- 志望校タイプ別の最適な通塾戦略
- 3年で200〜300万円超もあり得る費用の内訳と抑え方
- 共働きでも回る、後悔しない塾選びのチェックポイント
- 小5・小6スタートの現実的な受験プラン
「中学受験の塾はいつから通わせるべき?」――多くの保護者が最初にぶつかる悩みです。
一般的には小学3年生の2月(新小4)からの通塾が主流ですが、志望校のタイプによって必要な準備期間は異なります。
たとえば難関私立中学なら新小4からの3年間が一つの目安になりますし、公立中高一貫校であれば小5からの2年間でも対策は可能です。
本記事では、「志望校タイプ×お子さんの状況」で通塾開始時期を考えるための判断材料を整理しました。
学年別の比較から費用の現実、共働き家庭の工夫、遅めスタートの戦略まで、周囲に流されずご家庭の方針を固めるうえで参考になる情報をまとめています。
- 【結論】志望校別・最適な通塾開始時期の戦略
- 難関私立中学志望:小学3年生からの本格準備が理想
- 公立中高一貫校志望:小学5年生からでも十分対応可能
- 都立中高一貫校志望:報告書対策と専門的な適性検査対策の両立
- 塾はいつから通い始める?データで見る通塾開始時期の実態
- 通塾開始時期の分布データ
- なぜ小学4年生開始が主流なのか
- 低学年通塾の増加傾向
- 学年別に見る通塾開始のメリット・デメリット
- 低学年(小学1年生~3年生)からの通塾
- 新小学4年生(小学3年生2月)からの通塾
- 新小学5年生からの通塾
- 新小学6年生からの通塾
- 途中で転塾もOK!志望校変更を前提とした柔軟な戦略を
- 小5・小6スタートは遅い?現実的な受験戦略
- 小5からの中学受験戦略:基礎固めと志望校の現実的な設定
- 小6からの駆け込み受験:集中特訓と塾の使い分け
- 中学受験塾の費用構造と家計への影響
- 大手塾の費用構造と3年間総額
- 学年別費用の推移と家計への影響
- 見落としがちな「隠れたコスト」
- 費用を抑える現実的な対策
- 塾選びの実践ガイド――後悔しないための7つのチェックポイント
- 1. 指導形態の特徴を理解して選択する
- 2. 体験授業で確認すべき5つのポイント
- 3. 合格実績の正しい見方
- 4. 立地・通塾時間と送迎の現実
- 5. 家庭学習サポートと保護者連携の体制
- 6. 費用の総額を事前に把握する
- 7. 契約時の法的保護制度を理解する
- 共働き家庭が意識しておきたいこと
- まとめ
【結論】志望校別・最適な通塾開始時期の戦略

同じ「中学受験」でも、難関私立と公立中高一貫校では入試の性質が根本的に異なります。この違いが、最適な通塾開始時期を左右します。
難関私立中学志望:小学3年生からの本格準備が理想
御三家をはじめとする難関私立中学を志望する場合、小学3年生の2月(新小4)からの通塾開始が一般的です。
これらの学校では、学校の教科書レベルを大幅に超えた応用問題が出題されるため、3年間という長期間での学力養成が必要になります。
特に算数では、特殊算や図形問題など独特の解法を身につける必要があり、十分な演習時間の確保が合格の鍵となります。
SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミーといった大手4大塾では、新小4からの3年間カリキュラムを前提としており、途中入塾の場合は相当な追い上げが求められます。
一方で、より早期の準備を検討する家庭も増えています。小学1年生から3年生の間に基礎計算力や読解力を固めておくことで、新小4からの本格的な受験勉強にスムーズに移行できるメリットがあります。
公立中高一貫校志望:小学5年生からでも十分対応可能
公立中高一貫校の適性検査は、私立中学の入試問題とは性質が大きく異なります。
暗記中心の知識問題よりも、思考力や表現力を問う問題が中心となるため、必ずしも長期間の詰め込み学習は必要ありません。
多くの中高一貫対策塾では、小学5年生からの2年間コースを設けており、この期間で十分な対策が可能とされています。
特に作文指導や資料読み取り問題への対応は、短期間でも効果的な指導により大幅な改善が期待できます。
ただし、近年は公立中高一貫校の人気上昇により競争が激化しており、より早期からの準備を検討する傾向も見られます。
小学4年生から通塾を開始し、基礎学力の充実と思考力の育成を並行して進める戦略も有効です。
都立中高一貫校志望:報告書対策と専門的な適性検査対策の両立
都立中高一貫校は公立中高一貫校の一種ですが、東京都特有の選考方法があるため、専門的な対策が欠かせません。
たとえば東京都立小石川中等教育学校や東京都立白鷗高等学校附属中学校など、学校ごとに適性検査の出題傾向が異なります。
また、都立中高一貫校の選考では小学校の報告書(内申点に相当)が合否に影響する点も見落とせません。
学校によって報告書の配点比率は異なりますが、適性検査の得点だけでなく、日頃の学校生活での評価も重要な要素となります。
そのため、塾での適性検査対策と並行して、学校の授業や活動にもしっかり取り組む姿勢が求められます。
都立中高一貫校対策に特化した塾では、小学5年生からの2年間コースが主流です。
ただし、人気校では倍率が5倍を超えることも珍しくないため、余裕を持って小学4年生から始めるご家庭も増えています。
塾はいつから通い始める?データで見る通塾開始時期の実態
実際のところ、何年生から塾に通い始める家庭が多いのでしょうか。アンケート調査のデータから、通塾開始時期の全体像を見ていきます。
通塾開始時期の分布データ

栄光ゼミナールが実施したアンケート調査(514件)では、中学受験塾への通塾開始時期について興味深い結果が明らかになりました。
最も多いのは小学4年生からの開始で36%、次いで小学3年生が33.1%、小学5年生が20.8%となっています。
小学3年生(33.1%)と小学4年生(36%)を合わせると約69%となり、この時期に通塾を始める家庭が多数派であることがわかります。
一方で、小学5年生以降の開始も全体の約3割を占めており、早期開始だけが選択肢ではないことも読み取れます。
なぜ小学4年生開始が主流なのか
小学4年生(実際は小学3年生の2月)からの通塾が最多となる理由は、大手進学塾のカリキュラム設計にあります。
多くの塾では、この時期から本格的な中学受験カリキュラムがスタートし、4教科(国語・算数・理科・社会)での学習リズムが確立されます。
特に算数では、小学4年生の段階で中学受験に必要な基礎的な計算技能が学校教育でも一通り習得されるため、塾での応用問題への取り組みがスムーズに進められます。
また、この時期から3年間かけて段階的に学習量を増やしていくことで、小学6年生での本格的な受験勉強に無理なく移行できる利点があります。

低学年通塾の増加傾向
近年注目されているのが、小学1年生から3年生での早期通塾の増加です。この背景には、学習習慣の早期定着や基礎学力の確実な構築を重視する保護者の意識変化があります。
低学年からの通塾は、勉強に対する苦手意識を持つ前に学習の楽しさを理解させる効果が期待できます。
ただし、長期間の受験勉強による精神的負担やモチベーション維持の課題もあり、慎重な判断が求められます。
このように通塾開始時期は多様化しています。最適なタイミングは志望校のタイプによっても大きく変わるため、次章以降で学年別の比較と志望校別の戦略を詳しく見ていきます。
学年別に見る通塾開始のメリット・デメリット

通塾開始の学年によって、学習面・費用面・精神面のバランスは大きく変わります。学年ごとのメリット・デメリットを整理します。
「塾はいつから?」と同時に、「勉強はいつから始める?」も迷いやすいポイントです。家庭学習の始め方を含めた学年別の考え方は、こちらで整理しています。
低学年(小学1年生~3年生)からの通塾

メリット
低学年からの通塾最大のメリットは、無理のない学習習慣の定着です。
この時期は学校の勉強量も少なく、塾での学習を「当たり前」として受け入れやすい環境にあります。
また、計算力や読解力といった基礎学力をじっくりと積み上げられるため、高学年になってからの応用問題にもスムーズに対応できる土台を築けます。
知的好奇心が旺盛な低学年では、勉強を「楽しい遊び」として捉えやすく、算数パズルや読書習慣の形成など、受験勉強の枠を超えた学びの基盤作りが可能です。
デメリット
一方で、長期間の受験勉強は、お子さんにとって大きな負担となる可能性があります。
特に小学校高学年になると、友達との遊び時間や習い事との両立が困難になり、「勉強疲れ」や燃え尽き症候群のリスクが高まります。
費用面では、3年間の標準的な通塾期間と比較して倍近い教育費がかかることも現実的な課題です。
新小学4年生(小学3年生2月)からの通塾

メリット
新小4からの通塾は、多くの大手進学塾がカリキュラムを本格化させる時期と一致しており、最も効率的な学習が期待できます。
この時期から4教科での学習リズムを確立でき、小学5年生での学習量急増にも対応しやすくなります。
また、3年間という期間は、基礎固めから応用力養成、過去問演習まで段階的に進められる適切な長さとされています。
同級生の多くがこの時期から開始するため、競争環境の中でモチベーションを維持しやすいのも特徴です。
デメリット
学習量の急激な増加により、学校生活や他の習い事との両立が困難になる場合があります。
また、この時期から本格的な受験勉強が始まるため、お子さんによっては精神的なプレッシャーを感じやすくなります。
新小学5年生からの通塾

メリット
通塾期間が2年間に短縮されるため、費用負担を大幅に軽減できます。
また、お子さんの精神的成熟度が高まっているため、目標意識を持って集中的に学習に取り組める可能性があります。
公立中高一貫校や都立中高一貫校を志望する場合、この時期からでも十分に対策が可能とされていますす。
デメリット
小学5年生は中学受験における学習量が最も多い学年であり、いきなり高い学習負荷がかかります。
基礎学力に不安がある場合、授業についていくのが困難になる可能性があります。また、既に通塾している同級生との学力差を埋めるための追加的な学習が必要になることも多いです。
新小学6年生からの通塾

メリット
通塾期間が1年間と最短のため、費用負担は最小限に抑えられます。お子さんの受験への意識も最も高い時期であり、短期集中での学習効果が期待できます。
デメリット
中学受験に必要な膨大な学習内容を1年間で習得するのは現実的に困難です。
志望校を大幅に絞り込む必要があり、特に難関校への合格は相当厳しくなります。基礎学力が十分に身についていることが前提条件となるため、家庭での事前準備が不可欠です。
各学年からの通塾開始には、それぞれ明確なメリット・デメリットが存在します。ご家庭の状況別の判断目安は、記事末尾の「まとめ」に一覧表として整理していますので、合わせてご参照ください。
なお、お子さんの性格も大切な判断材料です。
競争環境で伸びるタイプなら早めの集団塾が向いていますし、マイペースに取り組む方が力を発揮するタイプなら、時期を遅らせて個別指導を活用する方法もあります。
学力面だけでなく「どんな環境なら前向きに学べるか」という視点も合わせて検討してみてください。
途中で転塾もOK!志望校変更を前提とした柔軟な戦略を

中学受験の準備を進める中で、お子さんの学力の伸びや興味関心の変化により志望校を変更するケースは決して珍しくありません。
当初は公立中高一貫校を志望していたが、学力の向上により私立難関校にチャレンジするパターンや、その逆のケースもあります。
このような変更に対応するため、小学4年生の段階では幅広い基礎学力の養成に重点を置き、小学5年生以降で志望校に特化した対策に移行する段階的なアプローチが効果的です。
転塾を前提とした塾選びも、一つの現実的な選択肢として検討する価値があります。
志望校のタイプを意識しつつも、小4の段階では一つに絞り込む必要はありません。
私立・公立中高一貫のどちらにも対応できる基礎学力を養い、小5の後半〜小6の前半で方向性を確定させるご家庭も多くあります。
「途中で志望校が変わるかもしれない」ことを前提に、柔軟な計画を立てておくと安心です。
転塾の学年別の目安と判断基準は、こちらで詳しく整理しています。
小5・小6スタートは遅い?現実的な受験戦略

「思い立ったのが遅いかも」「今からでも間に合う?」――小5・小6で中学受験を検討し始めると、多くの家庭がこの不安にぶつかります。
結論から言うと、遅めスタートは“新小4と同じやり方”では無理が出るため、志望校の絞り込みと学習の優先順位づけが成否を分けます。
本章では、小5開始・小6開始それぞれで現実的に狙えるラインを整理しつつ、基礎の穴埋めの順序、塾(個別・単科・講習)の使い分け、短期間で伸ばしやすい分野への集中など、限られた時間で合格可能性を上げる具体策を解説します。
遅めスタートの鍵は「量」より「絞り込み」です。やることを減らして成果を最大化する手順をまとめます。
小5からの中学受験戦略:基礎固めと志望校の現実的な設定
小学5年生から中学受験の勉強を始める場合、まず重要なのは基礎学力の迅速な補強です。
特に算数では、4年生で学習する特殊算や図形の基礎が不足している可能性が高いため、個別指導や少人数制の塾を活用して効率的に穴埋めを行う必要があります。
志望校選択では、偏差値帯を現実的に設定することが重要です。第3章で解説したように、公立中高一貫校や中堅私立校であれば、限られた準備期間でも対策の余地があります。
適性検査対策に特化した塾を選ぶことで、学習範囲を効率的に絞れます。
小6からの駆け込み受験:集中特訓と塾の使い分け
小学6年生から中学受験の準備を始める場合、率直に言って選択肢は限られます。
集団塾の一般的な3年間カリキュラムの途中から合流するのは現実的に困難なため、個別指導塾や家庭教師を中心とした学習計画が基本になります。
その中でも効果的なのが、苦手科目は個別指導で集中的に補強し、得意科目は集団塾の単科受講や季節講習を活用する「使い分け戦略」です。
また、志望校を適性検査形式の公立中高一貫校に絞ることで、学習範囲を限定し、短期間でも対策を進めやすくなります。
遅めスタートで意識しておきたいこと
- 難関私立中学は厳しい:3年間のカリキュラムを前提とした特殊算や記述問題の対策を1〜2年で完了するのは、基礎学力が相当高い場合を除き現実的ではありません
- 公立中高一貫校は十分に狙える:適性検査は思考力・表現力重視のため、短期間の対策でも伸びしろがあります
- 基礎学力の有無が分かれ目:家庭学習や通信教育などで基礎ができているお子さんは、遅いスタートでもスムーズに受験勉強に移行できます
遅めのスタートで大切なのは、「何でもできる」と考えるのではなく、限られた時間で何に集中するかを早い段階で決めることです。
お子さんの現在の学力と志望校を冷静に見極め、塾の先生とも相談しながら現実的な計画を立てていきましょう。
小5・小6スタートで最も避けたいのは、焦って難関校を目標に設定し、消化しきれない量の学習を詰め込むことです。まずは塾の入塾テストや模試で現在の立ち位置を把握し、そこから逆算して「現実的に手が届く志望校」を設定することが、遅めスタートの成功パターンです。
中学受験塾の費用構造と家計への影響

中学受験を検討する際、多くの保護者が気になるのが塾費用の総額です。
大手4大塾(SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー)に小4から小6まで3年間通った場合の総額は、塾や受講コースによって173万円から313万円程度とされています。
この幅は、4教科か2教科か、季節講習をどこまで受講するかなどの条件で大きく変わります。
大手塾の費用構造と3年間総額
中学受験塾の費用は、基本月謝以外にも多岐にわたります。小学生の塾費用は月額1.3万円から3.1万円程度が相場とされていますが、中学受験専門塾では学年が上がるにつれて大幅に増加します。
小学4年生では月額2万円程度から始まり、小学6年生では月額5万円を超えることも珍しくありません。さらに、この基本料金に加えて以下の費用が発生します。
季節講習費は特に大きな負担となり、夏期講習だけで10万円から20万円、春期・冬期講習を含めると年間30万円以上になることもあります。
模試代は月1回程度の実施で年間3万円から5万円、教材費は年間2万円から4万円程度が目安です。
学年別費用の推移と家計への影響
文部科学省「子供の学習費調査」令和5年度によると、小学6年生の学習塾費は公立小学校で年間10.7万円、私立小学校で43.8万円となっています。
ただし、これは中学受験をしない家庭も含めた平均値です。中学受験を目指す場合はこれを大幅に上回る費用が必要になります。
小学4年生では年間40万円程度、小学5年生で60万円程度、小学6年生では80万円から100万円を超えるケースも多く見られます。
3年間の総額では、中堅塾でも200万円前後、大手難関校対策塾では300万円を超える費用が必要になります。
見落としがちな「隠れたコスト」

基本料金や講習費以外にも、以下のような費用が発生することを見落としてはいけません。
交通費は意外に大きな負担で、電車やバス通塾の場合は月額5,000円から1万円程度かかります。
弁当代や軽食代も、長時間の授業や講習期間中は月額1万円程度の出費となります。
また、志望校対策の特別講座や個別指導の併用、家庭教師の追加など、成績や志望校に応じて追加費用が発生することも多く、これらを含めると当初の予算を大幅に超える可能性があります。
費用を抑える現実的な対策
費用負担を軽減する方法として、集団指導と個別指導の使い分けが効果的です。基礎固めは集団指導で行い、苦手科目のみ個別指導を活用することで、費用対効果を高められます。
また、オンライン塾の活用も選択肢の一つです。通塾型の集団指導塾が月額3万〜5万円程度であるのに対し、オンライン塾では月額1万〜2万円台に収まるサービスもあります。
通塾型との併用で苦手科目だけオンライン個別指導を利用するなど、組み合わせ方次第で費用対効果を高められます。共働き家庭にとっては送迎負担の軽減にもつながります。
公立中高一貫校対策に特化した塾を選ぶのも、費用を抑える有効な方法です。
私立中学受験塾の4教科フルコースと比較すると、適性検査対策に絞ったコースは費用が低めに設定されていることが多く、2年間の通塾で100万円前後に収まるケースもあります。
都立中高一貫校を志望する場合は、専門コースを設けている塾を中心に比較検討するとよいでしょう。
中学受験の費用は家計に大きな影響を与えますが、事前の計画と適切な塾選びにより、無理のない範囲で質の高い教育を受けることが可能です。
複数の塾で費用見積もりを取り、隠れたコストも含めた総額で比較検討することが重要です。
費用の見通しを立てるうえで大切なのは、「月謝×12か月」では終わらないという認識です。入塾前に必ず年間総額(季節講習・模試代含む)の見積もりをもらい、小6での増額分も含めた3年間のシミュレーションを作成しておきましょう。途中解約の条件(第5章参照)も契約前に確認しておくと安心です。
塾選びの実践ガイド――後悔しないための7つのチェックポイント

中学受験は「どの塾に通うか」で、学習の回り方も家庭の負担も大きく変わります。
合格実績や知名度だけで決めてしまうと、授業についていけない・宿題が回らない・送迎がきついなど、入塾後にズレが表面化しやすいのが現実です。実際、転塾を経験する家庭も少なくありません。
本章では、集団/個別/オンラインの選び分けから、体験授業で見るべき点、通塾時間、家庭学習サポート、費用の総額、契約・解約の注意点までを「7つのチェックポイント」に整理し、共働き家庭の視点も含めて判断材料をまとめます。
塾選びは「合う・続く」を先に確認するほど失敗が減ります。入塾前に見るべき要点を7つに絞って整理します。
「こんなはずじゃなかった」を避けるには、よくある失敗パターンを先に知っておくのが近道です。失敗例と回避策は、こちらでもまとめています。
1. 指導形態の特徴を理解して選択する

集団指導は、競争環境の中で切磋琢磨できる点が最大のメリットです。
同じ目標を持つ仲間との刺激により、モチベーション向上が期待できます。
一方で、授業のペースについていけない場合や、質問しにくい性格のお子さんには不向きなこともあります。
個別指導は、一人ひとりの学習ペースに合わせた指導が可能で、苦手分野の克服に効果的です。
特に算数の特定単元でつまずいている場合や、他の習い事との両立を図りたい場合に適しています。
費用は集団指導の1.5倍から2倍程度になるのが一般的ですが、共働き家庭では家庭学習フォローの負担が減るため、時間的メリットが費用を上回る場合もあります。
オンライン塾は、送迎が不要で、録画授業であれば子どもの都合に合わせて受講時間を調整できます。
進捗確認システムが充実しているサービスを選ぶことがポイントです。通塾型との併用で苦手科目だけオンラインを活用する方法も効果的です。
2. 体験授業で確認すべき5つのポイント
体験授業は塾選びの最重要プロセスです。最低2〜3校で受けることをお勧めします。以下の点を必ずチェックしましょう。
- 授業の進行スピード:お子さんがついていけるペースか
- 講師との相性:質問しやすい雰囲気があるか
- クラスの雰囲気:競争が激しすぎないか、協調性があるか
- 宿題の量と質:家庭学習時間に見合った分量か
- フォロー体制:欠席時の補講や個別相談の仕組みがあるか
保護者も一緒に見学し、質問のしやすさや宿題量など、日々の通塾をイメージしながら確認してみてください。
3. 合格実績の正しい見方
合格実績は重要な判断材料ですが、数字だけに惑わされてはいけません。
「○○中学合格者数△△名」という表記では、その塾の全体の生徒数に対する合格率が分からないためです。
可能であれば、お子さんと同程度の学力層からの合格実績を確認することが重要です。
4. 立地・通塾時間と送迎の現実
通塾にかかる時間は、お子さんの負担と家庭の送迎負担の両面で重要です。
片道30分を超える場合は、その時間を学習に充てた方が効率的な場合もあります。また、夜遅い時間帯の授業では、帰宅時の安全性も検討が必要です。
共働き家庭では送迎が最大の課題になることが多いため、子どもが一人で通える範囲を最優先に検討しましょう。
一部の塾では、送迎サービスや最寄り駅からの送迎バスを運行している場合もあります。
土日集中コースやオンライン併用など、平日の送迎を減らせるコース設計の塾も選択肢に入れてみてください。
5. 家庭学習サポートと保護者連携の体制
中学受験は家庭のサポートが不可欠ですが、家庭だけで抱え込む必要はありません。塾側のサポート体制を事前に確認しておきましょう。
- 自習室の開放時間と質問対応:講師が常駐している塾なら、家庭での学習時間を塾内で補完できます
- 宿題の進捗管理:塾側で理解度チェックや進捗管理をしてくれるシステムがあれば、保護者の負担は大きく減ります
- 保護者への情報共有:メールやアプリでの連絡体制、オンライン面談の対応可否を確認しましょう
共働き家庭では保護者会や個別面談への参加が難しいことがあります。
事前に塾側に相談し、平日夜間や土日の面談、電話・オンライン対応が可能かを確認しておくと安心です。
夫婦で担当を分け、どちらか一方が塾との窓口を継続的に担うのも現実的な方法です。
6. 費用の総額を事前に把握する
費用の詳細は第4章で解説していますが、塾選びの段階では年間の総額がいくらになるかを必ず確認してください。
月謝だけでなく、季節講習費・教材費・模試代・施設維持費まで含めた見積もりをもらいましょう。
特に小学6年生では、直前講習や志望校別特訓などで費用が大幅に増加する傾向があります。
7. 契約時の法的保護制度を理解する
塾の契約は特定継続的役務提供に該当し、法的な保護制度が設けられています。
契約から8日以内であればクーリング・オフが可能で、中途解約時の解約料も上限が定められています(2万円または1か月分授業料の低い方)。
契約前にこれらの制度について説明を受け、契約書の内容を十分に確認することが重要です。
共働き家庭が意識しておきたいこと
ここまでの7つのポイントに加え、共働き家庭では「何を塾に任せ、何を家庭で担うか」の線引きを最初に決めておくことが大切です。
- 家庭学習のフォローに時間を割けない → 自習室・質問対応が充実した塾で補う(費用は上がりやすい)
- 送迎が難しい → 近距離の塾かオンライン塾を優先する(選択肢は狭まる場合がある)
家庭学習のサポートが難しければその分を塾に委ね、費用が上がる分は通塾期間や受講科目で調整するなど、トータルで帳尻を合わせる考え方が現実的です。
「親がつきっきりで見てあげられない」ことを負い目に感じる必要はありません。
塾のサポートをうまく活用することで、お子さんが自分で学ぶ力を早く身につけるきっかけにもなります。
まとめ
中学受験は準備期間の長い取り組みです。焦って決める必要はありませんが、情報収集と体験授業は早めに始めておくと、余裕を持って判断できます。
中学受験の塾にいつから通うべきかは、志望校のタイプ・お子さんの学習状況・家庭の環境によって異なります。
なお、「通塾開始時期を決めること」と「中学受験を決めること」は別の判断です。体験授業を受けてみてお子さんが前向きでなければ、受験そのものを見送るのも立派な選択肢です。
お子さんの気持ちを尊重しながら、ご家庭にとって最善の道を選んでください。
体験授業に行く塾を探す段階では、まず候補を広めに見てから絞ると比較しやすくなります。塾の候補探しは、こちらも参考にしてください。
※本記事に掲載している情報は記事執筆時点のものです。料金・キャンペーンなどの最新情報は各教室にお問い合わせください。