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家で勉強できないのは甘え?研究でわかった5つの原因と今日からできる解決策
勉強法HACK

2026.02.19

2026.02.19

家で勉強できないのは甘え?研究でわかった5つの原因と今日からできる解決策

この記事でわかること
  • 「家で勉強できないのは甘え」が科学的に正しくない理由
  • 「家」という場所が持つ5つの構造的な問題とその脳科学的メカニズム
  • 原因別の解決策マップ(自宅環境の改善 vs 場所を変える)
  • 中学生・高校生・受験生それぞれに合った具体的な対策と、どうしてもダメなときの判断基準

「家だと全然集中できない」「勉強しなきゃいけないのに、気づいたらスマホを触っている」――そんな自分を「甘えだ」と責めていませんか? 実はこれ、あなたの意志が弱いからではありません。

東京ガス都市生活研究所の調査では高校生(受験期を除く)の14%が自宅では全く勉強していないというデータもあり、家で集中できないのは多くの学生が経験している”普通のこと”です。

本記事では、自宅で勉強できない原因を脳科学と心理学の研究から5つに整理し、「自宅の環境を変える」「勉強する場所を変える」の2つの方向で具体的な解決策を紹介します。

まずは自分を責めるのをやめて、原因を正しく知ることから始めましょう。

監修者

古岡 秀士(ふるおか ひでし)

古岡 秀士(ふるおか ひでし)

株式会社ユナイトプロジェクト代表取締役

教育評論家。全国1万以上の教室を掲載する学習塾検索サイト「塾シル」の代表。 青山学院大学会計大学院を経て、病院・医院の検索サイトに従事。2016年、株式会社ユナイトプロジェクトを創業し「塾シル」を展開中。 本サイトでは全国の学習塾の紹介、塾選びのお役立ち情報を発信しています。

「家で勉強できない=甘え」は本当?

「家で勉強できないのは甘えだ」と自分を責めてしまう気持ち、よくわかります。

でも実は、心理学の研究では自分を責めること自体が勉強のパフォーマンスを下げることがわかっています。

「甘え」だと思い込んでしまう心理のカラクリを知ることが、解決の第一歩です。

なぜ「自分のせい」と思い込んでしまうのか

友達が遅刻したとき「あの子はだらしないな」と思ったことはありませんか? でも実際は電車が遅れていただけかもしれない。

このように、人は他人の行動の原因を「状況」よりも「その人の性格」のせいにしやすい傾向があります。心理学ではこれを「基本的帰属の誤り」と呼びます。

そして厄介なことに、この思い込みは自分に対しても働きます。「家で集中できない」「気づいたらスマホを触っている」という状況を、「自分の意志が弱いから」「甘えているから」と性格の問題にしてしまう。

でも実際には、スマホが近くにあるだけで脳のパフォーマンスが落ちたり、慣れた場所では脳が自動的にリラックスモードに入ったりと、環境的な原因が大きく関わっているのです。

自分を責めることが逆効果になる理由

心理学者バンデューラの研究によると、「自分にはできる」という感覚(自己効力感)が学習成果に大きく影響します。

「家で勉強できない自分はダメだ」と責め続けると、この自己効力感が下がり、実際のパフォーマンスまで下がるという悪循環に陥ります。

逆に、近年注目されている「セルフ・コンパッション」(自分への思いやり)の研究では、失敗したときに自分を責めるのではなく、「多くの人が経験する普通のことだ」と捉え直す方が、学業成績にポジティブな影響を与えることが示されています。

大事なのは「もっと頑張る」ことではなく、原因を正しく知って環境を変えること。次の章では、家で勉強できない具体的な原因を5つに整理します。

監修者 古岡
監修者 古岡

「もっと頑張れ」というアプローチでは根本的な解決にはなりません。自分を責めることにエネルギーを使うより、「何が原因で、どう変えればいいか」を考えることに使いましょう。原因がわかれば、対策は必ず見つかります。

家で勉強できない5つの原因

なぜ家だと集中できないのか。「家」という環境には、勉強の集中を妨げる固有の問題が5つあります。どれも意志力の問題ではなく、人間の脳の自然な反応です。

原因1:脳が「くつろぎモード」を勝手に発動する

自分の部屋に入った瞬間、なんとなくリラックスしてしまう経験はありませんか? これは心理学の「行動セッティング理論」で説明できる現象です ※6。

私たちの脳は、場所と行動を強く結びつけて記憶しています。

自室は長年「休む場所」「くつろぐ場所」として使ってきたため、そこにいるだけで脳が自動的にリラックス状態に切り替わってしまう。

学校の教室に入ると自然と授業モードになるのと同じ仕組みで、自宅では「休息モード」が発動するのです。この切り替えは意志力では簡単に上書きできません。

原因2:スマホ・ゲーム・ベッドが「手の届く距離」にある

自宅には勉強の集中を妨げる誘惑が密集しています。特にスマホの影響は深刻で、電源を切っていても視界にあるだけで脳のパフォーマンスが落ちることが約800人を対象にした実験で明らかになっています(ブレイン・ドレイン効果)。

さらに自宅にはゲーム機、マンガ、テレビ、そして何より「いつでも横になれるベッド」が手の届く範囲にある。図書館やカフェでは考えられないほど多くの誘惑が、自宅には存在しているのです。

原因3:家族の生活音が集中を途切れさせる

テレビの音、家族の会話、ドアの開閉音、洗濯機の音――家庭内の「予測できない音」は集中の大敵です。

面白いことに、カフェの一定の雑音(約70デシベル)はかえって集中を助ける場合があるという研究もあります。

しかし家庭の生活音は、音量が一定でなく、しかも意味のある情報(会話など)を含むため、脳が無意識に注意を向けてしまい、集中が途切れやすくなるのです。

原因4:「勉強モード」に切り替えるスイッチがない

学校では教室に入るだけで授業モードに切り替わりますが、家にはそのスイッチがありません。

在宅勤務の研究でも、「生活と仕事の境界が曖昧になると生産性が下がる」ことが示されています。

通学という移動は、単なる移動時間ではなく、心理的な切り替えの儀式として機能していたのです。

自宅では起床から就寝まで同じ空間で過ごすため、「今から勉強の時間」という境界を作ること自体が難しい。

原因5:一人だと「まあいいか」が起きやすい

周りに勉強している人がいると自然と集中できる――この現象を心理学では「社会的促進」と呼びます 。他者の存在が適度な緊張感を生み、パフォーマンスを上げてくれる。

逆に一人でいると、この緊張感がなくなり、「今日は疲れてるから明日にしよう」「ちょっと休憩してから…」と先延ばしが起きやすくなります。

「一人で勉強できない」のは意志の弱さではなく、人間の脳の自然な反応です。

これら5つの原因は、すべて「家」という環境に固有の問題です。原因がわかれば、それぞれに合った対策を立てることができます。

監修者 古岡
監修者 古岡

5つの原因が複合的に絡み合っているケースも多いですが、一度に全部解決しようとする必要はありません。自分の状況に最も当てはまる原因から1つ選んで対策してみることが、最初の一歩として大切です。

原因別の解決策マップ――「自宅を変える」か「場所を変える」か

5つの原因に対して、解決策は「自宅の環境を改善する」か「勉強する場所を変える」かの2方向に分かれます。

まずは自宅でできる対策から試して、それでも改善しなければ場所を変えることを検討するのがおすすめです。

自宅環境を改善する場合

原因1「くつろぎモード」への対策:勉強専用スペースを作る

脳の「行動プログラム」を書き換えるには、一つの場所を勉強だけに使うのが効果的です。勉強専用の机を決めたら、そこではゲーム、スマホ、食事など勉強以外のことは一切しない。

ベッドやテレビが視界に入らない配置にすることが重要です。どうしても同じ部屋にある場合は、布やパーテーションで遮るだけでも効果があります。照明は明るめに、室温は20〜22度が集中しやすい環境です。

原因2「誘惑物」への対策:スマホを物理的に遠ざける

最も効果が高いのは、勉強中はスマホを別の部屋に置くこと。「サイレントにしてるから大丈夫」では不十分で、視界から完全に消すことがポイントです。

より確実にしたいなら、タイムロックボックスに入れる、家族に預ける、玄関に置くなどの方法があります。最初は不安でも、2〜3日で慣れます。

原因3「生活音」への対策:音環境をコントロールする

予測できない生活音にはノイズキャンセリングイヤホンが有効です。さらに環境音アプリ(カフェの雑音や雨音など一定のリズムの音)を流すと、家庭の生活音をかき消しながら集中しやすい音環境を作れます。

家族との時間帯ルール(「19時〜21時は静かにする時間」など)を設けるのも効果的です。

原因4「切り替えスイッチ」への対策:勉強開始の儀式を作る

家には学校のような切り替えがないので、自分で作りましょう。「この服に着替えたら勉強開始」「デスクライトをつけて深呼吸3回したら開始」など、5分以内でできる簡単なルーティンを決めます。

高校生なら、帰宅後に制服のまますぐ机に向かうのがおすすめ。私服に着替えてしまうと脳がリラックスモードに切り替わってしまいます。

場所を変える場合

自宅の環境改善を1〜2週間試しても集中できない場合、または原因5「一人だと集中できない」が強い場合は、場所を変えてしまうのが最も確実です。

脳の「行動プログラム」が強制的に切り替わり、周囲に人がいることで社会的促進も働きます。

図書館・学校の自習室

まず試してほしいのが図書館や学校の自習室。無料で使えて、「場所を変えれば集中できるか」を確認するのに最適です。ただしテスト期間や受験シーズンは満席になりやすく、毎日安定して使えるとは限りません。

カフェ

適度な雑音がある環境が好みなら、カフェも選択肢の一つ。ただし長時間の利用は難しく、毎日通うとコストもかさみます。

塾の自習室

最も安定して使えるのが塾の自習室です。席が確保でき、周りの受験生がいる緊張感が集中を後押ししてくれます。図書館やカフェと違い、毎日同じ環境で勉強できる点が大きなメリット。授業を受けずに自習室だけ利用できる塾も増えています。

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場所を変えても変化がない場合は、勉強方法や体調面に原因がある可能性があります。後半で詳しく解説します。

監修者 古岡
監修者 古岡

環境改善は一度に全部やろうとせず、まず1つだけ試すのが続けるコツです。特にスマホを別室に置くのは手軽で即効性も高いので、迷ったらここから始めてみてください。

中学生・高校生・受験直前――状況別の対策

「家で勉強できない」の悩みは、年齢や状況によって背景が異なります。自分の状況に近いところから読んでみてください。

中学生の場合

自分の部屋がない・リビング学習の問題

中学生は自分の勉強部屋がなく、リビングで勉強するケースも多いです。家族のテレビの音や会話が気になる場合は、ノイズキャンセリングイヤホンの活用が効果的。また、家族に「◯時〜◯時は勉強時間」と伝えて協力してもらうだけでも環境は変わります。

親の目が近い問題

「勉強しなさい」と言われるとかえってやる気がなくなる――これは心理学で「心理的リアクタンス」と呼ばれる自然な反応です。親に「声をかけないでほしい時間帯」を伝えてみましょう。

外で勉強する選択肢

中学生が一人で使いやすいのは、学校の図書室や地域の図書館です。放課後に寄ってから帰宅する習慣を作ると、家に帰ってからは自由に過ごせるのでメリハリもつきます。

高校生の場合

部活後の疲労で集中できない問題

部活で疲れて帰宅すると、勉強に集中するのが難しくなります。ポイントは帰宅後すぐに勉強モードに入ること。「帰宅→着替え→休憩」のパターンに入ると、脳が完全にくつろぎモードに移行してしまいます。

制服のまま、または着替える前にまず30分だけ机に向かう。疲れていても短時間なら集中できますし、「今日もちゃんとやった」という達成感がその後の休憩の質も高めてくれます。

通学路を活用する

高校生にとって最も現実的な選択肢の一つが、放課後に学校の自習室や図書館に寄ってから帰宅すること。

通学路上に使える場所がないか確認してみてください。学校の自習室なら無料で、同級生がいることで社会的促進効果も期待できます。

受験直前の場合

安定した自習場所が精神安定につながる

受験期は家庭内のプレッシャーも増し、自宅にいるだけで勉強のことが頭から離れなくなりがちです。この時期こそ、毎日同じ場所・同じ時間に勉強するルーティンが精神的な安定をもたらします。

図書館は受験シーズンに満席になりやすいため、安定して使える場所の確保が重要です。塾の自習室なら席が確保でき、周囲の受験生から刺激も受けられます。

「今日は集中できない」日の対処

受験直前は「休めない」と感じやすいですが、体調が悪い日に無理をして翌日以降のパフォーマンスまで落とすのは逆効果です。

どうしてもダメな日は、英単語や一問一答など負荷の軽い内容に切り替えるだけでもOK。それすらダメなら、「今日休んで明日2時間多くやる」と考えましょう。

監修者 古岡
監修者 古岡

受験シーズンになると、図書館が満席で使えないケースも増えます。余裕のある時期から自分に合った学習場所を確保しておくと、受験直前に焦らずに済みます。自習場所探しは、早めに動くほど選択肢が広がります。

それでもダメなら――「どうしても勉強できない」ときに考えること

環境を変えても、方法を変えても集中できない場合は、もう少し広い視点で原因を考えてみましょう。

集中できない日の「休む」判断基準

体調面: 前日の睡眠が6時間未満だったり、風邪気味で体がだるかったりする日は、無理に勉強しても内容が頭に入りません。回復を優先した方が翌日の効率が上がります。

メンタル面: 友達とのトラブル、試験への不安、家族とのケンカなど、強いストレスを抱えているときに無理に机に向かっても、「やっぱり集中できなかった」という失敗体験が積み重なるだけです。

「休む=サボり」ではなく、翌日以降のパフォーマンスを上げるための戦略的な判断です。

発達特性(ADHDなど)の可能性

「いろいろ試したけど、何をやっても集中できない」という場合、ADHD(注意欠如・多動症)などの発達特性が関わっている可能性があります。

文部科学省の調査では、通常の学級に在籍する児童・生徒のうち8.8%に発達障害の可能性があると報告されており、決して珍しいことではありません。

これは努力不足や甘えとは全く異なり、脳の特性に合ったサポートが必要な状態です。「もしかして」と思ったら、一人で悩まずスクールカウンセラーや発達障害者支援センターに相談してみてください。

自分に合った学習方法が見つかることで、「できない」という悩みから解放される可能性があります。

「できない自分」を責めないことの大切さ

序盤でも触れましたが、自分を責め続けることは自己効力感を下げ、さらに勉強できなくなる悪循環を生みます。

「今日は10分だけやった。それでいい」「完璧じゃなくても、少しずつ進んでいる」――そう自分を認める姿勢が、長期的な学習継続につながります。

集中できない日があっても、それは人間として自然なことです。

監修者 古岡
監修者 古岡

「何をやってもダメ」という生徒には、まず専門家への相談を勧めています。発達特性があるとわかったことで、かえって「自分のせいじゃなかったんだ」と楽になり、自分に合った方法を見つけて成績が上がったケースを何度も見てきました。相談は恥ずかしいことではありません。

まとめ

家で勉強できないのは、甘えでも意志の弱さでもありません。

自宅には「くつろぎモードの発動」「スマホ・誘惑の密集」「家族の生活音」「切り替えスイッチの不在」「一人だと緊張感がない」という5つの構造的な原因があります。

大切なのは「もっと頑張る」ことではなく、原因に合った対策を選ぶこと。まずはスマホを別室に置く、勉強スペースを整えるなど自宅の環境改善を試してみて、それでもダメなら場所を変えてみましょう。

自分に合った環境が見つかれば、集中力は取り戻せます。

※本記事に掲載している情報は記事執筆時点のものです。料金・キャンペーンなどの最新情報は各教室にお問い合わせください。

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