾は指導の質も高いと安易に判断する
- 子どものやる気を確認せずに決める
- 体験授業や見学をしない
- 塾選びで失敗しないためには?
- 通塾の目的・学習目標を明確にする
- 指導形式の種類と特徴を知っておく
- 塾の立地を意識する
- 年間にかかる総額を確認する
- 信頼できる塾かどうかを見極める方法
- 合格実績と信頼性の確認
- 講師・教室長の対応を見る
- 長期的な視点で考える
- 口コミや比較情報を活用する方法
- 口コミを活用する際のポイント
- 塾比較サイトを使いこなすコツ
- 体験授業や教室見学で失敗を防ぐ4つのポイント
- 授業内容や講師の質を確認しよう
- 子どもの感想や意見を尊重する
- 教室環境や設備が学習に適しているか?
- 塾全体の雰囲気やスタッフ対応を見る
- 入塾前に必ずチェックすべきこと
- 入塾前の面談での確認事項
- 退塾条件の確認
塾選びがなぜ難しいのか?
塾選びは意外に難しいものです。塾の選び方を知らずに決めた場合、ミスマッチが発生するかもしれません。子どもに悪影響があるうえに、かけた費用も無駄になってしまいます。
そうならないためにも、まずは塾選びが難しい理由を知り、事前に入念な調査が必要となることを理解しましょう。
ここでは、塾選びが難しい3つの理由を解説します。
- 無形サービスは実態が見えにくい
- ニーズと塾の形態が多様化し複雑になっている
- 学年・年齢によって塾選びのポイントが異なる
無形サービスは実態が見えにくい
教育は、実際に受けてみなければ内容や質がわかりません。通った後に良し悪しがわかるケースが多く、子どもに合うかどうかを事前に知ることは困難です。
違和感が生じた場合には通うのをやめるという選択も可能ですが、それまでの間に費用がかかります。
ニーズと塾の形態が多様化し複雑になっている
保護者には金銭面で、子どもには精神・体力面でそれぞれ負担がかかってしまいます。
さまざまな教育ニーズを取り込んだ結果、近年の塾はひと昔前とは違い、個別指導や自立学習、オンラインなど、形態が多様化・複雑化しています。
かつてはなかった形態の塾が増えているため、保護者にとって、メリット・デメリットや指導内容のスムーズな把握が難しくなっています。
どのような指導をしているのかをしっかり把握するためにも、事前によく調べることが大切です。
学年・年齢によって塾選びのポイントが異なる
学年・年齢により、どのような塾を選ぶべきか変わります。たとえば中1の場合は、早いうちから内申点を積み重ねるためにも、基礎固めや定期テスト対策に重点を置いた塾選びが大切です。
一方で中3の場合は、高校受験に向けて苦手分野の克服や志望校対策ができるか否かに重点を置いて塾を選ぶことをおすすめします。
塾選びに失敗すると?
子どもに合った塾を選ぶべきですが、きちんとチェックできていなかったりすると、失敗してしまいます。
ここでは、塾選びに失敗するとどのような問題が発生するのかを解説します。
進学の選択肢が狭まる
塾選びに失敗した場合、子どもの成績が思うように伸びない可能性があります。
その結果、内申点に影響が出て、志望校のレベルを下げざるを得ない状況になります。
また、合格ラインすれすれの学力で受験することになると、入試当日に得点が伸びず、志望校に合格できない可能性も考えられます。
高い成績であるほど進学先の選択肢は広がります。できるだけ多くの進学先の中から志望校を選べるようにするためにも、子どもの成績を伸ばせる的確な塾選びが必要です。
塾にかけた費用が無駄になる
塾選びに失敗すると、子どもは成績不振に悩み続けることになります。なかなか結果が出ず、塾に行くことが嫌になるかもしれません。
合わない塾に通い続けたために、通塾目的を達成できないと、塾にかけた月謝や入塾金などの費用は無駄になります。
そうならないためにも塾の選び方のポイントを押さえ、子どもに合った塾を選択しましょう。
転塾の必要にせまられる
塾選びに失敗した場合、転塾が必要になります。
どんなにインターネットの口コミがよい塾であっても、子どもに合っているかどうかは通ってみなければわかりません。
ミスマッチを避けるべく体験授業を受けることは大切ですが、それでも入塾後に違和感が生じることもあります。
転塾すると、かけた費用が無駄になるだけでなく、新たな費用が発生するため、保護者の金銭的な負担が大きくなります。
また、子どもは合わない塾に通ったり、転塾先の環境に慣れたりしなければならず、精神面でストレスもかかります。
なお、転塾の詳細は下記の記事で解説しています。
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子どものモチベーションが低下する
塾選びに失敗し、塾と子どもとの間にミスマッチが生じた場合、子どもの学習意欲が低下します。その結果、勉強に身が入らず、成績が振るわなくなると、志望校のレベルを下げたり、志望校に合格できなくなります。
子どものやる気を維持するためにも、ミスマッチの生じない塾選びは重要です。
塾選びが失敗する原因
塾選びの成功には、失敗の原因を知ることが大切です。
塾選びが失敗する4つの原因を解説します。
<塾選びが失敗する4つの原因>
- 友達が通っているからという理由だけで選ぶ
- 費用が高い塾は指導の質も高いと安易に判断する
- 子どものやる気を確認せずに決める
- 体験授業や見学をしない
友達が通っているからという理由だけで選ぶ
友達が通っているという理由だけで塾を選ぶと失敗しやすい傾向があります。なぜなら、友達とは性格や学力、志望校が異なるからです。
たとえば、友達は競争できる環境を、子どもは自分のペースで学べる環境をそれぞれ好む場合、同じ塾に通うのは得策とはいえません。
周囲と競争したいという理由で友達が集団指導の塾で学んでいる場合、同じところに子どもが通っても、学習環境になじめず成績アップにつながらない可能性があります。
また、塾によって強みが異なるため、成績向上や志望校合格といった目標を達成しやすいかどうかをよく考えることが大切です。
費用が高い塾は指導の質も高いと安易に判断する
授業料などの費用が高いからといって、指導の質が高いと安易に判断するのは禁物です。費用の高さと指導の質が比例するとは限りません。
指導の質が費用と見合っているのかどうかを知るためにも、口コミをはじめとする評判をよく調べましょう。また、体験授業を行っているのであれば、参加して実態を確かめることをおすすめします。
子どものやる気を確認せずに決める
塾選びに失敗する原因の一つが、事前に子どものやる気をしっかり確認しなかったケースです。
指導の質が高く、申し分のない進学実績がある塾を保護者が選んでも、実際に通う子どもの学習意欲が低いようでは、成績向上などの効果には期待できません。時間とお金が無駄になるのはもとより、通塾に対し、子どもがストレスを感じる可能性があります。
そうならないためにも、子どもの意思を事前によく確認しましょう。
体験授業や見学をしない
体験授業や見学をしないことも、塾選びの失敗につながります。
口コミの評価が高くても、実際には違うかもしれません。また、授業の質が高く、学習環境が良好であっても、子どもに合うかどうかは別問題です。
入塾後のミスマッチを回避するためにも、体験授業や見学をしてください。これらを行うことで、ミスマッチの発生を抑えられます。
塾選びで失敗しないためには?
塾選びに失敗しないためには、前述した失敗する原因を回避したうえで、押さえるべきポイントがあります。
塾選びで失敗しないためのポイントについて詳細を解説します。
通塾の目的・学習目標を明確にする
まずは、「授業についていけるように基礎固めをしたい」「志望校に合格するために受験対策に力を入れたい」など、どのような目的で塾に通うのかを明確にしてください。
通塾の目的がはっきりしたら、学習目標を立てることが大切です。「2学期の期末テストにおける全科目の平均点90点以上」「次の模試で志望校がA判定」など、具体的な目標を立ててください。そうすることで、学習計画を立てやすくなります。
指導形式の種類と特徴を知っておく
塾選びを成功させるためにも、指導形式の種類と特徴を知ることが大切です。
ここでは、個別指導、集団指導・少人数制、オンライン授業の3つの指導形式について、それぞれの特徴を解説します。
子どもの学力や性格を考慮したうえで、最適な指導方式を選択してください。
個別指導のメリットとデメリット
個別指導のメリット・デメリットとして下記が挙げられます。
<個別指導のメリット>
- 子どもに合ったカリキュラムで学習できる
- 子どもの理解度に合わせて学習を進められる
- 不明点を質問しやすい
- 部活動や習い事との両立がしやすい
<個別指導のデメリット>
- 集団指導・少人数制よりも授業料が割高になる
- 周囲と競争する機会が少ない分、モチベーションの維持がしづらい
- 周囲と比較した際の自分のレベルを把握しにくい
個別指導は一人ひとりに合ったオリジナルのカリキュラムを使用して学習を進めるため、家庭教師による指導のように、マンツーマンでじっくりと学べます。
塾以外のスケジュールを考慮して学習日程を組めることから、無理のない学習が可能です。
反面、模試などを受けないと自分の現在地を把握しづらいことが難点です。子どもの性格によっては勉強に身が入りにくいかもしれません。
集団指導・少人数制のメリットとデメリット
集団指導・少人数制のメリットとデメリットは下記のとおりです。
<集団指導・少人数制のメリット>
- 周囲と切磋琢磨でき、学習に対するモチベーションを保ちやすい
- 受験から逆算したカリキュラムで学習できる個別指導よりも授業料が割安なケースが多い
<集団指導・少人数制のデメリット>
- 授業内容と子どもの理解度との間にミスマッチが生じる可能性がある
- 部活動や習い事と両立しにくい質問がしづらい
集団指導や少人数制は複数人で授業を受けるため、周囲と自分のレベルを比較しやすい利点があります。切磋琢磨できる環境であり、学習に対するモチベーションを保ちやすい点がメリットです。
受験に向けてスケジュールが組まれるため、学習予定が立てやすいことも長所といえます。
ただし、指導内容が画一化されていることから、子どもによっては授業についていけない可能性があります。
また、年間スケジュールが決まっていて、部活動や習い事と両立しにくいこともデメリットです。さらに、複数人で授業を受けるため、気が引けて質問できない子どももいます。
オンライン授業のメリットとデメリット
オンライン授業には下記のメリット・デメリットがあります。
オンライン授業のメリット
- 時間や場所にとらわれず、質の高い授業が受けられる
- 部活や習い事との両立がしやすい繰り返し視聴できる
- 通塾よりも授業料が割安なケースが多い
オンライン授業のデメリット
- ネット環境やパソコン、タブレットなどのデバイスが必要
- 自分のレベルを把握しにくい
- 同じ時間・場所に行かないため、習慣づけが弱い
- 仲間の姿が見えないため、モチベーションを保ちにくい
オンライン授業は、ネット環境さえあれば、場所と時間を選ばず学習できることが大きな利点です。そのため、部活や習い事、学習進度などを考慮したスケジュールを立てやすいです。
また、映像授業を行っている塾の場合は、理解できるまで同じところを何度も繰り返す、分かっている部分は飛ばすというように、理解度に合わせて学べる点がメリットです。
一方、オンライン授業を受けるにはネットがつながらなければならず、パソコンやタブレットなどの機器が欠かせません。ネット環境次第では、快適に視聴できないケースもあります。
さらに、自分のレベルを把握しにくいうえに、仲間の姿が見えず、学習のモチベーションを保ちにくいことも難点です。
加えて、通塾とは違い、定期的に同じ時間・場所に行くわけではないため、自主性が求められます。
そのため、習慣づけが弱く、自己管理が苦手な子どもは受講しなくなる可能性があります。
塾の立地を意識する
塾選びの際は、立地もチェックしましょう。
たとえば、自宅から徒歩や自転車で15分以内、公共交通機関で20~30分程度など、子どもにとって通いやすい場所にある塾を選ぶことをおすすめします。
ここでは、塾の立地を意識する必要性を解説します。
自宅や学校から近い塾を選ぶ理由
自宅や学校から近い塾を選ぶと、子どもにとって負担になりにくいため、おすすめです。
たとえば、自宅の最寄り駅前や通学経路の途中にある塾を選ぶと、通塾にそれほど時間をかけずに済みます。
また、自宅から近い場合には、悪天候のときや遅くなったときに送迎しやすい点が保護者にとってメリットです。
遠方にある塾の場合、子どもは通うだけで体力を消耗します。通塾に時間が割かれて睡眠時間が削られると、子どもの健康面に悪影響を及ぼすかもしれません。
また、塾が終わる時間が遅くなった場合には、安全面も心配です。子どもが健康かつ安心して通えるようにするためにも、できるだけ近場の塾をおすすめします。
通塾時間が学習効率に与える影響
通塾時間が短いほうが、自宅での予習・復習に使う時間が増える分、学習効率はアップします。
また、気分転換に使える時間が捻出しやすくなり、十分な睡眠時間もとれるため、子どもは心身共に健やかに過ごせます。
メリハリの利いた時間の使い方ができるようになると、しっかりと集中して学習に取り組めるようになるため、子どもにとって有益です。
自習室がある塾に通う場合には、自宅や学校から近いと利用しやすくなる点がメリットです。
自宅では勉強しづらい、集中しにくいなどの場合、自習室がすぐに利用できる距離にあると子どもの学習効率を高められます。
さらに、授業がないときにわからない点をチューターに聞きに行きやすくなり、学習内容の理解を深めるのに役立ちます。
電車・バスを使う場合は、暗記教材を中心に乗り物の中でも学習ができる準備をしてください。
年間にかかる総額を確認する
塾選びの際は、年間にかかる総額がどれくらいになるのか確認が必要です。
通塾に必要な費用は毎月の授業料のほか、入会金(入塾金)やテキスト代など追加費用が発生します。また、場所によっては交通費がかかるケースもあることを念頭に置いてください。
ここでは、子どもが塾に通う場合に、どのような費用が発生するのかを解説します。
授業料以外にかかる追加費用とは?
子どもを塾に通わせる場合、毎月の授業料だけでなく、ほかにも下記の費用がかかります。
- 入会金(入塾金)
- 教材費
- 季節講習費
- テスト費
- 教室維持費
上記は代表的な追加費用ですが、塾によってはかからないものもあるかもしれません。
また、上記以外に費用が発生する可能性があることに留意してください。たとえば、志望校に合わせた特別講習会に参加する場合には、その費用が別途かかります。
実際に通う場合にどのような費用がいくら発生するのか、あらかじめ塾に確認しておくことが大切です。そのうえで、年間にかかる費用を計算しましょう。
「コスパのいい塾」とはどんな塾?
「コスパのいい塾」とは、月謝をはじめとする費用が単に安いことを指しているのではありません。
ここでいう「コスパのいい塾」とは、同じようなサービスを提供している場合に、より高実績かつ高評価を獲得している塾のことを指します。
「コスパがいい塾」であるか否かを調べるためにも、同じようなサービスを提供している塾同士を比較しましょう。
子どもの志望校の合格者数と合格率、子どもを通わせている保護者の口コミ、サポート体制などを勘案したうえで費用を比較することをおすすめします。
これらがおおむね同程度の塾同士の料金を比べて、割安なものは「コスパがいい塾」という評価ができます。
信頼できる塾かどうかを見極める方法
子どもを通わせる塾は、これまでの実績やサポート体制などが信頼できる塾に通わせたいものです。
ここでは、信頼できる塾を見極める方法を解説します。
合格実績と信頼性の確認
合格実績を確認する際は、チラシやホームページに掲載されている合格者数の内容をよく確認しましょう。
なぜなら、テスト生や各種講習生を合格者数に含めている場合があるからです。「実績にテスト生は含みません」などの一文が記載されていないかチェックすることが大切です。
もしもない場合には、一時的に通った生徒も合格実績に含めている可能性があることに注意してください。
過去の合格実績を見る際のポイント
過去の合格実績を見る際は、塾全体ではなく、子どもを通わせる教室の合格実績を知ることが重要です。
なぜなら、複数の教室を展開している塾は、全体の合格者数を実績として掲載していることが多いからです。
子どもが通う教室はあくまでも一つであるため、合格実績として掲載された数字をうのみにしないよう気をつける必要があります。
正確な実績を把握するべく、その教室で子どもの志望校の合格者数が何人だったのかを教室長に確認しましょう。
信頼できる塾が持つ特徴とは?
信頼できる塾を選ぶためにも、教室長などのトップがどのような教育理念を持っているのか確認することが大切です。
ホームページなどに記載されていれば、その内容を一読しましょう。そのうえで説明会に足を運び、直接質問をするのもおすすめです。
また、教室長自身が現役で教壇に立っていると、より信頼度が増します。現場に立っている分、的確な指導ができるからです。
進路や成績などの悩みにも、一人ひとりに寄り添ったアドバイスができると考えられます。
講師・教室長の対応を見る
生徒の成績を伸ばせる実績とスキルがある講師がいるかどうかは塾選びをするうえで重要です。
また、生徒や保護者の悩みに寄り添い、的確な助言をくれる講師や教室長であれば、安心して子どもを通塾させることができます。
ここでは、講師の質や教室長の対応の良し悪しについて、見極めるためのポイントを解説します。
講師の質を見極めるポイント
講師の質を事前に見極めるには、正社員なのかアルバイトなのかという点に注目しましょう。
正社員の場合は、教えることを生業とした「プロ」です。そのため、生徒を指導することに関しては、経験豊富で高いスキルを持っていると考えられます。
一方、アルバイトの場合、大学生やフリーターが指導しているケースがよくあります。中には教えることに長けた講師もいますが、そのような講師がいるかどうかはわかりません。
また、講師が大学生の場合には、卒業とともに塾を辞めることが考えられるため、長期間の指導を受けられない可能性があります。
信頼できる塾に子どもを通わせるためにも、できるだけ講師が正社員の塾を選ぶことをおすすめします。
保護者との連携や相談体制の確認
子どもを安心して塾に通わせるには、授業の質のみならず、何か問題が発生したときの対応も重要になります。
たとえば、子どもの無断欠席などの問題が発生したときに、教室長が積極的に保護者と連携してくれるかどうかはチェックしておきたいポイントです。
勉強法や進路などの悩みに対し、すぐに相談できる体制が構築されているかも確認しましょう。
また、子どもが塾に到着したのか、授業をきちんと受けているのかを把握するためにも、入退室システムを導入している塾がおすすめです。
子どもが教室に入ると保護者にも通知が届くため、安心できます。
長期的な視点で考える
塾は数年単位で通うことになります。中学受験、高校受験、大学受験のすべてに対応している塾の場合、何年も通うことになるかもしれません。そのため、塾選びは長期的な視点で行う必要があります。
ここでは、その理由について説明します。
通い続けられる環境かどうかをチェックする
基本的に塾には数年単位で通うことになります。そのため、通い続けられる環境かどうかは重要なポイントです。
もしも遠方にある塾に通う場合、子どもは途中で通うのが億劫になる可能性があります。
どんなに教育内容がよく、実績が豊富な塾であっても、遠いことを理由に子どもが通わなくなってしまっては意味がありません。
また、子どもが部活や習い事をしている場合にも注意が必要です。塾が家から通いやすい立地にあっても、部活や習い事の負担が大きいと、行けない日が出てくるかもしれません。
通塾できない日が増えると、せっかく子どもに合った塾を選んでも、費用が無駄になってしまいます。
そうならないためにも、子どもが塾に通い続けられる環境なのかどうかをよく考えましょう。
一度通い始めると転塾は難しい
「もしも合わなければ、やめてほかの塾に行けばいい」と思うかもしれません。しかし、転塾のハードルは意外と高いことに留意しましょう。
転塾してもうまくいかない可能性は十分にあります。なぜなら、各塾が独自のカリキュラムで学習計画を立てているため、転塾すると、学習内容に穴が開く可能性があるからです。
そのため、転塾しても子どもの成績がなかなか伸びないかもしれません。
また、よかれと思い転塾したにもかかわらず、子どもが新しい環境になじめない可能性もあります。この場合、学習に対する子どものモチベーションが低下してしまうかもしれません。
子どもが着実に学習成果を上げられるようにするためにも、転塾はできるだけしないに越したことはありません。子どもに合った信頼できる塾をしっかりと選びましょう。
口コミや比較情報を活用する方法
塾選びには、口コミや比較情報の活用が有効です。
口コミや比較情報を上手に使った塾の選び方のポイントについて解説します。
口コミを活用する際のポイント
塾を選ぶときに役立つのが、現在通っている・過去に通っていた生徒や保護者による口コミです。口コミサイトにはさまざまな口コミが掲載されているため、塾選びの判断材料になるでしょう。
ただし、中には不正確なものや、主観が強いものもあります。そのため、書いてあることのすべてを信じ込まないようにしましょう。
口コミを有効活用するためには、信頼できる情報の見分け方を知ることと、悪い口コミも確認することが大切です。
信頼できる口コミ情報の見分け方
塾の口コミサイトには、星による評価をしているものや、良い口コミ・悪い口コミをそれぞれ分けて掲載しているものなどがあります。
特にわかりやすいのは、星による評価をしているサイトです。中でも、評価の項目を細かく設定して、それぞれに対し「星3つ」「星5つ」などの評価ができるようにしていると、強みと弱みがわかりやすいです。
また、評価の根拠や通塾年度を見ておきましょう。なぜなら、古い口コミの場合、現在とは講師やコース設計が異なる可能性が高いからです。また、学年によっては口コミの内容が参考にならないケースもあります。
できるだけ現在に近い時期の、子どもの学年と合致した口コミを中心に確認しましょう。
良い口コミだけでなく悪い口コミも確認する
塾を選ぶ場合には、良い口コミだけでなく、悪い口コミも確認しましょう。なぜなら、子どもが通った場合にどのようなデメリットがあるのかがわかるからです。
実際に利用した生徒や保護者の生の声を知ることで、実態がより把握しやすくなります。
また、悪い口コミがすべてデメリットになるとは限りません。内容によっては、子どもにとってデメリットにならないと判断できるものもあるからです。
大切なのは、良い口コミと悪い口コミの両方を比較することです。そのうえで、デメリットよりもメリットのほうが大きいと判断できれば、選択肢に入れてください。
塾比較サイトを使いこなすコツ
塾選びの際に口コミに加えて活用したいのが、塾の比較サイトです。塾比較サイトには、各塾の概要や実績、口コミなどの知りたい情報がまとめて掲載されています。
各塾のホームページを一つひとつ確認する手間が省けるため、活用しましょう。
ここでは、塾比較サイトを上手に使いこなすコツを解説します。
塾を比較する際のポイント
塾を比較する際は、重視する条件を明確にすることが大切です。たとえば、予算にそれほど余裕がない場合には、料金が重視するポイントの1つになると考えられます。
また、通いやすさを重視するのであれば、最寄り駅も重要な条件です。さまざまな条件で比較するときは、条件の優先順位を決めましょう。
さらに、通塾の目的や、達成するためにはどのような指導形式が子どもに合っているのかなど、よく考えたうえで比較することが重要です。
そのうえで、実績や口コミなどを確認して、候補となる塾を絞りましょう。
検索機能を活用して効率的に探そう
塾の比較サイトを活用する際は、検索機能を利用しましょう。希望に沿ったものを見つけるためにも、多くの検索条件を設定可能な比較サイトを活用することをおすすめします。
子どもが塾に通い始めた後にミスマッチが発生しないようにするためにも、きめ細かに条件を設定できる検索機能を搭載した塾の比較サイトを利用してください。
塾シルでは市区町村や駅・路線名、授業の形式、通塾目的など複数の条件を組み合わせて、希望に合う塾を探すことができます。
体験授業や教室見学で失敗を防ぐ4つのポイント
入塾後にギャップが発生することを避けるためにも、体験授業を受けたり、教室見学に参加したりすることは大切です。
ここでは、塾選びに失敗しないために、体験授業や教室見学で押さえておきたい4つのポイントを解説します。
- 授業内容や講師の質を確認しよう
- 子どもの感想や意見を尊重する
- 教室環境や設備が学習に適しているか?
- 塾全体の雰囲気やスタッフ対応を見る
授業内容や講師の質を確認しよう
まず確認したいのは、授業内容や講師の質です。体験授業の内容が自身のレベルに合っているのか、講師の教え方がわかりやすいものだったかどうかを子どもに確認しましょう。
保護者が参加できる場合には、授業のレベルや進度、講師の説明のわかりやすさ、子どもの質問に対し丁寧に答えているのかを確認してください。
また、講師が学生のバイトばかりでないかもチェックしましょう。さらに、体験授業を担当した講師と実際に授業を受け持つ講師が同じかどうかの確認も重要です。
子どもの感想や意見を尊重する
体験授業や教室見学を経て塾を選ぶ場合には、実際に通う子どもの意思を尊重することが大切です。
保護者が授業や講師に対して好印象を抱いても、子どもがそう感じない場合には、候補からはずしましょう。
無理に入塾させても、子どもは嫌々通うことになり、成績アップや志望校合格などの目的を達成できない可能性があります。
通塾の目的を達成するためにも、最終的には子どもの感想や意見を第一に考えて塾を選ぶことが大切です。
教室環境や設備が学習に適しているか?
体験授業や教室見学の際には、教室環境や塾の設備にも目を向けましょう。たとえば、自習室が集中できるよう配慮されたものであるかどうかは、重要なチェックポイントです。
空き教室などではない独立した自習室であり、隣の机との間に仕切りがついているなど、プライベート空間が確保されたものがベストです。
また、休憩スペースの有無や、ある場合には飲食が可能かどうかを確認することをおすすめします。夏期講習など長時間塾に滞在するときに、飲食できると便利です。
さらに、静かに学習できる環境かどうかも確認してください。自習室では私語が多くざわついているなど落ち着かない環境の場合には、塾の指導が行き届いていない可能性が考えられます。
塾全体の雰囲気やスタッフ対応を見る
塾全体の雰囲気がどのようなものなのかも確認してください。たとえば、ギスギスした雰囲気の場合には、子どもがストレスを感じるかもしれません。
反対に、あまりにアットホームな雰囲気の場合は、ほどよい緊張感が生まれにくい可能性があります。
授業中は集中し、休憩中にはほどよくリラックスできる、メリハリのある環境かどうかを確認してください。
また、スタッフが、生徒や保護者からの問い合わせに丁寧な対応をしているかどうかもチェックしましょう。
入塾前に必ずチェックすべきこと
通う塾を決めたら、面談時に必ず確認すべきことがあります。それと同時に、退塾する場合の条件についても確認しておきましょう。
ここでは、この2点に関する詳細を説明します。
入塾前の面談での確認事項
塾に問い合わせや資料請求をした後、教室長と保護者が面談を行います。
このときに、授業の詳細(カリキュラムや授業時間数など)や、体験授業、入塾テストに関する案内があります。
また、保護者からの質問も受け付けるため、確認したい内容をあらかじめ洗い出しておきましょう。
入塾前の面談で確認しておきたい内容のうち、代表的なものは表のとおりです。
面談で確認しておきたい項目 |
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指導方針 |
宿題の有無と量 |
月謝 |
テキスト代 |
施設管理費 |
季節講習の費用の目安 |
自習の際のサポートの有無 |
ほかに、病欠などの振替授業の有無や、どのような生徒が多いか、定期テスト前や受験前の特別講座の有無なども忘れず質問してください。
退塾条件の確認
入塾前の面談では、退塾条件についても確認しておきましょう。子どもの成績が上がらないなどの理由の場合、すぐには退塾できないかもしれません。
なぜなら、塾によっては、申請してすぐに退塾できないところがあるからです。
たとえば、毎月15日までに退塾を申請した場合には当月末で退塾できるものの、16日以降は翌月末の退塾になってしまうといったケースがあります。
退塾の意思があるにもかかわらず、やめるのが1ヶ月以上後になるのは、子どものモチベーションにも悪影響があるかもしれません。
退塾の条件は契約書に記載されています。あるいはホームページに掲載されているケースもあるため、面談の前に目を通しておきましょう。
※本記事に掲載している情報は記事執筆時点のものです。料金・キャンペーンなどの最新情報は各教室にお問い合わせください。