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中学受験おすすめ塾14選!中学受験は塾選びが合格のカギ
塾の選び方

2025.11.13

2025.11.26

中学受験おすすめ塾14選!中学受験は塾選びが合格のカギ

この記事でわかること
  • 塾に通い始める時期と塾探しを始めるタイミング
  • 年間100万円超え!?3年間の費用総額と内訳
  • 大手4塾おすすめ10塾の特徴・費用・合格実績の比較
  • 志望校レベル・性格から見るお子さまに合う塾
  • 候補が決まったら確認すべき9つのチェックポイント

「うちの子にはどの塾が合っているんだろう?」

中学受験を考え始めたとき、まず悩むのが塾選びです。SAPIX、四谷大塚、早稲アカ、日能研…有名な塾はたくさんありますが、それぞれの違いがわかりにくいと感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。

中学受験の塾には、3年間で200~300万円ほどの費用がかかることもあります。決して小さな金額ではないからこそ、お子さまに合った塾を慎重に選びたいですよね。

この記事では、そんな保護者の方のために、中学受験の塾選びで知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。

費用の比較はもちろん、それぞれ塾の特徴や、お子さまの性格・学力に合わせた選び方まで、実際に役立つ情報をまとめました。

監修者

古岡 秀士(ふるおか ひでし)

古岡 秀士(ふるおか ひでし)

株式会社ユナイトプロジェクト代表取締役

教育評論家。全国1万以上の教室を掲載する学習塾検索サイト「塾シル」の代表。 青山学院大学会計大学院を経て、病院・医院の検索サイトに従事。2016年、株式会社ユナイトプロジェクトを創業し「塾シル」を展開中。 本サイトでは全国の学習塾の紹介、塾選びのお役立ち情報を発信しています。

いつから塾に通い始める?

「中学受験を考えているけど、いつから塾に通わせればいいの?」

これは、多くの保護者の方が最初に抱く疑問ではないでしょうか。一般的には小学3年生の2月からの入塾が多いですが、お子さまの学力や志望校のレベルによって、最適な開始時期は異なります。

この章では、中学受験塾に通い始めるタイミングと、塾探しを始める時期について、わかりやすく解説します。

中学受験の学習開始時期やスケジュールについて、より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

一般的な開始時期は「小学3年生の2月」

多くの大手進学塾では、この時期から本格的な中学受験カリキュラムがスタートします。基礎から応用まで段階的に学べるため、比較的余裕を持って志望校対策に取り組むことができるでしょう。

最難関校を目指す場合は「低学年のうちから」

最難関校を目指す場合や、早めに学習習慣をつけたい場合は、小学2年生頃から通塾を開始することをおすすめします。ただし、低学年のうちは学習習慣の確立と基礎学力の土台づくりに重点を置くことが大切です。

小学4年生以降でも間に合う?

小学4年生や5年生から始める場合でも、適切な対策を行えば十分間に合います。ただし、カリキュラムの途中からの参加となるため、お子さまの現在の学力と志望校のレベルに合わせて、個別指導の併用なども検討しておくと安心です。

塾探しを始める時期

中学受験の塾探しは入塾予定時期の3〜6ヶ月前から始めるのがおすすめです。例えば、「新小学4年生(小学3年生の2月)からの入塾」を考えている場合、小学3年生の秋頃から塾探しを始めるとスムーズでしょう。

塾探しの具体的なステップ

多くの中学受験塾では、2月から新学年がスタートします。小学3年生の2月(新小学4年生)に入塾する場合の例で見てみましょう。

時期やることポイント
9〜10月
(入塾4〜6ヶ月前)
情報収集を開始・候補となる塾の資料請求
・ホームページで指導方針や費用を確認
・口コミや評判のリサーチ
11〜12月
(入塾3〜4ヶ月前)
絞り込みと見学・3〜5校程度に候補を絞り込む
・各塾に見学や説明会の予約
・実際に校舎を訪問して雰囲気を確認
12月〜1月
(入塾2〜3ヶ月前)
体験授業への参加・候補の塾すべてで体験授業を受講
・お子さまの反応や講師の質を確認
・通塾時間や安全面を実際に確認
1〜2月
(入塾1〜2ヶ月前)
最終判断と手続き・お子さまと相談して最終決定
・面談で細かい点を確認
・入塾手続きを完了

このように、段階的に進めることで、焦らず冷静に塾を選ぶことができます。

※すでに小学4年生や5年生の場合は、時間的な余裕が少ないため、早めに行動を開始することが大切です。

気になる塾が複数ある場合は、まず資料請求をして情報を集めることから始めましょう。体験授業にも積極的に参加して、できるだけ早く検討しておくことをおすすめします。

中学受験塾の費用、実際いくらかかる?

塾に通う時期が見えてきたら、もう一つ大切なのが費用の把握です。

パンフレットには月謝しか書いていないことが多いですが、実際には入会金、教材費、季節講習費、模試代、合宿費など、さまざまな費用がかかります。

入塾してから「こんなにかかるなんて聞いてない!」と驚くことのないよう、この章では塾の費用の内訳と年間総額の目安を詳しく解説します。

集団塾の費用内訳と年間総額

集団指導塾では、月謝以外にも、季節講習等にかかる講習費が大きな割合を占めています。

月謝だけを見ると手頃に感じても、合計すると、小学6年生で年間90~120万円、3年間で200~300万円程度になることも珍しくありません。

集団塾だから安いとは限らない点に注意が必要です。

基本費用
  • 入会金:2~5万円(多くの塾で設定)
  • 月謝:小4で2~4万円、小5で3~5万円、小6で4~7万円
  • 教材費:年間3~8万円(学年・科目数により変動)
  • 設備費・維持費:月額1,000~3,000円
追加費用
  • 春期講習:5~15万円
  • 夏期講習:15~35万円(小6は特に高額)
  • 冬期講習:8~20万円
  • 正月特訓:3~8万円
  • 模試代:年間5~10万円
  • 合宿費:5~15万円(参加する場合)
  • 個別補習:1回5,000~15,000円

個別指導塾の費用内訳と年間総額

個別指導塾は集団塾とは異なる費用体系です。月謝は基本的にコマ単位で計算され、1対1指導の場合、1コマ(90分)あたり8,000~15,000円が目安となります。

週2回塾に通うと仮定した場合、月額6~12万円の負担となります。年間総額は受講コマ数により大きく変わりますが、週2回の通塾の場合、小学6年生で年間80~150万円程度となります。

基本費用
  • 入会金:2~5万円
  • 月謝:1コマあたり8,000~15,000円×コマ数(週2回で月額6~12万円)
  • 教材費:年間2~5万円
  • 管理費:月額2,000~5,000円
追加費用
  • 季節講習:受講した分だけ(選択制が多い)
  • 模試代:年間3~8万円
監修者 古岡
監修者 古岡

塾の費用は、お子さまの成長と志望校合格のための大切な投資です。費用だけで判断するのではなく、学習効果と費用のバランスを考えて、計画的に準備することが大切です。わからない費用項目があれば遠慮せず質問して、納得してから入塾を決めてくださいね。

どの塾を選ぶ?大手4塾とおすすめ塾10塾を徹底比較

費用感がつかめたところで、いよいよ塾選びです。

「やっぱり大手4塾から選んだ方がいい?」「うちの子には個別指導の方が合っているかも?」——そんな疑問をお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。

SAPIX、四谷大塚、早稲田アカデミー、日能研の大手4塾はどれも高い合格実績を持っていますが、教育方針は大きく異なります。

また、お子さまの性格や学習スタイルによっては、大手以外の塾の方が合っていることもあります。

この章では、大手4塾から個別指導・少人数制の塾まで、幅広い選択肢を比較しながら、お子さまに合った塾を見つけるためのポイントをお伝えします。

この記事では首都圏の塾を中心にご紹介していますが、関西地域では浜学園・希学園・馬渕教室など、地域に根ざした実績豊富な塾があります。関西で塾をお探しの方はこちらの記事もご参照ください。

大手4塾(SAPIX、四谷大塚、早稲アカ、日能研)の比較

大手4塾は、それぞれはっきりとした特色があります。「有名だから」という理由だけで選ぶと、お子さまに合わずに後悔してしまうこともあります。まずは一覧表で全体像を把握し、続いて項目別にそれぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

項目SAPIX四谷大塚早稲田アカデミー日能研
3年間総額約258〜313万円約208〜236万円約219〜254万円約173〜193万円
小6月額約66,000円約53,900円約51,700円約31,350円
入会金33,000円22,000円22,000円22,000円
御三家合格実績(2024年度)開成236名
麻布168名
桜蔭188名
開成81名
麻布60名
桜蔭61名
開成117名
麻布64名
桜蔭54名
開成40名
麻布38名
桜蔭36名
御三家占有率約50%約17%約25%約8%
指導方針復習主義・討論型授業予習主義・体系的学習復習主義・熱血指導系統学習・思考力重視
教材オリジナルプリント(当日配布)予習シリーズ(テキスト)四谷大塚準拠(テキスト)オリジナルテキスト
クラス編成α(偏差値56以上)
α1(偏差値65以上)
S(55以上)
C(45〜54)
B(35〜44)
A(34以下)
SS(最上位)
S(上位)
基本クラス
W(最上位)
G(上位)
R(標準)
M(基礎)
A(導入)
テスト頻度毎月の組み分けテスト週テスト+5週ごとの組み分けテスト定期的な組み分けテストカリテ(学習力育成テスト)
保護者負担度高(プリント管理必須)中(予習サポート必要)中(NNコース送迎必要)低(自立学習可能)
志望校別コースなし(通常授業内で対応)ありNN(必勝)コース(日曜開講)あり

SAPIX(サピックス):最難関校特化の討論型授業

参考:SAPIX小学部公式サイト(https://www.sapientica.com/)

SAPIXは御三家合格者の約50%を占める圧倒的な合格実績を誇る塾です。

授業当日に配布されるオリジナルプリント教材を使い、予習は不要で「授業→復習」の循環で学習を進める「復習主義」を採用しています。講師による一方的な指導ではなく、お子さま同士の議論を促し、多角的な思考プロセスを育成する「討論型授業」が特徴です。

毎月の組み分けテストで常に競争環境が維持され、αクラス(偏差値56以上)、α1クラス(偏差値65以上)を目指して切磋琢磨します。

一方で、大量のプリントの整理や学習管理は保護者のサポートが欠かせません。費用も4大塾で最も高めの水準です。

  • すでに基礎学力が高く応用問題にも対応できる
  • 競争環境でやる気が出る
  • 授業で積極的に発言できる
  • 最難関校を本気で目指している
  • 保護者がプリント管理をサポートできる

四谷大塚:予習シリーズによる体系的学習

参考:四谷大塚公式サイト(https://www.yotsuyaotsuka.com/)

四谷大塚は「予習シリーズ」という独自教材を軸とした体系的なカリキュラムで知られています。

「予習主義」を採用し、お子さまは事前に予習シリーズで新しい単元を学習してから授業に臨みます。授業では予習内容の確認と演習問題の解説が中心で、週テストと5週に1度の組み分けテストで学習が身についているかを確認します。

クラスはS/C/B/Aコースに分かれ、中堅校から最難関校まで幅広い志望校に対応できる汎用性の高さが魅力です。保護者には家庭での予習サポートが求められます。

  • 計画的に勉強する習慣を身につけたい
  • 基礎からコツコツ積み上げていきたい
  • 落ち着いた環境で学習したい
  • 中堅校から難関校まで幅広く検討している

早稲田アカデミー:熱血指導でやる気を引き出す

参考:早稲田アカデミー公式サイト(https://www.waseda-ac.co.jp/)

早稲田アカデミーは「本気でやる子を育てる」をスローガンに掲げ、熱血指導で知られる塾です。

講師はお子さま一人ひとりに声をかけ、励ましながら学習意欲を引き出します。「必勝志望校別コース(NNコース)」では開成・麻布・武蔵・桜蔭・女子学院・雙葉などの最難関校に特化した専門指導を実施し、御三家合格者の約25%が早稲アカ生です。

保護者面談や学習相談が充実した手厚いサポート体制も特徴で、NNコースは日曜日開講のため送迎が必要になります。

  • 先生に励ましてもらうとやる気が出る
  • 基礎学力はあるが学習習慣が安定していない
  • 競争よりもみんなで頑張る雰囲気が好き
  • 手厚くサポートしてほしい

日能研:思考力重視でリーズナブル

参考:日能研公式サイト(https://www.nichinoken.co.jp/)

日能研は「シカクいアタマをマルくする」のキャッチフレーズで知られ、思考力と創造性の育成に重点を置いた指導を行っています。

暗記に頼らず「なぜそうなるのか」を考えさせる「系統学習」が特徴で、宿題の量は他の大手塾と比較して少なめです。

クラスはW/G/R/M/Aの5段階に分かれ、幅広い学力層に対応しています。中堅校への豊富な合格実績があり、自分で学習できる環境も整っています。

4大塾の中で最もリーズナブルな料金設定で、保護者の方の負担も少ないのも魅力です。

  • じっくり考えることが好きなタイプ
  • 自分のペースで学習を進めたい
  • 中堅校を志望している
  • 宿題をする時間がとりにくい

費用で比較

費用面では日能研が最も抑えられており、SAPIXは最も高額です。ただし、費用だけでなく合格実績や指導方針とのバランスで判断することが大切です。

3年間総額(小4〜小6)
  • 日能研:約173〜193万円 ← 最もリーズナブル
  • 四谷大塚:約208〜236万円
  • 早稲田アカデミー:約219〜254万円
  • SAPIX:約258〜313万円 ← 最も高額

合格実績で比較

御三家合格実績ではSAPIXが約50%、早稲田アカデミーが約25%と上位を占める一方、日能研は中堅校への豊富な合格実績に強みがあります。

2024年度御三家合格実績
  • SAPIX:御三家合格者の約50%を占める圧倒的な実績。最難関校を目指すなら有力な選択肢。
  • 早稲田アカデミー:御三家合格者の約25%。NNコースで最難関校対策が充実。
  • 四谷大塚:開成81名、麻布60名、桜蔭61名と、中堅〜最難関まで幅広く対応。
  • 日能研:御三家実績は他3塾より少ないが、中堅校への豊富な合格実績が特徴。

指導方針とカリキュラムで比較

指導方針は塾ごとに大きな違いがあります。予習主義の四谷大塚、復習主義のSAPIX・早稲アカ、思考力重視の日能研とそれぞれ特色があります。

予習主義 vs 復習主義
  • 予習主義(四谷大塚):家庭で予習シリーズを学習してから授業に臨む。自ら考える力を育成。保護者の予習サポートが必要。
  • 復習主義(SAPIX、早稲アカ):授業で新しい内容を学び、家庭で復習。SAPIXは討論型授業で思考力を養成、早稲アカは熱血指導でモチベーションを高める。
  • 系統学習(日能研):思考力重視で「なぜそうなるのか」を考えさせる指導。宿題量が少なめで学習の質を重視。
教材の違い
  • SAPIX:授業当日配布のオリジナルプリント。予習不要だが、プリント管理が大変。
  • 四谷大塚:「予習シリーズ」を使用。全国の準拠塾でも採用される定番テキスト。
  • 早稲アカ:四谷大塚の教材を準拠して使用。
  • 日能研:オリジナルテキストで系統的に学習。
監修者 古岡
監修者 古岡

4大塾にはそれぞれはっきりとした特色があります。『合格実績がいいから』という理由だけで選ぶと、お子さまに合わずにうまくいかないこともあります。塾の特徴とお子さまの性格・学習スタイルをしっかり照らし合わせることが大切です。体験授業で雰囲気を確かめながら、お子さま自身がどう感じたかも大切にしてあげてください。

大手4塾以外が合うケース

中学受験といえば大手4塾を真っ先に思い浮かべる保護者の方が多いですが、すべてのお子さまに大手4塾が合っているとは限りません。

以下のようなケースでは、大手4塾以外の選択肢も検討してみると、お子さまにぴったりの環境が見つかるかもしれません。

集団授業のペースについていけない・ついていけるか不安な場合

大手4塾は基本的に集団授業形式で、あらかじめカリキュラムが決まっており授業のペースも一定です。理解が追いつかない単元があっても、授業はそのまま先に進んでしまうこともあります。

個別指導の塾であれば、お子さまのペースに合わせて丁寧に指導してもらえるため、理解を深めながら着実に学力を伸ばせます。

  • 完全1対1の個別指導:TOMAS、個別教室のトライ
  • 大手塾併用に特化:SS-1(大手塾のカリキュラムを熟知し、弱点を効率的に補強)

競争環境がプレッシャーになる・マイペースに学びたい場合

大手4塾では、毎月の組み分けテストやクラス分けなどが実施されるため、常に競争環境の中で学ぶことになります。

このような環境が励みになってやる気が出るお子さまもいますが、逆にプレッシャーになって自信を失ってしまうお子さまもいるので注意が必要です。

そのようなお子さまには少人数制や個別指導がおすすめです。過度な競争環境を避けながら、一人ひとりのペースで学習を進めることができます。

  • 少人数制の塾:栄光ゼミナール(10名程度)、市進学院(めんどうみ主義)
  • 個別指導塾:TOMAS、個別教室のトライ

大手塾に通っているが特定科目で伸び悩んでいる場合

大手塾に通っていても、特定の科目だけがどうしても伸びない、苦手な単元を克服できないといった悩みも珍しくありません。

そんなお子さまにはメインは大手塾、苦手科目だけ個別指導という組み合わせが効果的です。

大手塾の併用に強みがある個別指導塾では、大手塾のカリキュラムを理解している講師が、お子さまの弱点を効率的にフォローします。

  • 大手塾併用に特化:SS-1(SAPIX、四谷大塚、早稲アカ、日能研のカリキュラムを熟知)
  • 個別指導との併用:TOMAS、個別教室のトライ

最難関校・難関校を目指すわけではなく、お子さまに合った学校選びを重視したい場合

「御三家」や「最難関校」を目指すのではなく、お子さまの性格や興味に合った中堅校を目指す場合、大手4塾の厳しい競争環境や高額な費用は必ずしも必要ではありません。

お子さまに合った学校選びをサポートしてくれる塾を選ぶことで、無理のない受験対策ができるでしょう。

  • 少人数制できめ細かいサポート:栄光ゼミナール、市進学院
  • 費用を抑えつつ受験対策:臨海セミナー(四谷大塚YTnet提携で質の高い教材)

大手塾の教室がなく通塾圏外の場合

地方在住や、大手塾の教室が近くにない場合、通塾に片道1時間以上かかってしまうこともあります。お子さまの負担が大きくなりすぎないよう気をつけたいところです。

地域の塾でも四谷大塚のカリキュラムを使用している塾なら、質の高い教材で学習することができます。

また近くに中学受験に対応した塾がない場合はオンライン指導も検討してみてください。

  • 四谷大塚準拠の地域塾:臨海セミナーなど(予習シリーズを使用)
  • オンライン授業・映像授業:東進オンライン学校、スタディサプリなど
監修者 古岡
監修者 古岡

『中学受験=大手4塾』と考えがちですが、お子さまの性格や状況によっては、他の選択肢の方が合っている場合もあります。大切なのは『どの塾が有名か』ではなく『うちの子に合っているか』という視点です。大手4塾にこだわらず、お子さまに合った学習環境を探してみてください。

おすすめの塾10選

大手4塾以外にも特色のある塾がたくさんあります。ここでは10の塾を取り上げ、基本情報から独自の強み、どういったお子さまに合うかまで詳しく解説していきます。

お子さまの性格や学習ニーズに合わせて、大手塾以外の選択肢も含めて検討してみてください。

塾名指導形式入会金月額目安
(小6)
年間費用目安
(小6)
特徴
個別指導のSS-1個別指導
(1対1)
27,500円要問合せ要問合せ大手塾併用特化、最短で成績向上
進学個別指導塾TOMAS個別指導
(1対1)
27,500円要問合せ80~150万円程度完全1対1・個室指導、志望校別カリキュラム
早稲田アカデミー個別進学館個別指導
(1対1/1対2)
22,000円26,000円~40,000円35~50万円程度
(週1回)
早稲アカの合格ノウハウを個別で展開
東京個別指導学院個別指導
(1対1/1対2)
無料要問合せ要問合せベネッセグループ、講師・時間帯を自由に選択可能
個別教室のトライ個別指導
(1対1)
11,000円要問合せ要問合せ完全マンツーマン、トライ式学習法、AI診断
臨海セミナー集団授業要問合せ9,900円
(公立中高一貫)
約11.9万円
(公立中高一貫)
臨海方式AQuA、四谷大塚YTnet提携、公立中高一貫特別割引
湘南ゼミナール集団授業要問合せ9,900円~約13.5万円~神奈川県公立中高一貫校特化、サイフロ附属中に強い
ena小学部少人数制要問合せ50,600円(都立)約75万円(都立)都立中・私立中対応、毎日の課外指導
栄光ゼミナール少人数制16,500円53,900円~約80万円~少人数制(10名程度)、公立中高一貫対応
市進学院少人数制15,750円40,110円約50万円めんどうみ主義、公立中高一貫対応
※費用は目安です。詳細は各塾にお問い合わせください。

個別指導のSS-1|大手塾との併用で弱点を徹底克服

SS-1は大手進学塾との併用に特化した個別指導塾として、各塾のカリキュラムや特徴を熟知した講師陣が指導にあたります。短期間での成績向上を目指し、効率的な学習プランを提案することで定評があります。

【基本情報】

指導形式完全1対1個別指導
対象小学生〜中学生
入会金27,500円
月謝要問い合わせ
年間費用目安要問い合わせ
個別指導のSS-1のおすすめポイント
  1. 大手進学塾との併用に特化した指導

  2. 各塾のカリキュラムを熟知した専門講師

  3. 短期間での成績向上実績

  • 大手塾に通っているが特定科目で伸び悩んでいる
  • 短期間で成績を向上させたい
  • 効率的な学習方法を身につけたい

進学個別指導塾TOMAS|完全マンツーマンで志望校対策を徹底

TOMASは完全1対1の個別指導に特化し、志望校合格から逆算したオーダーメイドカリキュラムを提供しています。集団塾では対応しきれない個別の課題に対して、専任講師が個別にサポートする体制が特徴です。

【基本情報】

指導形式完全1対1個別指導
対象小学生〜高校生・既卒生
入会金要問い合わせ
月謝要問い合わせ
年間費用目安
進学個別指導塾TOMASのおすすめポイント
  1. 完全マンツーマンによる個別最適化指導

  2. 志望校から逆算したオーダーメイドカリキュラム

  3. 個室での集中できる学習環境

  • 自分のペースで丁寧に学びたい
  • 特定の苦手科目を集中的に克服したい
  • 難関校を個別のカリキュラムで目指したい

早稲田アカデミー個別進学館|早稲アカの合格ノウハウを個別で

早稲田アカデミー個別進学館は、早稲アカの合格ノウハウを個別指導で展開しています。集団塾との併用や他塾フォローに対応し、厳選された講師陣がオーダーメイドカリキュラムで指導します。早稲アカのイベントや模試にも参加でき、難関校合格を目指す生徒を徹底サポートします。

【基本情報】

指導形式1対1または1対2の個別指導
対象小学1年生〜高校3年生
入会金22,000円
月謝小6中学受験コース:週1回あたり約26,000円〜40,000円
年間費用目安週1回:年間約35万円〜50万円程度
早稲田アカデミー個別進学館のおすすめポイント
  1. 早稲田アカデミーの合格ノウハウを個別指導で活用

  2. 厳選された優秀な講師陣による指導

  3. 早稲アカのイベント・模試にも参加可能

  • 早稲アカに通っているが個別でも補強したい
  • 塾の授業で理解しきれない部分がある
  • 個別で丁寧な指導を受けたい
  • 難関校受験経験者の講師に教わりたい

東京個別指導学院|ベネッセの安心感、完全オーダーメイド指導

東京個別指導学院はベネッセグループの個別指導塾です。完全オーダーメイドで中学受験にも対応しており、集団塾と併用して算数だけ強化、英語入試対策など個別のニーズに柔軟に対応します。入会金無料でベネッセ割引もあり、講師や時間帯を自由に選べる点も魅力です。

【基本情報】

指導形式1対1または1対2の個別指導
対象小学1年生〜高校3年生・既卒
入会金無料
月謝要問い合わせ(設備費3,300円/月のみ公開)
年間費用目安要問い合わせ
東京個別指導学院のおすすめポイント
  1. ベネッセグループの安心感と実績

  2. 集団塾併用など柔軟な対応

  3. ベネッセ割引などお得な特典

  • 集団塾に通っているが特定科目で困っている
  • 算数や英語など特定科目だけ強化したい
  • 英語入試対策が必要
  • 信頼できる大手教育グループの塾が良い

個別教室のトライ|トライ式学習法で効率的な成績向上

個別教室のトライは「トライ式学習法」という独自の指導メソッドを確立し、科学的根拠に基づいた効率的な学習を提供しています。

全国最大級のネットワークを活かし、豊富な講師陣の中からお子さんに最適な講師をマッチングする仕組みが整っています。

【基本情報】

指導形式1対1個別指導
対象小学生〜高校生
入会金11,000円
月謝要問い合わせ
年間費用目安要問い合わせ
個別教室のトライのおすすめポイント
  1. 「トライ式学習法」による科学的アプローチ

  2. 全国最大級の個別指導ネットワーク

  3. AIを活用した学習診断システム

  4. 豊富な講師陣から最適なマッチング

  • 科学的根拠に基づいた学習法で学びたい
  • 自分に合った講師との相性を重視したい
  • AIを活用した効率的な学習を希望している

臨海セミナー中学受験科|独自の学習システムで着実な成長

臨海セミナーは「臨海方式AQuA」という独自の学習システムを採用し、反復学習と定着確認を重視した指導を行っています。

四谷大塚との提携により質の高い教材を使用しながら、大手塾と比較してリーズナブルな料金設定を実現している点が魅力です。

都立・公立中高一貫校受検コースでは特別割引により、小4・小5は月額5,500円、小6は月額9,900円という圧倒的な低価格を実現しており、必修科目履修で割引が適用されます。

【基本情報】

指導形式集団授業(小人数クラス)
対象小学3年生〜6年生
入会金要問い合わせ
月謝小4:5,500円
小5:5,500円
小6:9,900円
(都立・公立中高一貫校受検コース特別割引適用後)
年間費用目安小5:約6.6万円
小6:約11.9万円
(都立・公立中高一貫校受検コース、特別割引適用後)
臨海セミナー中学受験科のおすすめポイント
  1. 独自の「臨海方式AQuA」による効率的学習

  2. 四谷大塚YTnetとの提携による質の高い教材

  3. 地域密着型のきめ細かいサポート

  • 基礎から着実に学力を積み上げたい
  • 費用を抑えて中学受験に挑戦したい
  • 地域の中堅校を志望している
  • 都立・公立中高一貫校を目指している

湘南ゼミナール|サイフロ附属中に強い:神奈川県公立中高一貫校受検専門コース

神奈川県の公立中高一貫校受検に特化した専門コースを持つ塾です。特にサイフロ附属中に強い実績を持ち、複数科目通して安心の授業料設定が魅力。模範解答制度で成績優秀者を支援する仕組みも整っています。

【基本情報】

指導形式集団指導(小人数クラス)
対象小学4年生〜6年生(神奈川県公立中高一貫校受検コースあり)
入会金要問い合わせ
月謝小5:9,900円〜
小6:9,900円〜
年間費用目安約13.5万円〜(授業料のみ、別途教材費等)
  • 神奈川県公立中高一貫校を志望している
  • サイフロ附属中を目指している
  • リーズナブルな料金で学びたい

ena小学部|都立中・私立中の両方に対応

ena小学部は都立中高一貫校対策に強みを持ちながら、私立中学受験にも対応している塾です。

毎日の課外指導により学習習慣を確立し、少人数制クラスで一人ひとりの理解度に合わせた指導を行います。都立中と私立中の併願を考えている家庭にも適した選択肢です。

【基本情報】

指導形式少人数制
対象小学3年生〜6年生
入会金要問い合わせ
月謝要問い合わせ
年間費用目安要問い合わせ
ena小学部のおすすめポイント
  1. 都立中高一貫校対策に強い

  2. 私立中学受験にも対応した柔軟なカリキュラム

  3. 毎日の課外指導で学習習慣を確立

  4. 少人数制で一人ひとりに目が届く指導

  • 都立中高一貫校を志望している
  • 都立中と私立中の併願を考えている
  • 毎日通塾して学習習慣をつけたい
  • 少人数でしっかり指導を受けたい

栄光ゼミナール|少人数制できめ細かいサポート

栄光ゼミナールは10名程度の少人数制クラスが特徴で、集団授業の活気と個別指導のきめ細かさを両立しています。

講師が一人ひとりの理解度を把握しながら授業を進めるため、質問しやすく、つまずきにも早期に対応できる環境が整っています。

公立中高一貫校受検コースでは、適性検査に特化した指導を実施しており、記述力や思考力を重視した対策が可能です。

【基本情報】

指導形式少人数グループ指導、個別指導(1対2)
対象小学4年生〜6年生(公立中高一貫校受検コースあり)
入会金16,500円
月謝小5:26,400円〜
小6:53,900円〜60,500円
年間費用目安小5:約42万円〜
小6:約80万円〜
栄光ゼミナールのおすすめポイント
  1. 10名程度の少人数制クラスによるきめ細かい指導

  2. 自習室や質問対応など充実した学習環境

  3. 公立中高一貫校受検コースで適性検査対策にも対応

  • 集団授業を受けたいが大人数は不安
  • 質問しやすい環境で学習したい
  • 基礎からじっくり学力を積み上げたい
  • 手厚くサポートしてほしい
  • 公立中高一貫校を目指している

市進学院|めんどうみ主義で家庭学習もサポート

市進学院は「めんどうみ主義」をモットーに、授業だけでなく家庭学習の進め方まで丁寧に指導する塾です。

少人数制クラスで一人ひとりの学習状況を把握し、つまずきがあれば早期にフォローする体制が整っています。

地域密着型で千葉・神奈川の中学受験情報に強いのも特徴です。公立中高一貫校受検コースでは週2-3回の効率的なカリキュラムで、実例試験と模擬試験により実力を確認できます。

【基本情報】

指導形式集団授業(グループ指導)
対象小学5年生〜6年生(公立中高一貫校受検コースあり)
入会金15,750円(兄弟姉妹割引・個別優待除く)
月謝小5:28,560円
小6:40,110円
年間費用目安小5:約36万円
小6:約50万円
市進学院のおすすめポイント
  1. 「めんどうみ主義」による手厚いサポート体制

  2. 家庭学習の進め方まで丁寧に指導

  3. 少人数制クラスで一人ひとりをしっかりフォロー

  4. 千葉・神奈川など地域の中学受験に強い

  5. 公立中高一貫校受検コースで週2-3回の効率的なカリキュラム

  • 家庭学習の習慣をつけたい
  • 手厚くサポートしてほしい
  • 千葉・神奈川の中学を志望している
  • 少人数でじっくり学びたい
  • 公立中高一貫校を目指している

それぞれの塾が異なる特色と強みを持っているので、お子さまの学習スタイルや志望校のレベルに合わせて選ぶとよいでしょう。まずは、体験授業や面談で、実際の指導の質や講師との相性を確認してから検討してみてください。

うちの子に合う塾はどれ?タイプ別の選び方

この章では「うちの子にはどの塾が合うのか」という視点で整理していきます。志望校のレベルや、お子さまの性格、費用など、さまざまな角度から検討することで、お子さまに合った塾が見えてきます。

お子さまの志望校レベル、性格、学習スタイル、費用などから、候補となる塾を絞り込んでいきましょう。

志望校レベルで選ぶ

最難関校を目指す場合

開成、麻布、武蔵などの最難関校を目指す場合、高度な思考力と応用力が求められます。合格実績が豊富な塾を中心に検討するご家庭が多い傾向にあります。

  • SAPIX:御三家合格者の約50%を占める実績。討論型授業で思考力を養成。
  • 早稲田アカデミー:「必勝志望校別コース(NNコース)」で最難関校に特化した対策を実施。
  • TOMAS:完全1対1指導で志望校に合わせたカリキュラムを作成。集団授業以外の選択肢として。

難関校・上位校を目指す場合

早稲田、慶應義塾、駒場東邦などの難関校・上位校を目指す場合、基礎学力をしっかり固めた上で応用力を養う必要があります。

  • 四谷大塚:予習シリーズによる体系的な学習で、中堅校から難関校まで幅広く対応。
  • 早稲田アカデミー:宿題管理を含めた学習習慣の確立をサポート。
  • 臨海セミナー:四谷大塚YTnetと提携し、質の高い教材を使用。費用面でも選択肢に。
  • 栄光ゼミナール:少人数制できめ細かい指導。大人数の環境が不安な場合に。

中堅校を目指す場合

成城、世田谷学園、法政大学などの中堅校を目指す場合、基礎学力を丁寧に固めながら、お子さまのペースに合わせた学習環境を選ぶことが大切です。

  • 日能研:思考力重視のカリキュラムで、中堅校への豊富な合格実績。
  • 栄光ゼミナール:10名程度の少人数制で、一人ひとりの学習状況を把握しながら指導。
  • 市進学院:「めんどうみ主義」で家庭学習までサポート。千葉・神奈川の中学受験に強い。
  • 個別教室のトライ:お子さまのペースに合わせた個別指導。

都立中高一貫校を目指す場合

小石川、武蔵、両国などの都立中高一貫校は「適性検査型」の入試を採用しているため、私立中学受験とは異なる対策が必要になります。

  • ena小学部:都立中高一貫校対策に特化し、豊富な合格実績を持つ。毎日登塾システムで記述力と思考力を養成。
  • 臨海セミナー:都立・公立中高一貫校受検コースで特別割引を適用。小4・小5は月額5,500円、小6は月額9,900円。
  • 栄光ゼミナール:公立中高一貫校受検コースで適性検査対策。少人数制。
  • 市進学院:公立中高一貫校受検コースで週2-3回のカリキュラム。首都圏での実績あり。

性格・学習スタイルで選ぶ

伸びる環境はお子さまごとに違います。得意な学び方に合う塾を優先しましょう。

  • 競争環境でやる気が出るタイプ:SAPIX、早稲田アカデミー
  • 計画的に学習を進めたい・落ち着いた環境を好む:四谷大塚、日能研、栄光ゼミナール、市進学院
  • 手厚いサポートを求める:早稲田アカデミー、栄光ゼミナール、市進学院
  • じっくり考えて理解を深めたい:四谷大塚、日能研
  • 自分のペースで学習したい:TOMAS、個別教室のトライ、SS-1

費用で選ぶ

費用も塾選びの重要な判断材料の一つです。年間の見込みで比較し、続けられる費用感で選びましょう。

  • 費用を抑えて受験対策をしたい:日能研(大手4塾で最も費用が抑えられる)、臨海セミナー
  • 最難関校対策を重視:SAPIX、早稲田アカデミー(NNコース)

地域・特定のニーズで選ぶ

お住まいの地域から無理なく通えることが前提ですが、中高一貫校のような特殊な入試方式の場合は志望校に対応したカリキュラムがあるかも確認して選びましょう。

志望校が明確な場合は、その学校への合格実績を確認することが重要です。ただし、合格実績だけでなく、お子さまの性格や学習スタイルとの相性も含めて、総合的に判断することをおすすめします。

  • 都立・公立中高一貫校を目指す:ena小学部、臨海セミナー、栄光ゼミナール、湘南ゼミナール
  • 千葉・神奈川の中学受験:市進学院、臨海セミナー、湘南ゼミナール

集団授業と個別指導で迷ったら

ここまでタイプ別に塾を見てきましたが、「集団授業」と「個別指導」の違いについても整理しておきましょう。

中学受験塾では集団指導が主流ですが、お子さまの性格や学力の状況に合わせて個別指導も柔軟に検討してみてください。

集団授業と個別指導の違い

比較項目集団授業個別指導
代表的な塾SAPIX、四谷大塚、早稲アカ、日能研、臨海セミナーTOMAS、個別教室のトライ、SS-1
主なメリット・競争環境で学習意欲が高まる
・経験豊富な講師による授業
・費用対効果が高い
・定期テストで客観的な学力評価が可能
・お子さまの理解度に合わせた指導
・質問しやすい環境
・苦手科目だけなどピンポイントで受講できる
・他の習い事との両立がしやすい
主なデメリット・授業が理解度に関わらず決まったペースで進む
・質問しにくいと感じる子もいる
・時間割が固定されている
・競争環境が少ない
・講師による差がある
・月額の費用が集団塾より高額
おすすめの方競争が力になる、積極的に質問できる自分のペースで学びたい、集団が苦手、特定科目を強化したい

その他の選択肢:映像授業・組み合わせ

近年は映像授業(スタディサプリ、東進オンライン学校など)という選択肢も増えています。月額2,178円〜と費用を抑えられ、自分のペースで繰り返し視聴できる点が特徴です。

ただし、その場で質問できない点や、学習管理が必要な点には注意が必要です。地方にお住まいで通塾が難しい場合や、塾の補習として活用するケースも見られます。

また、一つの指導形式に絞る必要はありません。メインは集団授業で学び、苦手な科目だけ個別指導でしっかりフォローするといった組み合わせも効果的です。

例えば個別指導のSS-1は大手塾との併用に特化しており、SAPIX、四谷大塚、早稲アカ、日能研のカリキュラムを理解した講師が指導にあたります。

監修者 古岡
監修者 古岡

塾選びでは、お子さまの性格や学習スタイルとの相性を見ることが大切です。合格実績だけでなく、『うちの子がここで力を伸ばせるか』という視点で検討してみてください。複数の塾で体験授業を受けて、お子さまの反応を確認することをおすすめします。

候補が決まったら確認!塾選びで後悔しないための9つのチェックポイント

お子さまのタイプに合った塾の候補が見えてきたら、次は実際に塾を訪問して確認しましょう。パンフレットやホームページの情報だけで決めるのは注意が必要です。

「なんとなく良さそう」という印象だけで決めて、後悔してしまわないように、この章では候補の塾を実際に見学する際にチェックすべきポイントを解説します。

よくある塾選びの失敗例

まず、実際によくある失敗例を見てみましょう。

よくある塾選びの失敗例
  1. 合格実績だけで決めてしまった

    「開成の合格者数が多いから」という理由だけでSAPIXを選んだが、授業ペースが速すぎてお子さまがついていけず、自信を失ってしまった。

  2. 費用を事前によく確認しなかった

    月謝だけを見て入塾したが、季節講習や志望校別特訓が実質必修で、年間の総額が予想の1.5倍に。家計を圧迫する結果になってしまった。

  3. 通塾時間を軽視した

    合格実績が良い校舎を選んだが、片道1時間かかり、帰宅が夜遅くに。疲労で集中力が続かず、成績が伸び悩んだ。

  4. 体験授業を受けずに決めた

    パンフレットの印象だけで入塾を決めたが、実際の授業の雰囲気がお子さまに合わず、半年でやめることに。

  5. 他の保護者のすすめだけで決めた

    「○○さんの子が成績を伸ばしたから」という理由で同じ塾を選んだが、お子さまの性格や学力レベルが違い、結果的に合わなかった。

このような失敗を避けるため、塾選びでは事前確認と体験授業・面談での確認をしっかり行いましょう。

事前確認すべき4つのポイント

まず、パンフレットやホームページ、入塾説明会などで事前に確認すべきポイントを見ていきましょう。

事前確認すべき4つのポイント
  1. カリキュラムの内容

  2. 合格実績

  3. 費用の総額

  4. 通塾時間と安全面

カリキュラムの内容

志望校合格を目指すうえで、その学校の出題傾向に合わせた対策ができる塾を選ぶことが大切です。多くの塾が「志望校対策」を掲げていますが、その内容には大きな違いがあります。

  1. 志望校の問題をどこまで分析しているか

    志望校の過去5年分の問題について、どこまで詳しく分析しているか確認してみましょう。信頼できる塾であれば、出題傾向、難易度の変化、記述問題の採点基準までしっかり把握しています。

  2. 志望校別の専門クラスはあるか

    難関校を目指すなら、志望校別の専門クラスがあるかどうかも重要なポイントです。ただし、開講の最低人数や選抜基準も事前に確認しておきましょう。人数が集まらずに開講されないケースもあります。 過去の合格者がどんなスケジュールで、どんな教材を使っていたか、具体例を聞いてみるのもおすすめです。成功パターンが明確な塾ほど、再現性の高い指導が期待できます。

合格実績

合格実績は塾選びの重要な判断材料ですが、数字の見方を間違えると誤った判断をしてしまうこともあります。

合格率と校舎別の実績を見る

「○○中学合格者100名」という数字だけでなく、その学年の在籍者数にも目を向けてみてください。「1000名中100名」と「200名中100名」では、合格率が大きく異なります。

大手塾の場合、全体の実績は素晴らしくても、通塾予定の校舎からの合格実績は少ない場合もあります。通塾予定の校舎の個別実績を忘れずに確認するようにしましょう。

さらに、1年だけの実績ではなく、過去3~5年の推移を確認するとよいでしょう。安定して実績を出している塾の方が、指導ノウハウが蓄積されていると判断することができます。

費用の総額

費用の不透明さは、塾選びでよくあるトラブルの一つです。候補の塾について、月謝以外の費用を含めた年間総額を正確に把握しておきましょう。

追加費用の有無

「任意参加」とされている講習でも、実質的に必修となっている場合もあります。過去の参加率と、不参加の場合の影響についても確認しておくと安心です。

年間でどの程度の教材費がかかるか、模試は何回実施され、それぞれの費用はいくらかを具体的に質問しましょう。これらの費用は年間で10~20万円になることもあります。

さらに、志望校別特訓や合宿などの特別講座がどの程度の頻度で開催され、参加が推奨されるかも確認しておくことが大切です。これらは1回あたり数万円の費用がかかることが一般的です。

知っておきたい

費用を抑える工夫

すべての講座を受講するのではなく、お子さまの苦手科目や志望校対策に必要な講座だけを選択することで、費用を30~40%削減できる場合もあります


多くの塾では早期入塾割引や兄弟割引を設けています。これらをうまく活用すれば、年間10~20万円節約できることもあります。


さらに、塾での学習を家庭でしっかり補うことで、個別補習の必要性を減らし、追加費用を抑えることも可能です。メインの塾を決めた上で、特定の科目だけ他の塾や個別指導を利用するのも一つの方法です。

通塾時間と安全面

通塾にかかる時間と安全性は、お子さまの学習効率と保護者の安心につながる重要な要素です。

通塾時間と安全面のチェックポイント
  1. 無理なく通える距離か

    自宅から塾まで、実際にかかる時間を正確に確認しておきましょう。電車の乗り継ぎや徒歩時間を含めて、片道30分以内が理想的です。 小学6年生の場合、授業が21時に終了することも珍しくありません。帰宅時間が22時を過ぎると、翌日の学校生活に影響が出ることもあるので注意が必要です。

  2. 夜道の安全

    実際に夜間の時間帯に通学路を歩いて、街灯の有無、人通りの多さ、危険な場所がないかを確認しておきましょう。 入退室管理システム、保護者への連絡体制、緊急時の対応マニュアルなどもチェックしておくと安心です。特に、ICカードによる入退室通知システムがある塾は安全面で信頼できます。

体験授業・面談で確認すべき5つのポイント

事前確認で候補を絞り込んだら、次は実際に塾を訪問して体験授業を受け、入塾面談を行いましょう。ここでは実際の雰囲気や指導の質を確認します。

体験授業・面談で確認すべき5つのポイント
  1. 授業の質とお子さまとの相性

  2. 宿題と家庭学習への配慮

  3. 講師の質

  4. 学習環境と設備

  5. その他の付加サービス

授業の質とお子さまとの相性

お子さまのタイプに合った指導形式を見つけるためには、実際に体験授業を受けたり、入塾面談で詳しく聞いたりして、本当に合っているか確認することが大切です。

集団授業の場合のチェックポイント

  • お子さまの反応: 他の生徒との競争にどう反応するか観察する。やる気が出るか、プレッシャーで固まってしまうか。
  • クラスの雰囲気: 生徒たちが積極的に発言し切磋琢磨しているか。健全な競争意識と協力し合う姿勢が両立しているか。
  • 授業の進行速度: お子さまが内容についていけているか、逆に物足りなく感じていないか。扱っている問題の難易度が適切か。
  • 質問のしやすさ: 授業後に先生に質問できる時間があるか。質問待ちの行列ができていないか。

個別指導の場合のチェックポイント

  • カリキュラムのカスタマイズ性: お子さまの弱点に合わせて、カリキュラムをどこまでカスタマイズできるか。
  • 指導方針の明確さ: 「どのように苦手分野を克服させるか」「やる気を引き出す方法」など、具体的な指導方法を質問する。
  • お子さまとの相性: 体験授業で講師とお子さまの相性が良いか確認。信頼関係を築けそうか。

宿題と家庭学習への配慮

面談では宿題の内容や量について確認しましょう。適切な宿題は、授業内容の定着を促し、次回の授業への準備となります。

しかし、量が多すぎたり、難易度が不適切だったりする宿題は、お子さまの負担になることもあります。

家庭学習の時間がどの程度確保できるか、事前に見積もりをしておくと具体的に相談できるのでおすすめです。

講師の質

講師の質は学習効果に直結する最も重要な要素の一つです。入塾面談や体験授業を通じて、以下のポイントをしっかり確認しましょう。

中学受験の指導経験と実績のチェックポイント

  • 指導経験: 中学受験の指導経験年数、担当した合格者数、得意分野などを具体的に聞く。一般的な学習指導と中学受験指導では、必要なスキルが大きく異なります。
  • 指導方針: 「どのように苦手分野を克服させるか」「やる気を引き出す方法」など、具体的な指導方法を質問する。経験豊富な講師ほど、具体的で実践的な回答ができます。

講師の安定性のチェックポイント

  • 講師の変更頻度: 年度途中での講師変更がどの程度あるかを確認。頻繁に講師が変わる塾では、継続的な指導が困難になります。
  • 専任講師の比率: 専任講師の比率が高い塾の方が、指導の質と継続性が安定しています。アルバイト講師中心の塾では、指導にばらつきが生じる可能性があります。
  • 補講体制: 「担当講師が病気などで休んだ場合の補講体制は」といった質問も重要です。
  • 講師の研修制度:「講師の研修制度はどのようになっていますか」という質問で、塾が講師の育成や指導力向上にどれだけ力を入れているかを知ることができます。

学習環境と設備

学習環境は、お子さまの集中力と学習効率に大きな影響を与えます。見た目の綺麗さだけでなく、実用性を重視して評価することが重要です。

自習室の充実度のチェックポイント

  • 空き具合: 自習室がいつでも利用できるか、座席数は十分か。テスト前に満席で利用できないようでは意味がありません。
  • 環境: 騒音レベル、照明の明るさ、空調設備、机と椅子の使いやすさなど、実際に学習する環境として適切か。
  • 自習室の利用時間: 授業のない日や時間帯でも自習室を利用できるか。

質問対応の体制のチェックポイント

  • 質問のしやすさ: 自習中に分からない問題があった時、いつでも質問できる体制があるか。講師が常駐していない時間帯もあるため注意。
  • 対応の質: 実際に簡単な質問をしてみて、講師の対応の丁寧さや説明の分かりやすさを評価する。
  • 質問対応の頻度: 授業時間外でも質問できる機会が設けられているか。

その他の付加サービスもチェック

授業以外のサポート体制の充実度も、費用対効果を判断するうえで欠かせない要素です。

  • 保護者面談の回数: 定期的に保護者面談があり、お子さまの学習状況を共有してもらえるか。
  • 進路相談: 志望校選びや受験戦略について、きめ細かい相談ができるか。

事前確認4つのポイントと、体験授業・面談での5つのポイント、合計9つをしっかり確認することで、お子さまに合った塾を見つけやすくなります。なんとなくの印象ではなく、具体的な基準で冷静に評価することが、中学受験成功への大切な第一歩です。

体験授業と面談で得た情報を整理して、お子さまの意見も聞きながら総合的に判断することで、より良い塾選びができるでしょう。なお、塾側の対応にも注目しましょう。お子さまの現状を詳しく聞き、具体的な改善策を提案してくれる塾は、生徒一人ひとりを大切にしていると判断することができます。

監修者 古岡
監修者 古岡

塾選びは『完璧な塾』を探すことではなく『お子さまに一番合った塾』を見つけることが目標です。体験授業では、お子さまの表情や反応を最優先にしてください。どんなに評判がいい塾でも、お子さまが『楽しい』『わかりやすい』と感じられなければ、いい結果にはつながりません。保護者の目線だけでなく、お子さまがどう感じたかを大切に判断することが成功の鍵です。

まとめ

中学受験の塾選びは、お子さまの3年間の学習環境を決める重要な決断です。 この記事で見てきたように、塾にはそれぞれ明確な特色があり、指導方針も費用も大きく異なります。3年間で200〜300万円という高額な投資になるからこそ、慎重に選ぶことが大切です。

大切なのは、合格実績や知名度だけで選ぶのではなく、お子さまの性格、学習スタイル、今の学力レベルに合った塾を見つけることです。競争環境で伸びる子もいれば、じっくり考えることが好きな子、手厚いサポートが必要な子もいます。体験授業でお子さまが「ここで学びたい」と感じられるかどうかが、何よりも重要な判断基準になります。

塾選びに「完璧な正解」はありません。お子さまに合った学習環境で、無理なく力を伸ばしていける塾が、それぞれのご家庭にとっての最適な選択です。

塾シルでは、お住まいの地域や目的に合わせて塾を検索できます。気になる塾が見つかったら、資料請求や体験授業の申し込みも可能です。お子さまにぴったりの塾探しに、ぜひご活用ください。

※本記事に掲載している情報は記事執筆時点のものです。料金・キャンペーンなどの最新情報は各教室にお問い合わせください。

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