2026年2月20日、埼玉県教育委員会は令和8年度公立高等学校入学者選抜における最終確定志願者数を発表しました。
全日制課程の平均倍率は1.04倍と落ち着いた数字に見えますが、人気校への集中と地方・専門学科の定員割れという「二極化」は、これまでにないほど鮮明になっています。
この記事では、志願変更後の確定データをもとに、倍率上位ランキング・注目トレンド・今後の受験対策のポイントをまとめます。
※ 本記事のデータは、埼玉県教育委員会が2026年2月20日に発表した最終確定志願者数をもとにしています。倍率は小数点第3位以下を四捨五入して表示しています。首都圏他県のデータは各県教育委員会の発表および各種報道を参照しています。情報は発表時点のものであり、今後変更される場合があります。
- 最難関は大宮(理数科)の2.03倍 — 初回発表から志願者が13人減り、やや緩和されたが依然として県内トップの激戦区
- 市立校が快進撃 — 市立浦和(1.93倍)・川口市立(1.59倍)が県立上位校をしのぐ高倍率を記録
- 市立校が快進撃 — 市立浦和(1.93倍)・川口市立(1.59倍)が県立上位校をしのぐ高倍率を記録
- 定員割れが深刻化 — 普通科でも39校が1.0倍未満となり、学校間の格差が拡大
全体概況:平均1.04倍の「静かな激戦」
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 全日制の確定志願者数 | 35,976人 |
| 全日制の平均倍率 | 1.04倍 |
| 志願変更期間 | 2月13日〜16日 |
| 発表日 | 2026年2月20日 |
県全体の倍率は低く見えますが、実態は「超激戦校」と「定員割れ校」が混在する構図です。
首都圏他県(東京1.25倍・神奈川1.11倍・千葉1.11倍)と比較しても埼玉の平均は最も低く、私立高校への強固な併願戦略と都内への一定の流出が背景にあります。
倍率ランキング:普通科トップ10
市立校の躍進と「学校選択問題」採用校の安定した人気が競合するランキングになりました。
| 学校名(学科) | 確定倍率 | 志願変更前 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 市立浦和(普通) | 1.93 | 1.96 | −7人 |
| 大宮(普通) | 1.62 | 1.75 | −43人 |
| 川口市立(普通) | 1.59 | 1.61 | −4人 |
| 浦和西(普通) | 1.49 | 1.49 | ±0 |
| 市立浦和南(普通) | 1.43 | 1.43 | ±0 |
| 川越(普通) | 1.41 | 1.41 | ±0 |
| 所沢(普通) | 1.41 | 1.41 | ±0 |
| 不動岡(普通) | 1.35 | 1.35 | ±0 |
| 浦和第一女子(普通) | 1.25 | 1.25 | ±0 |
| 浦和(普通) | 1.23 | 1.34 | −41人 |
※ 大宮(普通)と浦和(普通)はともに志願変更で40人超が流出し、最終倍率が大きく緩和しました。高倍率を敬遠した「慎重なスライド」が顕著でした。
理数科・専門学科:大宮の圧倒的な存在感
理数科は全学科区分の中で平均倍率が最も高く(1.44倍)、将来のキャリアを見据えた理系志向の定着が数字にも表れています。
| 学校名(学科) | 確定倍率 |
|---|---|
| 大宮(理数) | 2.03 |
| 所沢北(理数) | 1.80 |
| 川口市立(スポーツ科学) | 1.66 |
| 芸術総合(美術) | 1.63 |
| 川口市立(理数) | 1.50 |
埼玉県の3大トレンド
「学校選択問題」が生む上位校への集中
数学・英語で難度の高い「学校選択問題」を採用しているのは県内22校。この22校の平均倍率は1.3倍超で、全県平均(1.04倍)を大きく上回っています。
「学校選択問題校かどうか」は受験生が志望校を絞り込む際の大きな分岐点となっており、上位校への志願集中を構造的に加速させています。
学習塾でも、この22校への対策カリキュラムを組む動きが年々活発化しています。
市立校の快進撃、県立上位校は苦戦
市立浦和(1.93倍)・川口市立(全学科で高倍率)・市立川越(1.29倍)など、各市の市立高校が軒並み高倍率を記録。
その背景には、ICT環境の整備・新校舎への建て替え・中高一貫化などブランド強化の成功があります。
伝統的な県立上位校(浦和・浦和一女など)の志願者を市立校が吸収する傾向が強まっており、今後も市立校の人気は続くと見られます。
専門学科・地方校の定員割れが深刻
| 学科区分 | 平均倍率 |
|---|---|
| 農業 | 0.81 |
| 工業 | 0.85 |
| 商業 | 0.91 |
農業・工業・商業のいずれも1.0倍を割り込んでいます。
さらに深刻なのが個別校の状況で、児玉(0.34倍)・上尾橘(0.46倍)・進修館 電気システム(0.28倍)など0.5倍を下回る学校も散見されます。
普通科でも39校が定員割れとなっており、学校統廃合の議論が加速する可能性があります。
首都圏4都県の倍率比較
| 都県 | 全日制平均倍率 | 最高倍率校(参考) |
|---|---|---|
| 東京都 | 1.25 | 日比谷(普通)2.06倍 |
| 神奈川県 | 1.11 | — |
| 千葉県 | 1.11 | — |
| 埼玉県 | 1.04 | 大宮(理数)2.03倍 |
平均倍率は首都圏最低の埼玉県ですが、大宮(理数)や市立浦和の競争率は他県の最難関校と比べても遜色ないレベルです。「全体は穏やか、頂点は過酷」という独特の構造が際立っています。
まとめ
1.04倍という県平均の数字だけを見て「埼玉の公立は入りやすい」と受け取ってしまうと、実際の志望校選びで大きなギャップに直面することがあります。
特に、志望校が「学校選択問題」採用校かどうかによって数学・英語の難度は大きく変わりますし、市立校はここ数年で倍率が急上昇しているケースも少なくありません。
今回のデータが示す「二極化」は、来年度以降も続いていく構造的な流れと考えられます。
受験を控えているご家庭は、ぜひ今回の確定倍率を参考に、早い段階から志望校ごとの出題傾向や過去の倍率推移を確認しておいてください。この記事が、志望校選びの一助になれば幸いです。
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