【やっているのにできないを減らす】塾長みずから生徒全員の指導にあたる名学館小牧新町校にインタビュー
「勉強しているのに成績が上がらない」「勉強の仕方がわからない」。そんな悩める生徒や保護者をサポートして、高い信頼を得ている名学館小牧新町校。塾生ひとりひとりの理解度をすべて把握しているという名物塾長・吉澤潔先生に、一般的な個別指導塾との違いや、「できるまで演習する」というこだわりの指導法についてうかがいました。
- 吉澤 潔(よしざわ きよし)先生
- 国立大学の大学院を卒業後、自動車関連会社に就職し7年間勤める。「やればできる」ではなくて、「やっていてもできない」、そんな子どものために学習のやり方からしっかりとサポートする塾を作りたいという想いから、2008年に名学館小牧新町校を開校。小・中・高校生を対象にしたグループ個別指導を行っている。また、保護者にも寄り添う塾を目指して、定期的に情報発信をしている塾長ブログも好評。
やっているのにできない生徒を「できる子」に
ーー本日はよろしくお願いします。早速ですが、公式サイトにも掲げている「やっているのに成績が上がらない」生徒をサポートするという点について詳しく教えてください。
今年で開校15年になる名学館小牧新町校は、小学生から高校生までの生徒が通っています。現在は中学生がもっとも多いのですが、彼らの多くは、学校の成績だと真ん中ぐらいや、真ん中よりやや下、といった状況です。
そんな生徒たちに共通することは、「勉強を全然していない」のではなく、「自分なりにきちんとやっている」ということです。時間もかけてそれなりに勉強しているのに、成績が思うように伸びない。にもかかわらず「どうすればいいのか」がわからないのです。親子ともに途方に暮れて当塾に相談してくることが多いですね。
ーーそういったお悩みを持つ生徒が、集団授業ではなく個別指導を選ぶのはどうしてだと思いますか?
クラスでトップではない、平均や平均点以下の生徒たちが「勉強したい」「成績を伸ばしたい」と思った時、成績優秀な生徒が集まる集団塾に入ったとします。はっきり言って、ほとんどの子どもがその塾のスピードや内容についていけません。わからないから塾に入ったのに、結局塾の授業もわからないという羽目に陥ってしまうのです。
その点、個別指導なら、生徒ひとりひとりの学力レベルに合わせた学習ができます。たとえば現在中学2年生の生徒で、中学1年生で習ったところが理解できていない場合、当塾ではその生徒に合わせて、中学1年生レベルの演習からスタートします。
自宅ではなく、塾でたくさん問題を解いてもらう
ーー塾での学習方法はどのようなものになりますか?
まず私がその生徒の学力レベルをチェックし、カウンセリングをします。そこで、各教科の習熟度を私が把握して、どこまでわかっていてどこからわからなくなってしまったのかを見極めます。次に、わからなくなっているところより一つ前、すでに理解できている問題から学習をスタートします。そうすることで、生徒も自信がつきますし、勉強を楽しいものとしてとらえられるんです。
ーーなるほど。わかるところから始めると、スムーズに学習がスタートできますね。また、貴塾のこだわりとして「演習をたくさんする」ということもうかがいました。
そうですね。塾によっては、授業では解説をおもに行って、演習は宿題という形で家でやるパターンも多いと思います。集団塾もそうですし、1対1のスタイルでもそうだと思います。
でもそうすると、もし授業で理解できなかった場合、家に帰っても宿題ができないということになりますよね? わかっていない生徒に「演習は家でやってきなさい」というのは無理があると思うんです。結果、理解することができないまま次に進んでいってしまう。
当塾では「家ではなく、塾でたくさん問題を解く」ことを中心に行っています。自分で問題を解いてみて初めて「わからない」ということに気づく。そこで自分で解説を読むなり私や講師が直接指導をするなりして、次第にわかるようになる。わからないまま次に進んでしまうということはないんです。具体的にいうと、当塾は1コマが120分で、90分〜100分を演習にあてています。
ーー教材はどのようなものを使っていますか?
塾のメイン教材「eトレ」から問題を出力
使っている教材は、一般的な塾のテキストではなく「eトレ」という教材です。目的や理解度に応じたプリントをその場でプリントアウトし、紙に書いて解くというプリント教材なのですが、科目ごとに入門編からチャレンジ問題まで、異なる難易度で何万題もの問題が用意されています。
当塾では、通常の指導から定期テスト対策、入試対策まで、eトレを使用しています。また、全生徒が小学1年生から高校3年生までの全プリントを使用できるので、予習や復習が非常にしやすいというのも特徴のひとつです。
そこでこだわっているのが、eトレの中からプリントを選んで生徒に渡すのは、一貫して私一人で行っていることです。eトレには膨大な量の問題がストックされていて、その中から各生徒の状況に最適なプリントを選ぶことが大事なのですが、常駐ではない講師では難しいんですね。
生徒の進捗をすべて熟知している私がプリントを選ぶことで、「この生徒は理解できてるな」と思えばレベルを上げることができるし、「実はよくわかってないかも」と思えば逆に一段階前のプリントを渡すこともできます。そんなひとりひとりに合わせたきめ細かな対応をしています。
ーー初めて体験する生徒はどんな反応を示しますか?
体験授業の際は、先ほど言ったとおり、「すでにわかっている項目」のプリントを渡します。そうすると、ただもくもくとプリントをこなしているだけなのに、終わった後生徒さんの多くは「おもしろかった」と言うんですよ。「できる」体験をすることで、自信がついて勉強が楽しくなり、やる気が出てくるんです。
試行錯誤の末たどり着いた「少し違う」グループ個別
ーー公式サイトを拝見しましたが、一般的な個別指導のスタイルではないそうですね。
そうです。実は、塾を始めた当初は、1人の講師に2〜5名の生徒がつくという、一般的な個別指導の形をとっていました。でもそうすると、いろいろな弊害が起こることに気づいたのです。
まず、少人数の個別指導だと、ついつい講師が最初から最後まで説明をしてしまうんですね。そうすると、生徒はその時はわかったような気になるのですが、後で1人で解いてみるとできないことがよくあります。つまり、本当はわかっていないのです。
次に、その生徒の状況を把握しているのはその講師だけ、という関係図が問題です。たとえば、ある講師が急病や急用で休んだ時、その講師の受け持ちの生徒のことを知っている人間が誰もいないということになり、学習がスムーズに行えなくなってしまうのです。他にも、代理の講師を探したり、保護者に連絡をしたり、といった作業ももちろん負担がかかります。
そういう経験を繰り返すうちに、私は「講師の先生に頼らなくても、安定した塾運営ができないものだろうか」と思うようになり、試行錯誤した結果、7〜8年前に今の形になりました。
ーー現在の名学館小牧新町校では、先生と生徒の人数バランスはどのようになっていますか?
教室には私の他に講師1〜2名がいて、生徒は常時15人前後が学習に励んでいる形ですね。
進め方としては、私が一人ずつにeトレのプリントを渡し、生徒はそれを自分の席に持ち帰り解く。そして自分で採点をして私に見せにくる。途中でわからない問題があったときは、いったん飛ばしてもらい、自己採点後に私か講師が解説します。私のチェックが終わったらまた新しいプリントに取り組む。
その繰り返しをすることで、毎日たくさんの演習をこなしています。
指導者の役割分担としては、私がおもに全体を見る一方で、講師の先生には生徒を教えることに集中してもらっています。少しの説明で解決できる問題は私ももちろん対応しますが、5分〜10分かけてじっくり教えたほうがいい問題は、講師がひとりひとり丁寧に教えています。
塾長みずからが指導にあたる、きめ細かなサポート
塾長による個別指導
ーー多くの塾では、現場の講師が生徒の状況を把握し、教室長や管理職は運営に従事してというふうに分業されているケースも多いです。塾長が常に教室にいて全員の学力を把握して教材を出すというのは珍しいですね。
そうです。特に規模の大きな塾となると、経営者、管理者は指導面についてはノータッチで、塾の運営メインにやっていることが多いと思います。私の塾では、講師とともに私もすべての生徒を指導します。それが生徒や保護者からの信頼を得ている理由のひとつだと思っています。
ーー個人塾ならではのきめ細かなサポートは、たしかに保護者も安心できますね。
はい。私自身が生徒をよく知っているので、保護者面談の際などに、生徒の塾での様子を細かく伝えたり、学習状況に関して詳細に分析・アドバイスすることができるんですよ。塾長がそこまで生徒のことを把握していることってあまりないようで、他塾に通った経験のある保護者からすごく驚かれたこともありました。
また、私は普段から保護者とのコミュニケーションもなるべく多く取るようにしています。気軽に連絡してほしいという思いから、使い慣れた「LINE」を使用しています。保護者からは欠席の連絡から、学校の悩み、進路相談までさまざまなメッセージが寄せられます。
ーー授業の中で学校の宿題をすることはできますか?
基本的には授業中の宿題は禁止にしています。なぜかというと、繰り返し作業などで時間がかかるような宿題の場合、授業中にやってしまうと本来の演習ができなくなり、時間がもったいないからです。生徒には「授業の前後や自習室でやってね」と伝えています。ただし、学校の宿題をやっていてわからないところがある場合は、質問してもらっても構いません。
ーー講師はどのような方ですか?
社会人講師から大学生講師までいますが、実は、ほとんどがこの塾の卒業生なんです(笑)。私自身が教えてきた人たちなので、性格などもわかっています。安心して任せられる人ばかりですね。また、彼らは卒業生なだけに塾のシステムも熟知しています。一応は面接しますが、特に研修などをする必要もなく即戦力として活躍してもらっています。
ーーなかなか演習が進まない生徒、質問をしてこない生徒に対してはどのように対処していますか?
教室のレイアウトも私からすべて生徒が見渡せるようにしているので、ほとんどの場合私が気づきます。さらに常時1〜2名の講師が生徒の机の間を見て回っています。鉛筆が止まっていたり、一つの質問にずっと悩んでいるような生徒には、講師が声をかけて、一旦わからない問題を飛ばして、自己採点をすることを促し、自己採点後に解説をします。1枚のプリントは10~15分程度で解くように設定されているので、それ以上かからないように注意をしています。
また、自己採点後のプリントはすべて私に持ってくるシステムになっているので、そこで各問題について私が直接口頭で確認を行うことで、質問をしてこない生徒の理解度が確認したり、コミュニケーションを図るようにしています。
塾が自分の勉強部屋になって欲しい
ーー続いて塾のシステムに関してお聞きします。こちらの塾の特色として「学び放題」というコースがありますよね。詳しく教えてください。
「学び放題」コースは、当塾オリジナルのもので、週3日以上は定額料金というものです。つまり、週3日指導を受けても、週5日指導を受けても同じ料金ということになります。
勉強はやはり習慣が大事です。やる気がある時だけ勉強する、ではなかなか成績は上がりません。中でも、勉強が嫌いな子、興味ない子、家ではなかなか取りかかれない子は、勉強の習慣が身についてないので、こちらのコースをお勧めしています。
学年にもよりますが、学び放題以外のコースでは「週2回指導+自習室(最低1日)」というパターンが一番多いと思います。
ーー「学び放題」は非常にお得ですね! 塾が自分の「勉強部屋」という感覚になりそうです。
そうですね。無料自習室も完備しているので、毎日来ている生徒も多いです。自習室は、机の両サイドをパネルで仕切って集中しやすい環境に整えており、どのコースの生徒も使い放題です。もちろん学校の宿題をしても大丈夫です。また、自習でも「eトレ」が使い放題なのも当塾の特徴です。
あと、他の塾と比べて珍しいと思っているのは、自習室からも私や講師に質問できる点です。普通は授業の時にしか質問できない、という塾が多いはずなので。わからないことがあれば、いつでも気軽に聞けるという環境作りを意識して作っています。まさに勉強部屋になっていると思います。
ーー最後に、塾探しをしている保護者に向けて、メッセージをお願いします。
最初にも話しましたが、当塾では、「自分なりに勉強しているのになかなか成績が伸びない」「意欲があるのに勉強のやり方がわからない」とお悩みの保護者、生徒から特に支持をいただいています。
よく「やればできる」という言い方をしますが、やり方を知らなければなかなかできるようにはなりません。さらに言うと、保護者みずから、子どもに勉強の正しいやり方を教えることができる人も少ないでしょう。そんな生徒にまずは勉強のやり方から教えて、伸ばしていくのが当塾の強みです。
また、個別指導と集団授業、どちらが合うのか、といったような基本的な塾選びでお悩みの方にも、適切なアドバイスをいたします。入塾する意思がなくても大丈夫です。生徒本人や保護者の意向を聞いて「集団塾が合いそう」と私が判断すれば、うちではない他の塾を紹介することも過去にありました(笑)
まずはお気軽にカウンセリングにお申し込みください。
ーー本日はありがとうございました。
取材協力:名学館小牧新町校