- 中学校で難しくなった英語・数学・理科のポイントと、その背景
- 「中1ギャップ」が起きる理由と、とくに英語でつまずきやすい原因
- 高校入試で求められる力の変化(内申点・記述・スピーキングなど)
- 家庭で整えたい学習習慣と、塾を含めた効果的な対策のしかた
「小学校ではそれなりにできていたのに、中学に入ってから急に成績が下がった」「英語の単語が多すぎて覚えられないと子どもが言っている」こうした悩みを抱える保護者の方が増えています。
2021年度から使用されている中学校の教科書は、それ以前のものと比べて大きく変わっています。特に英語では語彙数が1.5倍に増え、数学や理科でも「考える力」を問う内容が大幅に増加しました。教科書が変わったことで、子どもたちの学習負担は確実に増えています。しかし、変化の内容を正しく理解すれば、適切な対策を取ることができます。
この記事では、新しい教科書で何が変わったのか、それが子どもたちの学習にどう影響しているのか、そして保護者として何ができるのかを解説します。お子さんに合った学習環境を見つけるための参考にしてください。
- 2021年度の教科書改訂で何が変わったのか
- 改訂の背景
- 主な変更点の概要
- 英語|語彙が1.5倍に増え、学習のハードルが上がっている背景
- 英語の語彙数が1,200語から1,800語へ
- 小学校英語との接続で生まれる問題
- 「中1ギャップ」はなぜ起きるのか
- 対策は早期の基礎固めと音読習慣
- 数学・理科|統計や実験の内容が増え「考える力」をより重視
- 数学の変化——統計分野の拡充
- 理科の変化——実験・観察と考察力
- 学習負荷の増大と部活動との両立
- 対策は思考過程を言語化する習慣
- 高校入試への影響|内申点と記述問題
- 内申点評価の厳格化
- 入試問題の変化——記述問題の増加
- 都立高校受験の具体例
- 家庭でできる対策と塾の活用
- 学習習慣の確立
- 塾や学習サービスの活用
- まとめ|早めの対策でお子さんの可能性を広げるために
2021年度の教科書改訂で何が変わったのか

改訂の背景
2021年度から、新しい学習指導要領(文部科学省が定める教育課程の基準)に基づいた教科書が使われるようになりました。この改訂の背景には、グローバル化や情報化が進む社会で求められる力の変化があります。
従来の「知識・技能」中心の教育から、「思考力・判断力・表現力」を重視する教育への転換が図られています。文部科学省は、これからの時代を生きる子どもたちには、知識を覚えるだけでなく、それを使って考え、自分の言葉で説明する力が必要だと考えています。
教科書の内容も、単に知識を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を考え、説明する力を育てる構成になっています。これは、大学入試改革の流れとも連動した大きな教育の転換点です。
主な変更点の概要
改訂の影響は全教科に及んでいますが、特に大きく変わったのは英語・数学・理科の3教科です。
英語では、小学校で学習した内容を前提としたカリキュラムが組まれるようになり、語彙数が1,200語から1,600〜1,800語へと約1.5倍に増加しました。小学校での学習分を含めると、中学卒業までに2,200〜2,500語を習得する必要があります。
数学では、統計分野が大幅に拡充されました。「データの活用」という単元が中1から本格的に登場し、従来は高校で学んでいた内容の一部が中学に移行しています。また、答えを出すだけでなく解き方を説明する問題が増えており、思考力・判断力・表現力を重視する姿勢が明確になっています。
理科では、実験や観察を重視した内容が増加しました。結果を記録するだけでなく「なぜそうなったのか」を考察する力が求められ、暗記中心の学習では対応できない状況となっています。
ベネッセ教育総合研究所の「子どもの生活と学びに関する親子調査2020」では、中学生の平日学習時間(宿題・自主学習・塾)に成績層ごとの差が示されています。
成績上位の生徒は、中学1年生と2年生で約2時間、3年生では約2時間半と学年が上がるにつれて学習時間が増えています。一方、下位層でも中1で約1時間半、中2で約1時間50分、中3で約2時間と、同じように学年とともに増加しています。 この結果から、学習時間をただ増やすだけでは不十分で、「いかに効率よく学ぶか」が成績を左右することがわかります。
特に受験を控える中学3年生では、部活動が続く時期と重なるため、学習時間の確保が難しいケースもあります。限られた時間で成果を出すためには、効率的な学習方法や、弱点に絞った対策がより重要になると言えるでしょう。
英語|語彙が1.5倍に増え、学習のハードルが上がっている背景

英語の語彙数が1,200語から1,800語へ
改訂前の教科書では、中学3年間で学ぶ単語数は約1,200語でした。改訂後は1,600〜1,800語に増加しています。これだけを聞くと「400〜600語増えただけ」と感じるかもしれませんが、実際の影響は想像以上に大きいものです。
具体的には、中1の最初の単元から、従来は中2レベルとされていた語彙が登場するようになりました。教科書によって異なりますが、中1最初の単元で扱う単語数が大幅に増加しており、定期テスト範囲に含まれる単語数も約1.5倍に増加しています。
さらに、語彙が増えただけでなく、単語の難易度も上昇しています。従来は中3で学んでいた抽象的な概念を表す単語が、中1や中2の段階で登場するようになりました。
「1年間かけて学んでいた内容を、半年で学ぶペースになった」と感じる生徒や保護者が多いのは、こうした語彙数の増加と難易度の上昇が背景にあります。また、小学校で600〜700語を学習していることが前提になっているため、小学校での定着度が低かった生徒にとっては、実質的には2倍以上の負担増になっています。
小学校英語との接続で生まれる問題
現在の中学英語は、小学校で一定の英語力を身につけていることを前提としています。be動詞や一般動詞、can、過去形、未来形などの基本的な文法事項は、小学校で学習済みとして扱われます。
しかし、ここに大きな問題があります。小学校英語は「聞く・話す」活動が中心で、「読む・書く」学習は十分ではありません。授業では英語の歌を歌ったり簡単な会話をしたりする活動が多く、文法を体系的に学ぶ時間は限られています。また、小学校の英語は教科化されたとはいえ、評価は数値ではなく文章で記述されるため、実際にどれだけ理解できているのかが見えにくい状況です。学校や地域、担当教員によって指導内容に差があり、実際の定着度には大きなばらつきがあります。
小学校で十分に英語に触れてこなかった生徒、あるいは文法の理解が曖昧なまま進んできた生徒は、中学入学直後から苦戦しやすい状況にあります。
「中1ギャップ」はなぜ起きるのか
「中1ギャップ」とは、中学入学後に急激に成績が下がったり、学習についていけなくなったりする現象のことを指します。従来は環境の変化が主な原因とされてきましたが、現在は教科書の難化、特に英語の変化が大きな要因になっています。
中1の1学期中間テストや期末テストで、英語の平均点が他の教科よりも10点以上低くなる学校も増えており、これは、英語だけが突出して難しくなっていることの表れとも言えます。
英語は積み上げ型の教科です。最初の段階でつまずくと、その後の学習すべてに影響が出ます。中1の夏休みまでに基礎を固められなかった生徒は、中2、中3になってもずっと英語が苦手なままという状況に陥りやすい傾向にあります。
対策は早期の基礎固めと音読習慣
英語の難化に対応するには、中1の最初の3か月が勝負です。この時期にしっかりと基礎を固めることができれば、その後の学習がスムーズになります。
まず重要なのは、小学校で学んだ内容の確認です。be動詞と一般動詞の違い、基本的な文の作り方など、土台となる文法を理解しているか確認します。曖昧な部分があれば、中学の内容に入る前に復習しておくことが重要です。市販のドリルや小学校の教科書を使って、もう一度基礎を固め直すことをおすすめします。
単語は、毎日10語ずつなど無理のないペースで覚える習慣をつけます。一度に大量に覚えようとしても定着しません。毎日コツコツと積み重ねることが大切です。単語カードを作る、スマホのアプリを使うなど、お子さんに合った方法を見つけてください。
また、教科書本文の音読を習慣化することも効果的です。音読は発音の練習になるだけでなく、文の構造を体で覚えることにつながります。最初は恥ずかしがるかもしれませんが、毎日5分でも続けることで、英語のリズムが身につきます。定期テストでは教科書本文からの出題が多いため、音読を繰り返すことが点数アップにも直結します。
英語でつまずいているお子さんを見ると、保護者の方も不安になるかもしれません。しかし、最初の段階で気づいて対処すれば取り戻せます。「ちょっと分からない」が「全然分からない」になる前に、基礎を固めることが大切です。焦らず、お子さんのペースで一歩ずつ進めていきましょう。
英語でつまずいているお子さんを見ると、保護者の方も不安になるかもしれません。しかし、最初の段階で気づいて対処すれば取り戻せます。「ちょっと分からない」が「全然分からない」になる前に、基礎を固めることが大切です。焦らず、お子さんのペースで一歩ずつ進めていきましょう。
数学・理科|統計や実験の内容が増え「考える力」をより重視

数学の変化——統計分野の拡充
数学では、統計分野が大幅に拡充されました。「データの活用」という単元が中1から本格的に登場し、従来は高校で学んでいた確率や標本調査の内容が中学に下りてきています。
統計は、現代社会で非常に重要な分野です。ニュースで報道される世論調査の結果や企業が行うマーケティング調査など、私たちの身の回りには統計データがあふれています。こうしたデータを正しく読み取り、活用する力を育てることが、この改訂の目的です。
また、思考力・判断力・表現力を重視する流れの中で、「答えを出す」だけでなく「解き方を説明する」記述問題が増えています。定期テストでは、記述問題の配点が30〜40%を占めるケースも見られます。従来のように、解答欄に答えだけ書いても部分点しか得られません。
具体的な難化ポイントを見ていきましょう。関数領域では、グラフと式の関係を深く理解し、複数の情報を組み合わせて考える問題が増えています。例えば、2つのグラフの交点を求めるだけでなく、「この交点が意味することは何か」を説明させる問題などが出題されます。
証明問題では、論理的に筋道を立てて説明する力が求められます。図形の性質を使って、なぜその結論に至るのかを順序立てて記述しなければなりません。「何となく分かる」では点数にならず、正確に言語化する力が必要です。
文章題では、問題文から必要な情報を取り出し、式に表す力が求められます。複雑な状況設定の問題が増えており、「どの情報を使って、どういう式を立てるのか」を考える力が試されます。
「計算はできるのに文章題になると分からない」という悩みが増えているのは、こうした思考力重視の変化が背景にあります。計算力だけでなく、問題の意味を理解し、解決の道筋を考える力が必要になっているのです。
理科の変化——実験・観察と考察力
理科では、実験や観察を重視した内容が増えました。実験レポートの作成能力が評価の対象となり、結果を記録するだけでなく、「なぜそうなったのか」を考察する力が求められます。
学校の授業でも、実験の時間が増えています。実験を行った後は、レポートを提出することが求められます。このレポートでは、実験の目的、方法、結果に加えて、考察の部分が重要です。考察では、実験結果から何が言えるのか、なぜそういう結果になったのかを自分の言葉で説明しなければなりません。
定期テストでも、単に用語や公式を暗記しているだけでは解けない問題が増えています。実験結果から法則を導き出す問題、現象の理由を説明する記述問題などが頻出します。例えば、「水に食塩を溶かすと沸点が上がる。その理由を説明しなさい」といった問題が出題されます。
特に物理・化学分野では、数学の知識を使った計算問題も増加しています。理科の知識と数学的な処理を組み合わせて解く複合問題が出題され、単独の教科として学習するだけでは対応しきれない状況です。例えば、オームの法則を使った電流・電圧の計算問題では、比例の関係を理解した上で、数式を使って答えを導く必要があります。
「暗記だけでは点が取れなくなった」という声が多いのは、こうした変化を反映しています。用語を覚えることも大切ですが、それ以上に「理解する」ことが重要になっています。
学習負荷の増大と部活動との両立
一般的に中学生の学習時間は学年が上がるごとに増加する傾向にあります。特に受験を控えた中3では、学習時間が大幅に増える生徒が多く見られます。
一方、多くの中学生は部活動にも参加しています。平日は夕方まで部活動があり、帰宅後に食事や入浴を済ませると、勉強できる時間は限られます。夜9時から勉強を始めて夜11時には就寝するとすれば、学習時間は2時間程度です。土日も試合や練習で埋まることが多く、まとまった学習時間を確保することが難しい状況です。
教科書が難しくなり、学習すべき内容が増えた一方で、使える時間は限られています。この状況の中で、多くの生徒が時間のやりくりに悩んでいます。「やらなければいけないことは分かっているけど、時間がない」という声がよく聞かれます。
対策は思考過程を言語化する習慣
数学・理科の難化に対応するには、「答え」だけでなく「考え方」を大切にする学習習慣が重要です。
数学では、問題を解く際に「なぜその式を立てたのか」「どうしてその解き方を選んだのか」を自分の言葉で説明する練習が効果的です。最初は保護者に説明する形でもよいでしょう。「この問題は、まず〇〇を求めて、次に△△を計算する」というように、手順を言葉にしてみます。説明できないところは、実は理解できていない部分です。アウトプットすることで理解が深まります。
文章題では、「何を求めるのか」を明確にし、「どの情報を使うのか」を整理する習慣をつけます。問題文を式に直す練習を繰り返すことが大切です。また、間違えた問題は、どこで間違えたのかを確認します。計算ミスなのか、考え方が間違っていたのかを分析し、同じミスを繰り返さないようにします。
理科では、実験や観察の結果を見たときに、「なぜそうなったのか」を考える習慣をつけます。教科書の結論を覚えるだけでなく、そこに至る過程を理解することが大切です。例えば、「水は100℃で沸騰する」という知識を覚えるだけでなく、「なぜ100℃なのか」「気圧が変わるとどうなるのか」まで考えることで、深い理解につながります。
また、学習計画を立てる際は、部活動のスケジュールを考慮します。疲れている日は無理をせず、短時間でも集中して学習する方が効果的です。週末にまとめて学習する、早朝の時間を活用するなど、無理のない計画を立てることが継続のコツです。
思考力を問う問題は、一見難しく感じますが、「考える手順」を身につければ対応できます。焦らず、基本から丁寧に理解を積み重ねることが大切です。分からないときは、「なぜ分からないのか」を考えることから始めましょう。
思考力を問う問題は、一見難しく感じますが、「考える手順」を身につければ対応できます。焦らず、基本から丁寧に理解を積み重ねることが大切です。分からないときは、「なぜ分からないのか」を考えることから始めましょう。
高校入試への影響|内申点と記述問題

内申点評価の厳格化
教科書改訂に伴い、内申点の評価方法も変わりました。従来の「知識・技能」だけでなく、「思考・判断・表現」と「主体的に学習に取り組む態度」が評価の観点に加わっています。これは、学習指導要領が目指す「学力の3つの柱」を反映したものです。
かつては「定期テストでそこそこ点数が取れていれば内申点は大丈夫」と考えられていましたが、現在は評価の基準が変わっています。日々の授業態度や提出物も大切な評価の対象となり、総合的に判断されます。テスト前だけでなく、普段から着実に取り組むことが大切になっています。
また、内申点として高校入試に反映される学年は都道府県によって異なります。例えば東京都では中3の成績のみが反映されますが、神奈川県では中2と中3の2年間が反映されます。埼玉県や千葉県では中1・中2・中3の3年間すべてが反映されるなど、地域差が大きいため、お住まいの地域の入試制度を早めに確認しておくことが大切です。
中3になってから本格的に受験勉強を始めるのではなく、早い段階から無理なく計画的に学習を進めることが、お子さんの負担を減らすことにつながります。
入試問題の変化——記述問題の増加
高校入試問題も、教科書改訂に合わせて変化しています。最も顕著なのは、記述問題の配点増加です。すべての教科で、思考力や表現力を問う問題が増えています。
英語では、外部検定試験を活用する都道府県が増えています。英検やGTEC等を活用する自治体が多く、中3で英検3級を取得していることが実質的な必須条件となっている地域もあります。準2級取得で入試での加点措置がある自治体もあります。
例えば大阪府では、英検2級で読み替え率80%、準1級以上で読み替え率100%という制度がありますが、2028年度入試(令和10年度)からは換算率が変更され、英検2級は約70%、準1級・1級は約90%になる予定です。このように制度は変わる可能性があるため、最新の情報を確認することが大切です。(出典:大阪府教育委員会「令和10年度以降の公立高等学校入学者選抜について」)
また、スピーキングテストを導入する動きも広がっています。東京都では「ESAT-J」というスピーキングテストが実施され、その結果が都立高校入試の得点に加算されます。従来の読む・書く・聞く力だけでなく、話す力も評価されるようになりました。
数学では、答えに至る過程を説明する記述問題が増加しており、配点も高く設定されています。例えば神奈川県の公立高校入試では、数学で複数の記述問題が出題され、「なぜそう考えたのか」「どのように解いたのか」を文章で説明しなければなりません。計算ミスで答えが間違っていても、考え方が正しければ部分点がもらえる一方、答えが合っていても説明が不十分だと満点にはなりません。
その他の教科でも変化は見られます。国語では論理的文章の読解問題が増え、筆者の主張を要約する記述問題が頻出します。理科では実験結果を考察する問題、社会ではグラフや資料を読み取って説明する問題など、すべての教科で記述力が求められています。
都立高校受験の具体例
東京都の都立高校入試を例に、具体的な変化を見てみましょう。
2023年度入試から英語のスピーキングテスト(ESAT-J)の結果が都立高校入試に活用されるようになりました。中3の11月に実施され、A〜Fの6段階で評価されます。この結果が入試の総合得点に加算されるため、従来の読む・書く・聞く力だけでなく、話す力も必要になりました。
ESAT-Jでは、タブレット端末を使って、英語で質問に答えたり自分の意見を述べたりします。準備時間は限られており、即座に英語で考えて話す力が試されます。従来の入試対策だけでは対応できず、別途スピーキングの練習が必要です。
また、都立高校入試では思考力を問う問題が増加しています。数学では、図形や関数の問題で「なぜそうなるのか」を説明させる記述問題が毎年出題されます。例えば、「この図形が正方形であることを証明しなさい」といった問題では、論理的に筋道を立てて説明する必要があります。
理科でも、実験結果から考察する問題や、グラフを読み取って説明する問題が頻出します。「この実験結果から、どのようなことが言えるか」「グラフから読み取れることを説明しなさい」といった問題が出題されます。
内申点の配分も重要です。都立高校入試では、内申点と当日の学力検査の点数、そしてESAT-Jの点数を一定の比率で合算して合否を判定します。一般的には、内申点300点満点、学力検査700点満点、ESAT-J 20点満点の合計1,020点満点で評価されますが、学校によって比率は異なります。内申点の比重が大きい学校も多く、中3の成績で良い評価を取ることが求められます。
志望校のレベルや特色によって、どこに重点を置いて学習するかが変わります。内申点重視の学校なら定期テスト対策を、当日点重視の学校なら応用問題演習を、といった戦略的な学習計画が必要です。
高校入試は「受験勉強」だけでなく、3年間の積み重ねが評価されます。早い段階から計画的に学習を進めることが、志望校合格への近道です。中1から内申点を意識し、日々の授業を大切にしましょう。
高校入試は「受験勉強」だけでなく、3年間の積み重ねが評価されます。早い段階から計画的に学習を進めることが、志望校合格への近道です。中1から内申点を意識し、日々の授業を大切にしましょう。
家庭でできる対策と塾の活用

学習習慣の確立
教科書が難しくなった今、家庭学習の質と量がこれまで以上に重要になっています。学校の授業だけで完全に理解することは難しく、家庭での復習と演習が不可欠です。
まず、毎日の学習習慣を作ることから始めます。最初は30分からでも構いません。大切なのは、毎日続けることです。人間の脳は反復によって記憶を定着させるため、週末にまとめて3時間勉強するよりも、毎日30分勉強する方が効果的です。
学習内容は、学校の宿題だけでなく、その日に習った内容を復習する時間を確保します。授業で習ったことを、その日のうちにもう一度見直すことで、理解が深まります。ノートを読み返す、教科書の重要な部分に線を引く、練習問題を解くなど、簡単なことで構いません。
また、学習環境を整えることも大切です。スマホやゲームは目の届かない場所に置き、集中できる環境を作りましょう。リビングで勉強する場合は、テレビを消す、家族が静かにするなど、協力も必要です。自室で勉強する場合は、机の上を整理し、必要なものだけを置くようにしましょう。
塾や学習サービスの活用
家庭学習だけでは対応が難しい場合は、塾や学習サービスの活用も検討してみましょう。すべての家庭で塾が必要というわけではありませんが、状況によっては専門家の力を借りることが効果的です。
特に、以下のような状況では、塾の利用を検討する価値があります。
定期テストで平均点以下が続いている場合
1回のテストで平均点を下回っただけなら心配いりませんが、複数回続くようであれば、基礎的な理解に問題がある可能性があります。
本人が「分からない」と言っているのに、保護者が教えられない場合
中学の学習内容は、保護者世代が学んだものと変わっている部分も多く、教えることが難しいケースがあります。また、どうしても親子では感情的になりやすく、かえって学習意欲を損なってしまうこともあります。
特定の科目で大きく躓いている場合
英語だけが極端に苦手、数学の特定の単元が全く理解できないといった状況では、個別のサポートが必要です。
個別指導塾は、一人ひとりの理解度に合わせて指導してくれるため、苦手科目の克服に適しています。集団塾では難しい「遡行学習」も可能です。つまずいた箇所まで戻って学び直すことができるのです。例えば、中2の生徒でも、英語のbe動詞から復習することができます。
塾選びの際は、お子さんの性格や学習状況に合った指導形態を選ぶことが大切です。自分から質問できる積極的なタイプなら集団塾でも伸びますが、控えめな性格の子には個別指導の方が向いています。また、体験授業を必ず受けて、講師との相性や雰囲気を確認しましょう。
まとめ|早めの対策でお子さんの可能性を広げるために
2021年度の教科書改訂により、中学校の学習内容は大きく変わりました。英語では語彙が1.5倍に増え、数学や理科では考え方や理由を説明する力が求められるようになっています。その結果、小学校では問題なかった子でも、中学に入ってからつまずく「中1ギャップ」が起きやすくなっています。
高校入試でも内申点の評価基準や記述問題、スピーキングなどが強化され、思考力・表現力を重視する流れが続いています。
しかし、こうした変化を早く理解し、基礎固めに取り組めば十分に対応できます。特に中1の前半で学習習慣を整え、「分からない」を放置しない姿勢を身につけることが大切です。
家庭学習だけでは難しい場合は、塾などの学習サービスも活用しながら、お子さんに合った学びの形を見つけてください。個別指導塾は、一人ひとりのペースに合わせて指導してくれるため、躓いた部分を丁寧に学び直すことができます。
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