- 自校作成問題を使う都立高校11校と共通問題との違い
- 国語・数学・英語それぞれの具体的な勉強法
- 対策を始める時期と過去問の効果的な使い方
- 独学で対策できるケースと塾を利用したほうがよいケース
自校作成問題を使う都立高校を目指す場合、「共通問題の勉強だけでは足りない?」「過去問はいつから解けばいい?」と悩む人もいるでしょう。
自校作成問題は学校によって出題傾向が異なります。ただし、最初から難しい問題集に取り組む必要はありません。まずは基礎を固め、志望校の過去問を解いて、苦手な問題や時間が足りないところを見つけましょう。
この記事では、自校作成問題と共通問題の違いや、国語・数学・英語の勉強法、過去問を使った対策の進め方を紹介します。独学で対応できるか、塾のサポートが必要かを考える際にも参考にしてください。
自校作成問題を使う都立高校は11校
2027年度入試で自校作成問題を使う都立高校の全日制課程は11校です。うち10校は国語・数学・英語の3教科、国際高校は英語のみで独自の問題を使用します。
自校作成する教科 学校 国語・数学・英語 日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立、新宿、墨田川、国分寺 英語 国際
理科・社会は11校とも共通問題です。また、国際高校を除く10校では、英語リスニングにも共通問題が使われます。
一方、国際高校では英語リスニングも独自の問題です。さらに、国際学科の第一次募集では、英語の得点を2倍に換算して選考します。
そのため、国際高校を志望する場合は、英語の対策が特に重要です。
ほかの10校でも、自校作成する3教科だけに集中するのではなく、理科・社会を含めた5教科の得点を考えて勉強を進めましょう。
参考:令和9年度 自校作成問題を実施する高校一覧(東京都教育委員会)
自校作成問題は共通問題と何が違う?
共通問題は複数の都立高校で同じ問題を使いますが、自校作成問題は学校ごとに問題が異なります。
出題形式や難しさも学校によって違うため、共通問題では高得点が取れていても、志望校の過去問では思うように得点できないことがあります。
また、共通問題ではマークシート方式と記述式が併用されますが、自校作成問題ではマークシート方式を使いません。選択問題でも、選んだ記号を解答欄に書く形式です。
国語の記述問題、数学の証明問題、英語の長文読解や英作文など、どのような問題が出るかは学校によって異なります。
そのため、自校作成問題の対策では、志望校の過去問を使った勉強が欠かせません。
ただし、共通問題レベルの基礎問題で間違いが多い場合は、難問演習よりも基礎の復習を優先しましょう。教科書や標準的な問題集で苦手な単元を復習してから、志望校の問題に取り組むとよいでしょう。
自校作成問題の教科別対策
自校作成問題では、国語・数学・英語でそれぞれ勉強のポイントが異なります。ここでは、過去問で間違えた問題をどのように復習すればよいか、教科別に紹介します。
国語は設問に合った記述答案を書く練習をする
国語の記述問題では、文章の内容を理解するだけでなく、設問で聞かれていることに正しく答える必要があります。
例えば、「なぜそのように考えたのか」と理由を聞かれているのに、登場人物の行動だけを説明しても、十分な得点にはつながりません。
記述問題で間違えたら、次の順番で見直しましょう。
- 設問で何を聞かれているか確認する
- 本文から答えの根拠になる部分を探す
- 解答に必要な内容が抜けていないか確認する
- 指定字数などの条件を守って書き直す
模範解答を読んで終わりにせず、自分の答案と比べて何が足りなかったのかを考えることがポイントです。
自分では答案の良し悪しを判断しにくい場合は、学校や塾の先生に添削してもらいましょう。
また、漢字や語句などの知識問題で失点している場合は、記述問題と並行して復習してください。
数学は解ける問題を落とさず、難問に時間をかけすぎない
数学では、難しい問題をすべて解こうとするよりも、解ける問題で確実に得点することが大切です。
過去問で間違えた問題は、次のように原因を分けて復習しましょう。
失点の原因 復習方法 計算ミスや公式の使い間違い 標準問題を繰り返し解く 解き方が思いつかない 解説を読み、似た問題を解く 途中まで解けたが、最後まで進まない どこで分からなくなったかを調べる 時間が足りない 解く順番や時間配分を見直す
証明問題などでは、正解できたかだけでなく、途中の考え方が正しく書けているかも見直してください。
また、1問の難問に時間をかけすぎて、後半の解ける問題に手をつけられないケースもあります。
過去問を解くときは、すぐに解法が思いつかない問題をいったん飛ばし、残り時間で戻る練習もしておきましょう。
どの問題で得点し、どの問題に時間をかけるかを考えながら取り組むことが重要です。
英語は長文読解と英作文を分けて練習する
英語では、長文読解と英作文を分けて勉強すると、苦手な部分を改善しやすくなります。
長文読解で間違えたり、時間が足りなくなったりする場合は、次の点を確認しましょう。
- 単語が分からない: 知らなかった単語や熟語を覚える
- 文の意味が分からない: 文法や文の組み立てを復習する
- 設問に答えられない: 本文から答えの根拠を探す練習をする
- 最後まで解き切れない: 大問ごとの時間配分を見直す
英作文では、設問で求められている内容を書けているか、文法や語順に間違いがないか、指定された語数を守っているかを見直します。
添削を受けた後は、間違えた部分を直すだけでなく、もう一度自分で英文を書いてみましょう。
なお、国際高校を志望する場合は、独自の英語リスニング対策も必要です。
国際高校の公式サイトでは、過去の英語学力検査問題に加えて、リスニング音声やスクリプト(音声の英文原稿)も公開されています。
実際の音声を聞き、聞き取れなかった部分をスクリプトで確認しながら練習しましょう。
自校作成問題の対策はいつから始める?
自校作成問題の対策は、中3の夏までに基礎を固め、秋から過去問演習を本格的に始めるのが一つの目安です。
時期 取り組むこと 夏まで 教科書や標準問題集で基礎を固める 9〜10月 志望校の過去問を1年分解き、苦手な問題を見つける 11月以降 複数年度の過去問を解き、答案の書き方や時間配分を改善する
ただし、勉強を始める時期よりも、現在の学力に合った対策をすることが大切です。
秋以降に対策を始める場合も、まずは志望校の過去問を1年分解いてみましょう。
基礎問題は解けるのに、時間が足りなかったり、記述問題で失点したりする場合は、過去問演習を中心に進めます。
一方、基本的な計算や文法などで間違いが多い場合は、過去問だけを繰り返すよりも、苦手な単元を復習したほうがよいでしょう。
過去問の入手方法と効果的な使い方
自校作成問題の過去問は、まず志望校の公式サイトで探してみましょう。
「学力検査問題等」「入試問題」などのページに、過去の問題や解答用紙、正答表が掲載されている場合があります。
例えば、日比谷高校の公式サイトでは、過去の自校作成問題を確認できます。
ただし、著作権などの理由で一部の問題や年度が公開されていない場合もあります。必要な年度が見つからなければ、市販の過去問題集なども活用しましょう。
理科・社会などの共通問題は、東京都教育委員会の学力検査問題及び正答表等で入手できます。
過去問を解いたら4つの項目を記録する
過去問は、何年分解いたかよりも、間違えた問題を次の勉強に生かすことが大切です。
まずは1年分を本番と同じ制限時間で解き、次の4項目を記録しましょう。
- 教科別の得点
- 大問ごとにかかった時間
- 間違えた原因
- 次に復習する教材や問題
例えば、数学の関数が解けなかった場合は、問題集で関数の単元を復習します。英語の長文で時間が足りなかった場合は、それまでの問題に時間をかけすぎていなかったかを見直しましょう。
国語の記述や英作文など、自分では採点しにくい問題は、学校や塾の先生に答案を見てもらうのもおすすめです。
復習した問題は、数日後にもう一度解き直してください。その後、別年度の過去問を解き、同じ間違いが減っているか確かめましょう。
過去問は、何年分解けば十分という決まりはありません。まず1年分を解いて苦手な部分を見つけ、その後は複数年度に取り組みながら改善していきましょう。
自校作成問題の対策は独学でもできる?
自校作成問題は、独学でも対策できます。過去問の解説を読んで間違えた原因が分かり、自分で復習を進められるなら、必ずしも塾に通う必要はありません。
ただし、記述問題や英作文などは、自分だけで答案を採点するのが難しい場合もあります。
特に、次のような場合は学校や塾の先生に相談するとよいでしょう。
- 国語の記述や英作文で、どこが間違っているのか分からない
- 数学の途中式や証明の書き方に自信がない
- 過去問の点数が安定せず、何を復習すればよいか分からない
- 苦手な教科が多く、どの勉強を優先すべきか迷っている
塾を検討する場合も、自校作成問題対策のコースがあるという理由だけで選ぶ必要はありません。
志望校の問題に対応した授業を受けられるか、記述答案をどのくらいの頻度で添削してもらえるか、追加料金がかかるかなどを確認しましょう。
塾選びで迷っている場合は、都立高校受験に強い塾の選び方も参考にしてください。
また、東京都内の塾を地域から探すこともできます。通える範囲に、志望校の自校作成問題に対応した塾があるか調べてみましょう。
まとめ
自校作成問題の対策では、志望校の過去問を解き、何が原因で得点できなかったのかを調べることから始めましょう。
基礎が不足しているなら標準問題に戻り、記述や英作文が苦手なら添削を受けるなど、必要な勉強は人によって異なります。
難しい問題集を次々に解くのではなく、過去問で見つけた弱点を一つずつ克服していきましょう。
※本記事に掲載している情報は記事執筆時点のものです。料金・キャンペーンなどの最新情報は各教室にお問い合わせください。
