- 2027年度から始まる埼玉県公立高校入試の変更点(全員面接・自己評価資料の導入)
- 自己評価資料の構成とは何か、中学生活でどう準備すればよいか
- 面接対策や、調査書・日常の取り組みを意識した準備方法
- 授業料無償化との関連で公立高校選択がどう変わるか
埼玉県の公立高校入試が、2027年度(令和9年度)から大きく変わります。全受検生に面接が課されるようになり、自己評価資料の提出も必須となるこの変更は、多くの保護者にとって「準備をどうすればいいの?」という不安の種になっています。
これまで学力検査と調査書が中心だった埼玉県の公立高校入試ですが、2027年度からは面接が新たな評価資料として導入され、より多面的に選抜されるようになります。さらに授業料無償化の影響もあり、公立高校の人気が再び高まる可能性も指摘されています。
この記事では、制度変更の詳細と、今からできる準備のポイントをわかりやすく解説します。
- 2027年度入試から何が変わる?埼玉県公立高校の新制度を整理
- 全員面接が必須に、何が評価される?
- 自己評価資料の提出が必須に
- 面接が加わり、日常の取り組みが評価される仕組みに
- 面接・自己評価資料、保護者が抱きやすい3つの不安
- 「面接なんて経験ゼロ、どうやって練習するの?」
- 「自己評価資料って何を書けばいいの?」
- 「内申点重視で、定期テストの負担が増える?」
- 今からできる準備|活動記録・面接・内申点の3つのアプローチ
- 中学1年生から始める活動記録のつけ方
- 家庭でできる面接練習の工夫
- 面接で語れる日常の行動3つ
- 授業料無償化の影響は?公立高校の人気が再び高まる可能性
- 授業料支援は2025年度から実質無償化、2026年度に所得制限が撤廃へ
- 公立人気が高まると競争率はどう変わる?
- 私立高校と何が違う?選ぶ際のポイントを整理
- 面接・自己評価資料のQ&A|よくある5つの疑問
- Q1. 面接はグループ面接ですか、個人面接ですか?
- Q2. 部活動に参加していないと不利になりますか?
- Q3. 塾の面接対策コースを受けるべきですか?
- Q4. 英語での面接もあるのでしょうか?
- Q5. 自己評価資料は誰がチェックしてくれますか?
- まとめ|全員面接・自己評価資料、中学1年生からの準備が合否を左右する
2027年度入試から何が変わる?埼玉県公立高校の新制度を整理
2027年度入試では、面接・自己評価資料・調査書の扱いが変わります。まず全体像を把握してから、それぞれの詳細を確認していきましょう。
変更点 従来 2027年度から 面接 一部校のみ実施 全受検生に必須 自己評価資料 なし 提出必須(面接の素材として使用) 評価軸 学力検査+調査書 面接が新たに加わり多角的な評価に
全員面接が必須に、何が評価される?
2027年度入試から、埼玉県の公立高校を受検するすべての生徒に面接が課されることになりました。これまでも一部の高校では面接が実施されていましたが、全員必須となるのは大きな変化です。
面接の配点比重は学校によって異なります。学校選択問題を採用する一部校では、面接配点が全体の約3%台となっている例があります(浦和高校30/810点、大宮高校普通科30/830点など)。
一見すると「たった3%」と思うかもしれませんが、合否のボーダーライン上では数点の差が合否を分けることもあり、決して軽視できない要素です。
面接では、志望動機や中学校生活で頑張ったこと、高校入学後の目標などが質問されると予想されます。面接の形式(個人・グループなど)は各校に委ねられているため、志望校の情報を早めに確認しておきましょう。
【出典】
埼玉新聞「高校入試、令和9年度どうなる 授業料無償化の影響、私立志願者が増加…保護者はここに気を付けて」
自己評価資料の提出が必須に
もう一つの大きな変更点が、自己評価資料の提出です。これは受検生が中学校生活での活動や取り組みを自分で振り返り、言語化した資料で、この資料をもとに面接が行われます。
記入する項目は主に3つの観点に分かれています。
- これまでの体験・自己PR(学習・部活・行事・ボランティアなどの振り返り)
- 例:苦手科目の克服に取り組んだ、体育祭の実行委員を務めた、地域の清掃活動に参加した
- 高校入学後に取り組みたいこと
- 例:将来の目標に向けてどんな力をつけたいか、どんな活動に挑戦したいか
- 志望校が独自に設定する項目
- 例:学校によって異なるため、各校の募集要項で確認が必要
なお、自己評価資料そのものは採点・得点化されません。面接での対話を通じて、取り組みの過程や意欲、今後の展望が評価される仕組みです。
保護者の中には「部活に入っていないとダメなの?」と心配する声もありますが、部活動以外の項目でも十分に評価されます。例えば学習活動で自主的な取り組みを記録したり、学校行事で積極的な役割を果たしたりすることで、十分にアピールできます。
【出典】
埼玉新聞「高校入試、令和9年度どうなる 授業料無償化の影響、私立志願者が増加…保護者はここに気を付けて」
面接が加わり、日常の取り組みが評価される仕組みに
従来の埼玉県公立高校入試は学力検査と調査書(内申点)が中心でしたが、新制度では面接が新たな評価軸として加わります。
面接は調査書とは別枠で配点され、自己評価資料をもとに中学3年間の取り組みや今後の意欲が問われます。「入試当日だけ頑張ればいい」という考え方は通用しにくくなります。
つまり、中学1年生のうちから自分の活動を振り返り、言葉にする習慣をつけておくことが重要です。「あの時頑張ったのに記録がない」と後悔しないよう、日頃からメモを残しておきましょう。
面接・自己評価資料、保護者が抱きやすい3つの不安
「面接なんて経験ゼロ、どうやって練習するの?」
保護者の声として多く聞かれるのが、「うちの子、面接なんてやったことないけど大丈夫?」という不安です。特に人前で話すのが苦手な生徒を持つ保護者にとって、面接の導入は大きなプレッシャーに感じられます。
しかし、面接は特別な才能を求めるものではなく、準備次第で誰でも対応できるものです。中学校でも面接練習の機会が設けられます。家庭でも日常会話の中で「今日学校で頑張ったことは?」「この高校を選んだ理由は?」といった質問を投げかけることで、自然と受け答えの練習になります。
「自己評価資料って何を書けばいいの?」
自己評価資料の内容を見て、「うちの子、特別な活動をしていないけど書くことあるかな?」と心配する保護者もいるでしょう。
ここで大切なのは、派手な活動や特別な成果だけが評価されるわけではないという点です。
例えば学習活動では、「苦手な数学を克服するために毎日10分の復習を続けた」といった地道な努力も十分に価値があります。学校生活では「クラスの掃除当番を率先して行った」「友達の相談に乗った」など、日常の小さな行動も記録に値します。
大切なのは、日々の積み重ねを言語化する力です。自己評価資料は採点されるものではなく、面接で「なぜそれに取り組んだか」「何を学んだか」を話すための素材です。
中学1年生のうちから活動の記録をノートやアプリにメモしておくと、後で振り返る際に役立ちます。
「内申点重視で、定期テストの負担が増える?」
新制度で面接が加わることで、「定期テストの重要性が増すのでは?」と感じる保護者も多いでしょう。
調査書(内申点)は従来どおり評価対象ですが、それに加えて面接という新たな軸が加わるため、日々の学習姿勢や取り組みを言葉にする力が求められるようになります。
これは必ずしも負担が増えるだけではありません。学力検査一発勝負とは異なり、日常の努力の過程が評価される仕組みが加わることで、継続的に取り組む生徒には有利に働く可能性もあります。
また、定期テスト対策を通じて基礎学力が定着すれば、結果的に学力検査本番でも力を発揮しやすくなります。
今からできる準備|活動記録・面接・内申点の3つのアプローチ
準備は大きく3つの軸で考えると整理しやすくなります。それぞれいつから・何をすればよいかを把握した上で、各項目の詳細を確認していきましょう。
準備の軸 いつから 主な取り組み 活動記録をつける 中学1年生から ノート・アプリでメモ、親子で月1回振り返り 面接練習をする 中学2〜3年生を目安に 日常会話、鏡の前での練習、家族に面接官役 内申点を意識する 中学1年生から 授業態度、提出物の期限、係活動への参加
中学1年生から始める活動記録のつけ方
自己評価資料を効果的に準備するには、中学1年生のうちから活動を記録する習慣をつけることが理想的です。記録の方法は難しく考えなくてもよく、続けやすいやり方で始めるのがポイントです。
ノートやスマホアプリで日々の振り返りを記録
毎日の学習内容や学校での出来事を簡単にメモしておくだけで、後から見返した際に「こんなこともやっていたんだ」と思い出せます。専用のアプリを使えば、写真や動画も一緒に保存できるので便利です。
定期的に親子で振り返りの時間を作る
月に一度、「今月頑張ったこと」「来月の目標」を親子で話し合う時間を設けるのも効果的です。保護者が質問を投げかけることで、子ども自身が自分の活動を言語化する練習にもなります。
学校の通知表や賞状、作品などを保管
形として残るものは、自己評価資料を書く際の具体的な根拠になります。ファイルにまとめておくと、後で見返しやすくなります。
家庭でできる面接練習の工夫
面接対策というと塾の特別講座を思い浮かべるかもしれませんが、まずは家庭でできることから始めましょう。
日常会話で「質問→考えて答える」習慣をつける
夕食時などに、「今日一番印象に残ったことは?」「なぜそう思ったの?」と質問を投げかけることで、自分の考えを整理して話す練習になります。
鏡の前で話す練習をする
面接では表情や姿勢も評価対象になります。鏡の前で自己紹介や志望動機を話す練習をすることで、話し方や表情を客観的にチェックできます。
家族に面接官役をお願いする
実際の面接を想定して、家族に面接官役をしてもらうのも有効です。最初は緊張するかもしれませんが、回数を重ねることで慣れていきます。
面接で語れる日常の行動3つ
調査書(内申点)は、定期テストの結果だけで決まるわけではありません。授業中の取り組みや提出物の状況は、各教科の評定に反映される場合があります。
また、係活動・委員会活動・行事への取り組みは、新制度では調査書ではなく主に「自己評価資料」に受検生自身が記入し、面接で語る素材になります。
つまり日々の積み重ねは、「評定」と「面接で語れる材料」の両面で意味を持つようになります。
授業中の積極性を意識する
発言や質問をする、ノートを丁寧に取る、授業に集中するといった基本的な姿勢は、各教科の評定に反映されることがあるだけでなく、面接で「授業への取り組み」として話せる内容にもなります。
提出物の期限を守る
宿題やレポートを期限内に提出することは、各教科の評定(内申点)に反映される場合があります。保護者からの声かけもサポートになります。
係活動や委員会活動に積極的に参加
学級委員や各種委員会、係活動などへの参加は、自己評価資料の「これまでの体験」として面接で具体的に話せる内容になります。
授業料無償化の影響は?公立高校の人気が再び高まる可能性
授業料支援は2025年度から実質無償化、2026年度に所得制限が撤廃へ
埼玉県では2025年度から所得に応じた就学支援金と臨時支援金の組み合わせにより、公立高校の授業料が実質無償化されています。
さらに2026年度からは国の制度改正により所得制限が撤廃され、より幅広い家庭が対象となります。この流れは、経済的な理由で進学を諦める生徒を減らし、教育の機会均等を図る狙いがあります。
授業料無償化により、これまで私立高校を検討していた家庭が公立高校を再考するケースも増えています。
特に経済的負担を重視する家庭にとって、公立高校の魅力が高まっているといえるでしょう。なお、無償化の対象は主に授業料であり、入学金や教材費、制服代などは別途必要になる場合があります。
公立人気が高まると競争率はどう変わる?
授業料無償化と入試制度変更が重なることで、公立高校の競争率が上昇する可能性も指摘されています。特に人気校では倍率が高まり、合格のハードルが上がるかもしれません。
ただし、これは予測段階の話であり、実際の倍率は2027年度入試の志願状況を見ないとわかりません。保護者としては、無償化のメリットを享受しつつ、日頃からの準備をしっかり行うことが大切です。
私立高校と何が違う?選ぶ際のポイントを整理
一方で、私立高校も授業料支援制度の対象が拡大しており、経済的なハードルは下がっています。私立高校には少人数指導や独自のカリキュラム、手厚い進路指導など、公立とは異なる魅力があります。
費用や指導スタイルなど、主な違いをまとめると次のようになります。
比較軸 公立高校 私立高校 費用 埼玉県では2025年度から実質無償化/2026年度からは所得制限なしで授業料相当額(年118,800円)を支援 2026年度から所得制限なしで国の就学支援金が年457,200円まで拡充(通信制337,200円)/授業料が上限を超える学校は差額が自己負担 指導スタイル 集団授業が中心 少人数・独自カリキュラムも充実 進路指導 学校による差あり 手厚い学校が多い傾向 向いている生徒像 自律的に学べる、地域の仲間と学びたい 個別サポートを求める、特色ある学びを重視する
公立か私立かの選択は、経済面だけでなく、性格や学習スタイル、将来の目標などを総合的に考慮して判断することが大切です。どちらが正解ということではなく、それぞれの環境が合うかどうかを見極めることが重要です。
なお、進学実績の高い一部の高校では、数学・英語で「学校選択問題」を実施する学校があります。志望校がこの問題を採用しているかどうかは、学校説明会や募集要項で早めに確認しておきましょう。
採用校では応用力や思考力を問う対策が必要になるため、学力検査の準備と並行して進めることが大切です。
面接・自己評価資料のQ&A|よくある5つの疑問
Q1. 面接はグループ面接ですか、個人面接ですか?
面接の形式は各高校の判断に委ねられています。
学校によって個人面接を行う場合もあれば、グループ面接を実施する場合もあります。志望校が決まったら、学校説明会や募集要項で面接形式を確認しておきましょう。
どちらの形式であっても、準備の内容は共通です。自己紹介、志望動機、中学校生活で頑張ったこと、高校入学後の目標などを整理しておけば対応できます。
Q2. 部活動に参加していないと不利になりますか?
部活動に参加していなくても、他の取り組みで十分にアピールできます。
自己評価資料の「これまでの体験・自己PR」欄は部活動だけでなく、学習・行事・ボランティアなど幅広い活動を記入できます。
例えば、自主学習の記録を充実させる、ボランティア活動に参加する、学校行事で積極的な役割を担うなど、アピールできる取り組みは多くあります。面接では取り組みの内容よりも、その過程で何を感じ・考えたかが問われるため、一つの活動を深く振り返ることが大切です。
Q3. 塾の面接対策コースを受けるべきですか?
すべての生徒に必須というわけではなく、まずは学校と家庭での練習から始めるのがおすすめです。
塾の面接対策コースは、体系的な指導を受けられるメリットがあります。ただし、すべての生徒に必須というわけではありません。
まずは学校の面接練習や家庭での練習を試してみて、それでも不安が残る場合に塾の講座を検討するのが良いでしょう。費用面でも、無料の学校相談や地域の学習支援を活用することで、コストを抑えながら準備することも可能です。
Q4. 英語での面接もあるのでしょうか?
一部の国際科や英語科を設置する高校では、英語面接が課される可能性があります。
ただし、すべての高校で英語面接が実施されるわけではありません。
志望校の募集要項や学校説明会で、面接の詳細(使用言語や評価項目)を確認しておくことが大切です。英語面接が実施される場合でも、基本的な自己紹介や志望動機を英語で話せる程度の準備で対応できるケースが多いです。
Q5. 自己評価資料は誰がチェックしてくれますか?
中学校の担任教員が確認し、必要に応じてアドバイスをもらえます。
自己評価資料は、まず中学校の担任教員が内容を確認し、適切なアドバイスをしてくれます。記入内容が不十分な場合や、もっと詳しく書いた方が良い部分については、学校側から指導が入ることもあります。
定期的に子どもと一緒に内容を振り返り、記録の抜け漏れがないか確認しておきましょう。親子で対話しながら作成することで、より充実した資料になります。
まとめ|全員面接・自己評価資料、中学1年生からの準備が合否を左右する
2027年度から始まる埼玉県公立高校入試の変更は、保護者にとって不安を感じる部分もあるかもしれません。しかし、これは「一発勝負の学力検査」から「日々の努力を評価する仕組み」への転換であり、継続的に努力する生徒にとってはチャンスとも言えます。
面接や自己評価資料の準備は、特別な才能や高額な費用がなくても、家庭での工夫や学校のサポートを活用することで十分に対応できます。中学1年生のうちから日々の活動を記録し、親子で振り返る時間を持つことで、自然と準備が整っていきます。
今日からできることを3つ挙げます。まずはできることから始めてみましょう。
授業料無償化の追い風もあり、公立高校は再び魅力的な選択肢となっています。制度の変化に戸惑うのではなく、前向きに捉えて、お子さんの成長を支える準備を今から始めましょう。全員面接・自己評価資料への対応は、中学1年生のうちから日々を積み重ねることで、着実に力になります。
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