【学ぶ楽しさと喜びを知る】こだわりの教材と高い指導力を持つ講師が魅力の学研教室にインタビュー
地域密着型で歴史と実績のあるおなじみの「学研教室」。どんな教材を使って、どんなメソッドで学習するの? そんな疑問への回答からわかったことは、理解する力を養う最先端の学習法と、子どもたちの第三の居場所となる優秀な先生たちの存在でした。
- 小野 有紀子(おの ゆきこ)氏
- 株式会社エデュケーショナル取締役、学研教室事業部長 1994年学習研究社(現学研ホールディングス)に入社。2015年株式会社学研ホールディングス広報室長。兼務で、2018年障がい者雇用の特例会社である株式会社学研スマイルハート代表取締役社長。2020年11月 株式会社学研エデュケーショナル取締役に。2021年同社 学研教室事業部長を就任。
- 山口 祐司(やまぐち ゆうじ)氏
- 学研教室事業部 副部長
進学塾講師を経て2008年に学習研究社に入社し学研教室を担当。神戸支社、南日本支社(九州)でFC教室の開発を担当し、2015年中国四国支社長、2018年北関東支社長、2019年東日本支社長として担当地区の学研教室の責任者を務める。
2020年から本社勤務となり、現在は全国の学研教室の運営・開発を担当する。
「できる」ではなく「わかってできる」子に
ーー学研教室のコンセプトを教えてください。
山口 祐司氏(以下、山口)
山口:学研教室は、週に2回、放課後14時〜18時ぐらいの間の好きな時間に通う、自宅開放型を基本とした教室となっています。1回の学習時間はその会員によって違いますが、だいたい45〜60分です。時間に関しては、今はコロナの影響により、会員に時間を指定して決まった時間に来てもらうという形をとっている教室もあります。
小野 有紀子氏(以下、小野)
小野:学習に関する基本コンセプトは、学校教育の補完です。使用する教材は「学習指導要領」の内容を網羅しており、さらに発展的な内容も扱っているので、学校の授業で教わることには全て対応できます。また、学習を進めていく上で、学研教室が一番大切にしているのが「わかる」ということ。ただできるではなく、「わかるからできる」ようになることを最終目的としています。
ーーたとえば、幼稚園の子どもが方程式を解ける、といったところを目指しているわけではないと。
小野:はい。あくまでも「理解をして進めていく」のが重要と捉えていまして、あせらず、ゆっくり、丁寧に指導をしています。「考える」過程を経て理解にたどりついたとき、学ぶことの喜びや楽しさにつながると思うのです。「学ぶことって楽しい!」と思えば、一生学び続けられる子になりますよね。「できる楽しさ」だけでなく、「わかってできる楽しさ」を大切にしています。
ーー学研教室では「自学自習」がベースにあるそうですね。
山口:はい。学研教室は、当初から「自学自習ができる子になる」を目標としてきました。学びの喜びを知れば、年齢が上がっても、場所がどこであろうと、自学自習ができます。それは、定期テスト対策や受験勉強はもちろん、社会に出てからも有効な力になります。
読解力を高める「算国並行学習」とこだわりの教材
ーー学研教室では、必ず算数と国語をセットで受講するようになっていますね。
山口:理解の前提にあるのが「読解力」。算数も読解力なしに、問題は解けません。ですので、会員には算数と国語の二教科学習をセットで受けていただきます。さらに今は小学校でも英語が必修化されたので、英語と併せた三教科学習もおすすめしています。
ーー学校授業の補完がベースだと言われましたが、できる子はどんどん先に進むことができるのでしょうか?
小野:そうですね。学研教室はさまざまな学年の子どもたちが一つの教室に集うので、先生の一斉授業というのはありません。個人のペースに合わせて教材を進めていくので、理解が早いお子さんは、自分の学年相当の内容を超えて、先に進んでいけるよう、無学年方式を取り入れています。ただし、ここでも「わかっていないのに進む」ということは絶対にありません。ひとりひとりの能力や理解度、性格までを総合的に判断して、取り組む教材については教室の先生が決めます。
山口:逆に、まだ理解できていないなと先生が判断した場合、同じ内容をわかるまで何度も繰り返したり、習熟用の教材を使用したりして、わかるところまでとことん向き合います。
ーー今、実際に使われている教材を見せていただいているのですが、すごく作り込まれていますね。低学齢のものはカラーで絵も豊富。これなら小さな子どもでも飽きずに取り組めそうです。
小野:教材には創業時から一貫して力を入れています。学校の教科書の内容をすべて扱っているので、学校の教科書が改訂になった場合は、適宜編集もかけています。ただし、教科書で扱わなくなった項目だとしても、学研としてこれは大切だな、と考えればあえて残すこともあります。
ーー教室の様子としては、教材に向かって自分でコツコツと進めていくといった感じでしょうか?
小野:そうですね。自学自習のスタイルなので、子どもたちひとりひとりにあらかじめ先生が用意した教材を解いていく形となっています。「きちんと読めば自分ひとりで理解して進められる」ように、教材にはさまざまな工夫がされています。
たとえば算数では、ページの一部に枠で囲まれた解説の部分があり、そこを読めば「なぜそうなるのか」といった考え方がわかるようになっています。内容も実績のある学研教室のメソッドがたっぷり組み込まれていて、読むだけで理解できるような高水準なものです。それでも少し理解できない部分があれば、教室の先生に質問して、さらに理解を深めるというやり方をしています。そうやって、囲み部分を理解した上で、演習をし、さらには同様の演習を宿題でもする。そうした繰り返し学習をすることで、学習の定着を図っていきます。
ーー計算ひとつをとっても、1枚の教材のなかで文章問題も解く形式になっていますね。読解力が備わっていないと進めない、というこだわりがよくわかります。
山口:各学年相当の内容を、基本教材だけで国語は12冊、算数は12〜14冊を用意しています。それも1回解いたら終わり、というわけではなく、基本は2回繰り返しますし、先生の判断で同じ問題を繰り返すこともあります。それ以外に発展教材なども用意しています。
高い指導力と人間力を持った先生たち
ーー教材のレベルの高さは分かりましたが、一方教室で指導する先生の力も重要になってきますよね。
小野:学研教室を運営する上で、先生たちは宝です。指導方法ひとつをとっても、やみくもに教え込めばいいというわけではなく、適切なヒントを与えて自分で考えさせるバランスの取れた指導ができなければいけません。
また子どもたちのことをよく知っておくことも大事です。ひとりひとりの個性や性格まで熟知して、「この子はスピード感を持って進める方法が合うな」「この子はゆっくりコツコツタイプだな」といったことを判断します。進度も早く理解力の高い会員には、発展教材や思考力教材など、難度の高い教材へ導くこともあります。反対にゆっくりタイプの会員には、基礎学習を繰り返してもらいます。繰り返し学習をする際も、2回繰り返す生徒、3回繰り返す生徒、と分かれています。
山口:生徒ひとりひとりに合わせて、学習内容やスピードも調整しています。
幼児から高校生まで長く通える教室
ーー教室に通われるお子さんは、どのような年代が多いですか?
山口:入会のタイミングとしては、年長が一番多いです。そのまま続けられる方も多いですし、小学生からという方もいらっしゃいますので、会員数でいうと、地域にもよりますが小2、小3ですね。
小野:幼児は鉛筆の持ち方から学びます。幼児用教材もとても充実していて、鉛筆の線がキレイにのるよう紙質からこだわっているんですよ。また、幼児用の教材は、そのまま小学校での学習につながるように設計されているのも特徴です。幼児から小学校へと教材がそのまま接続している教室は、他にはあまりないかもしれませんね。
ーー中学生、高校生にも対応されている教室があるとうかがいました。
小野:教室によっては対応しています。そのような大きな会員は、幼児や小学校からずっと続けている場合がほとんどです。中学、高校から入会してくる生徒は多くはありません。自分のことをずっと見てくれている学研の先生、ということで絶対的な信頼をおいて、中学や高校まで通っていただいている生徒もいます。学校の先生は毎年変わりますが、学研教室の先生は変わらないので。第二のお母さん・お父さんと思ってくれている生徒も多いのかもしれません。
山口:教室によっては、中学生、高校生を受け入れていないところもあります。そういったところは、学研グループの学習塾を紹介しています。
教材に惚れ込み先生を目指す人も
ーー地元密着型の教室として、何十年も同じ場所で教室を運営している先生も多いと聞きます。学研教室の先生はどのような方が多いですか?
山口:学研教室事業を開始した40年前は、専業主婦をしている方が自宅で教室を開くパターンがほとんどでした。最近では、小さいお子さんがいて育児をしながら無理なく仕事もしたい、と先生を目指す方も多いです。他には、自分の子どもが中学生や高校生になり、子育てがひと段落したから、という方もたくさんいらっしゃいますね。
ーーもともと教育関係者だった方も多いのでしょうか?
小野:幼稚園や小学校の先生をされていた方も多いです。あとは、学校の先生になるのが夢だったけど、別の仕事に就いて、でもやはり教育の仕事に関わりたい、という方などもいらっしゃいます。他には、学研教室のメソッドに賛同して、自分の子どもにも教えたい、と思って先生になってくれる方もいます。
山口:結局、先生に向いている人、先生を長く続けられる人、というのはやはり人柄が大きいですね。人柄がいい先生は、勉強熱心だし、結果指導力も高くなります。
ーー学研教室の教材は単調なものではないですよね。記述回答もありますし。先生になる人にとっては、難しい面もありそうです。
小野:学研教室の先生になるには、資格試験や研修をきっちりと受けていただきます。たしかに学研の教材を使いこなすのは簡単ではありません。だからこそ、先生志望者の方から支持を得ています。「これなら子どもたちがのびそう」「こういう教材なら、価値があると思う」「自分の子どもにもこの教材を使わせたい」という風に言っていただいています。
勉強だけじゃない、人としての成長も促す徳育
ーー勉強を教えるだけではなく、「教室に入ったら靴を揃える」など、徳育面も重視されているとうかがいました。
小野:学研は道徳の教科書を出版するなど、昔から子どもの徳育面も重要視してきました。学研教室でも「挨拶をする」「整列の順番を守る」「消しゴムのカスは自分で捨てて、机をキレイに保つ」など、さまざまな点において子どもの徳育に取り組んでいます。
また、学研教室は異なる学年が一緒に学ぶ場なので「小さい子どもが困っていたら、年上の子が声をかける」なども自然にできるようになっています。年上の子が年下の子の模範となる行動をしていると、年下の子も自然に学びますよね。先生もそこを意識して教室を運営いただくように促しています。
ーー先生の仕事は学習指導だけでない、ということですね。
小野:はい。子どもの学力を上げることはもちろん大切ですが、同じくらい徳育も重要だと考えます。勉強以外の面について指導する先生は、子どもからすれば、まさに「第二のお母さん・お父さん」のような存在といえますし、保護者からの信頼も厚いです。地域で長くやっている教室だと、親子二世代で通われていることもあるんですよ。
山口:年頃によっては、親のいうことは聞かないという時期もありますからね(笑)。親にはいえない悩みを学研教室の先生に相談する、といった話もよく聞きますよ。
小野:先生は、親の視点とは違ったアドバイスをすることもできますし。そういった意味で子どもたちにとっては、家、学校の次にあるサードプレイス(第三の居場所)のような場になっているのかもしれません。
ーー保護者面談などはありますか。
小野:年に3回の面談を基本として、定期的に行なっています。また、お子さまの様子を見て定期面談以外にも面談することもあります。昨今は保護者も働いている場合が多いので、来室いただかずにZoomなどでの面談を取り入れている教室もあります。面談では子どもの学習の進捗や、今後の学習計画などをお話ししますし、お子さまの普段の様子もお聞かせいただきたいと考え、傾聴を大切にしていますので、保護者からたくさんお話しをおうかがいして、教室指導に活かしています。
山口:面談時以外でも大切にしているのが、お迎えに来たときの保護者とのコミュニケーションです。先生と保護者が立ち話で「今日はこんなことをやりました」とか「今日、疲れている感じだったけど、おうちで気にかけてあげてください」とか。短時間ですけど、そういったコミュニケーションを欠かさないようにしています。
教室という「場」に行くことの大切さ
YouTube学研教室チャンネルより
ーー学研教室のホームページには「子どもに勉強を教えるのはむずかしい」とあります。では、教室に行って学ぶことの意味はなんだと思いますか?
小野:保護者と話すと、「うちの子独特なんです」と悩まれている方が多いんです。でも先生がその子どもと接してみると、特段変わっている子ではない場合も、同じくらい多いです。保護者目線でわが子を見ると、どうしても周りと比べてしまい、「どうしてうちの子だけできないんだろう」とか「どうして周りの子と同じじゃないんだろう」と思ってしまいます。愛情が多いがゆえに、視野が狭くなってしまうんです。そんな状態で、保護者が自宅でお子さんに勉強を教えようとすると、どうしても「できないこと」ばかりに目が行ってしまいます。結果、子どもが「勉強が楽しい」と思えなくなってしまうことも。
YouTube学研教室チャンネルより
小野:一方、学研教室の先生は、たくさんの子を見てきたからこそ、自信を持って「大丈夫ですよ」と言ってあげられます。そうして、その子のできない部分ではなく、得意なところを褒めて、どんどん伸ばしていきます。学研教室では「あせらず、ほめて、欲ばらず」「ゆっくり、じっくり、ていねいに」という2つのモットーを大切にしています。ですので「学研の先生はいっぱいほめてくれるから好き!」という子どもの声をよく聞きます。
山口:褒めるだけでなく、もちろんできない部分のフォローもしますよ。先生は教材を知り尽くしているので、「ここがわからないなら、教材のこの部分から再アプローチすればいいんじゃないか」とカリキュラムを組み立てます。そういったことは、やはり学研教室という「場」がなせることなんじゃないのかな、と思いますね。
ーー「教材」「先生」「場」が揃っているのが学研教室なんですね。
小野:そうです。この3つの柱を整えることで、会員の「学習の習慣化」に繋がると思っています。
学習習慣があれば定期試験や受験にも強い
ーー受験指導や定期試験対策などはしてもらえるのでしょうか?
山口:たとえば定期試験対策として、その会員が通う学校に特化した教材があるわけではありません。また、私立の中学受験に関しては、パターン訓練や、過去問の攻略など、独特の勉強方法が必要になってきます。ですので、ある程度の学年になれば、当然受験専門の学習塾などに移られる会員もいます。
小野:ただし、教室に幼い頃から通っていて中学生まで続けてこられている会員は、「学習習慣」がしっかり身についています。そういったお子さんは、慣れ親しんだ環境で、自分のペースで勉強を続ける方がいいこともありますよね。特に地方で地元の公立校を目指すような生徒は、せっかく身につけた習慣を崩さないためにも、これまで通り学研教室を続けた方がいいと考えて通われている人が多いですね。
ーー近年では、大学入試の共通テスト、総合型選抜などで読解力や表現力を求められる問題が大幅に増えました。受験の仕組みもどんどん変わってきていますね。
山口:やっと時代の流れが学研教室にマッチしてきた、という思いですね(笑)。もともと、学研教室では、算国並行学習というふうに「読解力」をベースとした学習を非常に重視してやってきました。近年の大学入試共通テストの内容を見ても、「問題理解」がすごく大切になってきています。数学の問題でも、使用する公式にたどりつくまでが難しいのです。
ーー学研教室の教材には、読解や記述の問題がありますもんね。
山口:国語には、「表現」という項目があります。小学生でも短い手紙を書いたり、簡単な作文を書いたりする訓練をします。◯×で答えられる問題ではないので、採点する先生は大変ですが、これも学研教室の大きな特徴だと思っています。
ーー英語のカリキュラムはどのように勉強を進めますか?
小野:まず教室に行く前に、自宅でデジタル学習を行います。予習教材として、ネイティブの音とイメージをインプットしていくのです。それで教室に来て、プリントを解くという流れです。さらにスピーキングも大切にしているので、教室では最後に先生と英語でやりとりするようになっています。毎回先生の前でスピーキングをするので、人前で英語をしゃべるのが恥ずかしい、といった苦手意識も減るんですよ。
学ぶ喜びを知って、自分で未来を切り開いでいける人間に
ーー最後に、学研教室に来た会員には、どのような人間に育ってほしいとお考えですか?
小野:冒頭にも申しましたが、学研教室では学研の理念でもある「学ぶことの楽しさ」「学ぶ喜び」を提供しています。それがあれば、会員にとって学ぶことが財産になります。ですので、コロナ禍でも「学びを止めない」を合言葉に、いろいろと工夫を凝らしてやってきました。
山口:そして、会員には自ら学ぶ力を身につけてほしいですね。先生が教え込むのではなく、自分で黙々と取り組み、自分で解決していく力。これから時代はどんどん変化していきます。こんな時代だからこそ、自分で切り開いて生き抜く力を身につけていってほしいな、と思います。
ーー最後に、今入会を検討されている方にメッセージをお願いします。
小野:学研教室は、学ぶ喜びを伝える先生、確かな学力を培う教材、ゆたかな心を育む教室の3本柱で構成されています。一度体験されると、それらのよさがきっとわかるはずです。
また、無料体験の際にも宿題がでて、ご自宅で解いていただきますので、子どもが教材を解く様子もぜひ見てほしいですね。1回の体験で子どもが変わった、と言われることも結構多いんですよ。1回で鉛筆の持ち方がマスターできたとか、家に帰ると自分から宿題を始めたとか。お子さまが勉強に夢中になっていく様子を目の当たりにできるかもしれません。
保護者の方で自分のお子さんに対する不安や悩みなどがあれば、ぜひ先生に相談してみてください。経験豊富な先生方ばかりなので、「ぽん」と背中を押してもらえるはずです。保護者と指導者と一緒になって、お子さんの成長を見守っていきましょう。
ーー本日はありがとうございました。
取材協力:学研教室