- 中学生の52.4%が3級取得済み。準2級受験者が急増している理由
- 中学生の合格率が高校生を上回る「逆転現象」と合格のコツ
- 知らないと損する入試優遇制度(大阪府72点保証、私立加点など)
- いつから準備を始めるべきか?中学生が準2級を目指す最適なタイミング
「中学生で英検準2級なんて、早すぎるのではないか?」「うちの子はまだ3級も取れていないのに、周りはどんどん先に進んでいる…」お子さんの高校入試を意識し始めると、こうした不安や焦りを感じる方も多いのではないでしょうか。実は、中学生の英語学習を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。かつては「英検3級(中学卒業程度)」がゴールとされていましたが、その常識はもはや過去のものになりつつあります。
文部科学省の最新調査や日本英語検定協会のデータを詳しく見てみると、「中学生の英語力は過去最高レベルに達している」こと、そして 「意欲ある中学生は、高校生よりも英検準2級に合格しやすい」という注目すべき事実が見えてきました。この記事では、中学生の英検取得率、合格率、そして高校入試におけるメリットを解説します。
- 中学生の英検®受験が急増中!データで見る「上位級シフト」の実態
- 10年で3倍に増加。中学生の2級受験者が急増している背景
- 3級受験者が減少中。でもこれは「良いサイン」である理由
- 中学生の方が準2級の合格率が高い。その意外な理由とは
- 中学生の52.4%が3級相当以上の英語力!データで見る英語力の変化
- クラスの半数以上が3級相当以上。3級は「当たり前」の時代に
- 進学校志望なら準2級が必須。上位層の新しい基準
- 中学生の英語力が上がった2つの理由
- 準2級は無謀ではない!データが示す「合格への現実的な道筋」
- 「約2,000語のギャップ」をどう埋める?合格への具体的戦略
- 【英検対策を始めたい方へ】塾選びのポイント
- あなたの地域は?取得率に最大50ポイント超の格差
- 主要地域の取得率(令和6年度)
- 大阪府公立高校では2級で72点保証!英検®活用制度の威力
- 【重要①】準2級は公立入試で優遇されない
- 【重要②】2028年度入試からの制度変更
- 【重要③】準2級は私立高校で優遇される
- 私立高校では最大20点加算。1点で合否が決まる入試の現実
- 私立高校の優遇制度の3つの特徴
- 1点差で合否が決まる現実
- 【次のステップ】準2級?準2級プラス?2級?お子さんに最適な級は
- まとめ:今すぐ始めたい「準2級取得」が標準戦略になる理由
中学生の英検®受験が急増中!データで見る「上位級シフト」の実態
これまでの常識では、「英検準2級=高校中級程度」とされ、中学生にとっては「背伸びをして受けるもの」という認識が強かったかもしれません。しかし、最新のデータはその認識がすでに過去のものであることを示しています。
10年で3倍に増加。中学生の2級受験者が急増している背景
日本英語検定協会が公表した統合報告書(2025)によると、中学生の英検受験者数は増加の一途をたどっています。特に注目すべきは、上位級への挑戦者数の伸び率です。
2014年度から2024年度の10年間を比較すると、中学生の英検受験状況は以下のように変化しています。

【詳細データ】
| 級 | 2014年度 | 2019年度 | 2024年度 | 10年間の変化 |
|---|---|---|---|---|
| 3級 | 約55万人 | 約45万人 | 約36万人 | 減少 |
| 準2級 | 約17万人 | 約22万人 | 27万3,130人 | 1.6倍 |
| 2級 | 約3.5万人 | 約7万人 | 10万8,722人 | 3.1倍 |
| 全体 | 約110万人 | 約120万人 | 122万555人 | 約1.1倍 |
【出典】
日本英語検定協会『統合報告書 2025』(p.35)
https://www.eiken.or.jp/association/report/2025/pdf/outline21.pdf
このグラフが示す最も重要な事実は、中学生全体の受験者数は約1.1倍の緩やかな増加にとどまる一方で、2級受験者が3倍以上に急増していることです。これは、中学生英語の「二極化」と「上位層の早期化」が急速に進んでいることをはっきりと示しています。
3級受験者が減少中。でもこれは「良いサイン」である理由
グラフを見ると、これまで中学生のボリュームゾーンであった「3級」の受験者数が、10年間で約55万人から約36万人へと減少していることがわかります。
しかし、これは英語力が低下したからではありません。中学生の英語力が底上げされた結果、「3級を飛ばして準2級から受験する」あるいは「小学生のうちに3級を取得済みである」という生徒が増加し、ターゲットが上位級へ移ったためであると分析できます。
実際、小学生の英検受験者数も2014年度の約25万人から2024年度の約38万人へと1.5倍に増加しており、早期の英語教育が中学生の受験級に影響を与えていることがうかがえます。
中学生の方が準2級の合格率が高い。その意外な理由とは
さらに注目すべきは、英検準2級において「中学生の合格率が高校生を上回る」という逆転現象が見られることです。
- 小学生:40%超(帰国子女等が多いため非常に高い)
- 中学生:約38%(全体平均より高い)
- 高校生:約34%(全体平均より低い)
※ 日本英語検定協会2013年度のデータに基づく。2016年度以降、学年別・級別の詳細な合格率は非公開となっています。
一般的に、学年が上がるほど知識が増え、合格率も上がると考えられがちですが、なぜこのような逆転が起きるのでしょうか?
最大の理由は、受験する生徒の特徴にあります。
「高校入試で活用したい」「高い英語力を身につけたい」という明確な目的を持ち、塾などで対策を行った意欲的な層(選抜された層)が中心です。
学校の方針で、対策が不十分なまま強制的に受験させられる生徒(集団受験)が多く含まれます。これにより、合格率全体が押し下げられています。
つまり、「中学生だから受からない」ということはありません。むしろ、中学生で準2級に挑戦しようというご家庭は、すでに合格に近い位置にいる可能性が高いのです。
近年は中学生の英検準2級受験者数が10年前の約1.6倍に増加しており、早期取得の動きが加速しています。中学生の英検上位級への挑戦は確実に増加傾向にあります。
「中学生で準2級なんて無謀」と諦める前に、まずはこの客観的なデータを知ることが、お子様の可能性を広げる第一歩となります。
次章では、実際にどのような対策で合格を勝ち取るのか、詳しく解説していきます。
【出典】
日本英語検定協会『統合報告書 2025』
https://www.eiken.or.jp/association/report/2025/pdf/outline21.pdf
日本英語検定協会『データで見る英検〜小・中・高校生の英語力向上の状況』
https://www.eiken.or.jp/association/info/2025/pdf/20250808_ol21_column06.pdf
※注記:2016年度以降、日本英語検定協会は学年別・級別の詳細な合格率を 非公開としているため、最新の正確な数値は公表されていません。
「周りが次々と準2級に挑戦している」と焦りを感じる保護者の方も多いでしょう。しかし、これは競争激化ではなく、お子様の英語力を伸ばす絶好のタイミングが来たということです。グラフが示すように、上位級へのシフトは確実に進んでいます。焦らず、お子様に合った準備を始めましょう。
中学生の52.4%が3級相当以上の英語力!データで見る英語力の変化
まずは、全国の中学生全体の中で、どれくらいの割合の生徒が英検を取得しているのか、 文部科学省の調査結果をもとに見ていきましょう。 ここで注目すべきは「3級はもはや標準装備」という事実です。
クラスの半数以上が3級相当以上。3級は「当たり前」の時代に
文部科学省が毎年実施している「英語教育実施状況調査(令和6年度)」によると、 全国の公立中学校3年生のうち、英検3級相当以上(CEFR A1レベル以上)の 英語力を有する生徒の割合は 52.4% でした。
※この数値は「英検3級以上を取得した生徒」と「教員が相当する力があると判断した生徒」の合計です。
これは、クラスの半数以上が「中学卒業程度の英語力」をすでにクリアしていることを意味します。 5年前の令和元年度(2019年)の調査結果が44.0%であったことと比較すると、 この5年間で8.4ポイントも上昇しており、中学生の英語レベルが確実に底上げされていることがわかります。

5年間の取得率推移(全国平均)
| 年度 | 取得率 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 令和元年度(2019) | 44.0% | – |
| 令和3年度(2021) | 47.0% | +3.0pt |
| 令和4年度(2022) | 49.2% | +2.2pt |
| 令和5年度(2023) | 50.0% | +0.8pt |
| 令和6年度(2024) | 52.4% | +2.4pt |
※令和2年度(2020)は新型コロナウイルス感染症の影響により調査中止
このデータが示しているのは、「英検3級を持っていること」は、 高校入試において「プラスのアピール材料」にはなりにくくなっているという現実です。 半数以上が持っている資格は、もはや「持っていて当たり前(前提条件)」となりつつあります。
【出典】
文部科学省 令和6年度「英語教育実施状況調査」概要
https://www.mext.go.jp/content/20250623-mxt-kyouiku01-000042425_1.pdf
進学校志望なら準2級が必須。上位層の新しい基準
第1章で見たように、中学生の英検受験は10年間で「上位級シフト」が急速に進んでいます。特に注目すべきは、準2級・2級受験者の急増です。
文部科学省が目標とする「中学卒業段階でA1レベル(3級相当)」という基準は、多くの中学生にとって通過点に過ぎなくなっています。特に進学校を目指す層においては、英検準2級以上の取得が実質的な競争ラインになっていると言えるでしょう。
実際、大阪府の公立トップ校(文理学科)や、首都圏の難関私立高校では、合格者の多くが準2級以上を取得しています。「3級で十分」という時代は終わり、準2級は「持っていて当然」、2級は「差をつける武器」という新しい基準が生まれつつあるのです。
中学生の英語力が上がった2つの理由
この急速なレベルアップの背景には、小学校英語の教科化と、中学校の教科書改訂があります。現在の学習指導要領では、中学校で扱う語彙数が従来の1,200語程度から1,600〜1,800語程度へと大幅に増加しました。
かつての高校内容の一部(仮定法など)が中学校に降りてきたことで、学校の授業にしっかりついていくだけでも、以前より高い英語力が身につく環境になっています。これに加え、小学生時代から英会話や塾に通う早期教育層が中学生になり、統計全体の数値を押し上げている側面もあります。
【出典】
文部科学省 令和5年度「英語教育実施状況調査」概要
https://www.mext.go.jp/content/20240527-mxt_kyoiku01-000035833_1.pdf
文部科学省 令和元年度「英語教育実施状況調査」
https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043.htm
「うちの子だけ遅れているのでは…」という不安をお持ちの方もいるかもしれません。しかし大切なのは、周りと比べることではなく、お子様のペースで確実にステップアップすることです。中2からの準備でも十分に間に合います。
準2級は無謀ではない!データが示す「合格への現実的な道筋」
「うちの子も準2級に挑戦させたいけれど、中学生で合格するのは相当難しいのでは…?」こうした不安を抱える保護者の方は少なくありません。確かに、英検準2級は「高校中級程度」のレベルとされており、中学生にとってはハードルが高く感じられるのも当然です。
しかし、第1章で見たように、過去のデータ(2013年度)では意欲的に準備した中学生受験者の合格率は約38%であり、高校生の集団受験(約34%)を上回っていました。近年は中学生の受験者数が10年前の約1.6倍に増加しており、適切な対策を行えば、中学生でも十分に合格を狙える環境が整っています。
つまり、「中学生だから受からない」ということはありません。むしろ、中学生で準2級に挑戦しようというご家庭は、すでに合格に近い位置にいる可能性が高いのです。
では、実際にどのような戦略で合格を勝ち取るのか、詳しく見ていきましょう。
「約2,000語のギャップ」をどう埋める?合格への具体的戦略
準2級合格への最も大きな壁は、「語彙力(単語数)」です。では、実際にどれくらいのギャップがあるのでしょうか。

英検準2級合格に必要な力
| 項目 | 単語数 |
|---|---|
| 英検準2級に必要な単語数 | 約3,600〜4,000語 |
| 中学校で習う単語数 | 約1,600〜1,800語 |
| ギャップ(埋めるべき単語数) | 約2,000語 |
【出典】
日本英語検定協会 各級の目安
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/about/
文部科学省 中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 外国語編
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_010.pdf
英検準2級合格のためには、この「約2,000語のギャップ」を埋める必要がありますが、学校の教科書だけではカバーしきれません。しかし、合格している中学生たちは、以下の2つの戦略でこの壁を突破しています。
【戦略1】ライティング(英作文)での得点稼ぎ
英検の合否判定には「CSEスコア」が用いられますが、リーディング、リスニング、ライティングの配点は均等です。語彙力が直結するリーディングで多少点数を落としても、準備がしやすいライティングで満点近くを取れば、十分に合格ラインに到達します。中学生合格者の多くは、「型(テンプレート)」を徹底的に練習することで、ライティングを得点源にしています。
具体的例:
これらの「型」を身につけることで、語彙力のハンデを補うことができます。
【戦略2】S-CBT方式の活用
従来の日程(年3回)に加え、毎週土日に受験できる「英検S-CBT」の普及も合格を後押ししています。部活動や定期テストで忙しい中学生にとって、自分の都合の良い日程で受験できるメリットは非常に大きいです。
また、万が一不合格でもすぐに再挑戦できるため、入試までの限られた期間内に合格を目指すことが可能になりました。1回目の受験を「実力試し」と位置づけ、弱点を把握してから2回目で本気で合格を狙う、こうした戦略的な受験も可能です。
【英検対策を始めたい方へ】塾選びのポイント
「準2級対策を始めたいけれど、独学では不安…」「ライティングの型を教えてくれる塾を探したい」「2,000語の単語をどう覚えればいいかわからない」こうした方には、英検対策に特化した塾の活用がおすすめです。以下の記事では、英検対策に強い塾の選び方や、おすすめの塾13選を詳しく解説しています。
【出典】
日本英語検定協会『統合報告書 2025』
https://www.eiken.or.jp/association/report/2025/pdf/outline21.pdf
日本英語検定協会『データで見る英検〜小・中・高校生の英語力向上の状況』
https://www.eiken.or.jp/association/info/2025/pdf/20250808_ol21_column06.pdf
文部科学省 中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 外国語編
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_010.pdf
「準2級なんてうちの子には難しすぎる」と諦める必要はありません。適切な対策と計画的な準備があれば、多くの中学生が合格しています。英検指導の経験豊富な塾を選ぶことで、合格への道は確実に近づきます。
あなたの地域は?取得率に最大50ポイント超の格差
英検は、お住まいの地域によって、周りの取得状況には大きな差があることに注意が必要です。文部科学省のデータ(令和6年度)を見ると、英検3級相当以上の取得率には顕著な地域差が存在します。

主要地域の取得率(令和6年度)
取得率が特に高い地域:
取得率が平均を下回る地域:
【出典】
文部科学省 令和6年度「英語教育実施状況調査」概要
https://www.mext.go.jp/content/20250623-mxt-kyouiku01-000042425_1.pdf
例えば、さいたま市や福井県のような教育熱心なエリアでは、クラスの大半が3級以上を持っているため、準2級がないと「埋もれてしまう」可能性があります。
一方で、神奈川県(41.1%)や大阪府(47.8%)、新潟市(34.5%)のように、まだ半数に達していない地域もあります。お住まいの地域の状況を把握することで、より現実的な目標設定ができるでしょう。
大阪府公立高校では2級で72点保証!英検®活用制度の威力
全国的に英検の取得率が上昇する中、高校入試でも英検が大きなアドバンテージになっています。特に大阪府では、公立高校入試において英検の資格が「点数保証制度」として活用されており、2級保有者は最低72点(80%換算)、準1級・1級保有者は90点満点が保証されます。

このグラフが示すように、英検2級を取得するだけで、英語が苦手な生徒でも72点(80%)が確保できます。これは、英語試験で失敗するリスクを大幅に減らす「セーフティネット」として機能します。
さらに、英検準1級・1級を取得すれば英語は90点満点扱いとなり、事実上英語試験が免除されるのと同じ効果があります。これにより、他の教科に集中できるという大きなメリットが生まれます。
【重要①】準2級は公立入試で優遇されない
大阪府公立高校入試において、英検準2級以下は点数保証の対象外です。換算が適用されるのは2級以上のみとなります。
大阪府公立高校入試・英検換算制度(2025年度)
| 英検級 | 換算率 | 保証点数(90点満点) |
|---|---|---|
| 準1級・1級 | 100% | 90点(満点) |
| 2級 | 80% | 72点 |
| 準2級以下 | 対象外 | 保証なし |
【出典】
令和7年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項
https://www.pref.osaka.lg.jp/o180040/kotogakko/gakuji-g3/r07_jisshiyoko.html
つまり、公立高校のトップ校(文理学科など)を目指す場合、準2級では不十分であり、2級以上の取得が実質的な必須条件となっているのです。
実際、文理学科の合格者のうち過半数が英検2級以上を取得しており、近年その割合はさらに上昇しています。「準2級まで取ったから安心」ではなく、「2級を目指す」という明確な目標設定が重要です。
【重要②】2028年度入試からの制度変更
令和10年度(2028年度)入試から、英検2級の換算率が80%→70%に引き下げられることが決定しています。
2028年度以降の換算制度(予定)
| 英検級 | 現行(2027年度まで) | 2028年度以降 | 変更内容 |
|---|---|---|---|
| 準1級・1級 | 90点(100%) | 90点(100%) | 変更なし |
| 2級 | 72点(80%) | 63点(70%) | -9点 |
これは、2025年現在の中学2・3年生にとって、現行制度(2級=72点)を活用できる”最後のチャンス”であることを意味します。早めの取得を強くおすすめします。
【重要③】準2級は私立高校で優遇される
ただし、「準2級が無駄」というわけではありません。私立高校では準2級でも十分に優遇されるケースが多数あります。
私立高校における英検優遇の例
重要なポイント:
次章では、私立高校の具体的な優遇制度について詳しく見ていきます。
私立高校では最大20点加算。1点で合否が決まる入試の現実
公立高校の英検優遇制度を見てきましたが、私立高校でも英検の取得は大きなアドバンテージになります。ただし、公立と私立では優遇制度の「仕組み」が異なるため、両方を理解しておくことが重要です。

この比較表が示すように、公立は”点数保証(2級以上のみ)”、私立は”加点または授業料免除(準2級から)“という違いがあります。どちらの進路を選ぶにしても、英検の取得が入試で有利に働くことは間違いありません。
私立高校の優遇制度の3つの特徴
1. 加点方式:最大20点のアドバンテージ
多くの私立高校では、英検の級に応じて入試得点に加算されます。
例えば、入試で250点だった場合、英検2級を持っていれば最大270点として扱われるため、合格ボーダーを超える可能性が格段に上がります。
2. 授業料免除:経済的メリットも大きい
一部の私立高校では、英検2級以上の取得者に対して3年間の授業料が全額または一部免除される制度があります。これは家庭にとって大きな経済的メリットです。
3. 学校ごとの差:志望校の制度を必ず確認
公立高校の制度は統一されていますが、私立高校の優遇内容は学校により大きく異なります。そのため、志望校の公式サイトや入試要項で必ず確認することが重要です。
1点差で合否が決まる現実
私立高校入試では、合格ボーダーライン上で多くの受験生がひしめき合っているのが実態です。例えば、ある人気私立高校では:
このような状況で、英検による10-20点の加算は、まさに”合否を分けるアドバンテージ”と言えます。英語が得意な生徒はもちろん、苦手な生徒ほど、この加点制度を積極的に活用することをおすすめします。
公立・私立を問わず、英検は高校入試で確実に有利になる”最強の武器”です。ただし、公立トップ校を目指すなら2級以上が実質必須であり、準2級では優遇されません。一方、私立高校では準2級から優遇されるため、志望校に応じた戦略的な級選びが重要です。
【出典】
令和7年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項
https://www.pref.osaka.lg.jp/o180040/kotogakko/gakuji-g3/r07_jisshiyoko.html
【次のステップ】準2級?準2級プラス?2級?お子さんに最適な級は
準2級を目指す方が増える一方で、 「準2級プラスはどう考えればいい?」「実力があるなら2級まで狙うべき?」と迷う保護者の方も少なくありません。英検の級選びは、志望校の優遇制度と受験までの残り時間を踏まえた判断が重要です。
以下の記事では、高校受験で英検を有利に使うための 級の選び方と準2級プラスと2級の考え方を、わかりやすく解説しています。
お住まいの地域によって、英検の優遇措置は大きく異なります。志望校の入試要項は必ずチェックしましょう。「知らなかった」で後悔しないよう、なるべく早いうちから情報収集を始めることをおすすめします。
まとめ:今すぐ始めたい「準2級取得」が標準戦略になる理由
この記事では、中学生の英検準2級・2級取得の実態を詳しく解説しました。明らかになったのは、中3の過半数(52.4%)が英検3級相当以上を取得しており、3級はもはや差別化要因にならないということです。そして過去10年で準2級受験者は1.6倍、2級受験者は3.1倍に急増し、上位級へのシフトが顕著になっています。
さらに注目すべきは、意欲的に準備した中学生受験者が高い合格率を達成している事実です。これは、明確な目的を持って対策を行う中学生の「本気度」が高いためであり、決して準2級・2級が中学生にとって無謀な挑戦ではないことを示しています。
加えて、大阪府公立高校では2級で72点、準1級で90点が保証され(準2級は対象外)、私立高校では準2級から優遇され10〜20点の加点があるなど、入試における優遇措置は無視できません。公立トップ校を目指すなら2級以上が実質必須であり、私立志望でも準2級以上の取得が戦略的に重要です。
これらの事実が示すのは、中学生で英検準2級・2級を目指すことは、現代の高校入試を有利に戦うための「標準戦略」になりつつあるということです。「うちの子にはまだ早い」と考えるのではなく、「今から準備を始めれば十分に間に合う」という前向きな視点で、お子様の英語学習をサポートしていきましょう。
※本記事に掲載している情報は記事執筆時点のものです。料金・キャンペーンなどの最新情報は各教室にお問い合わせください。