どんな教材で何が学べるの?プログラミング教育 HALLOにインタビュー
2025年度の大学入学共通テストから「情報Ⅰ」科目が追加されることが決まり、一層注目を集めているプログラミング教育。株式会社やる気スイッチグループと株式会社Preferred Networks(以下、PFN)が運営するプログラミング教育 HALLOは、年長から高校生に向けてプログラミング教育を提供しています。どんな教材を使ってどんなことが学べるのか、HALLO本山校教室長の松井亜矢子先生にインタビューしました。
- 松井 亜矢子(まつい あやこ)先生
- やる気スイッチグループがPreferred Networksとともに展開する「プログラミング教育 HALLO」本山校の教室長。
大学卒業後、他業種での接客・店舗運営等の経験を経て2021年に同社に入社。
ご家庭に寄り添うこと、お子さま一人ひとりの個性と自主性を大切に、プログラミングに触れ、好きや得意、自信を見つけられるようサポートしている。
独自開発した教材を使った最先端のプログラミング教育
ーー本日はよろしくお願いいたします。まず「HALLO」の特徴を教えてください。
HALLOは、本格的なプログラミングが学べるプログラミング教室です。人工知能(AI)技術の研究開発で日本を代表するPFNが開発したオリジナルのプログラミング教材 「Playgram(プレイグラム)」を使用し、やる気スイッチグループがタッグを組んで提供しています。サービス開始から約3年が経ち、現在全国700拠点(※1)以上で、年長から高校生に対して個別指導スタイルでレッスンを提供しています。
(※1)700拠点……プログラミング教育 HALLOの専門教室、プログラミング教育 HALLOをコンテンツとして導入している教室数の合計(2022年2月現在)
一流の教材と指導力で継続してプログラミングの力を身につける
ーー既存のプログラミング教材とは異なる点、強みはどこですか?
Playgramは、PCに慣れていない小さなお子さまでも気軽に始められるように、タブレットで操作できるのが特徴です。また、プログラミング教材としては珍しく3D設計になっているので、よりゲーム感覚で楽しく進められます。
パズルを解くようにミッションをクリアしていくミッションモードから、自分で自由に創造できるクリエイトモード、大学入試の内容やAIまで学べる上級者向けのアドバンスモードと続きます。飽きずに夢中になれる仕掛けをたくさん組み込んでいます。
また、従来のプログラミング教材では、Scratch(※2)のような基礎的なビジュアルプログラムから始めたとしても、ハイレベルなテキストコーディングまで地続きで学ぶことはできませんでした。
(※2)Scratch……米国MITメディア・ラボで作られた無料のプログラミング言語。対象年齢は8〜16歳で、ドラッグ&ドロップのみで操作ができるのが特徴。
一方、Playgramは、最初はタブレット上で日本語ブロックを使ってプログラミングしていくビジュアル言語から始まり、学んでいくうちに最終的にはPython(※3)を使ったテキストコーディングまでマスターできます。スキルが途中で分断されることなく、段階的にスムーズに身につけることができます。
(※3)Python……機械学習、深層学習などAIの最先端分野の開発で使われるプログラミング言語。そのほかInstagram、YouTubeを代表とするWebアプリケーション、ビッグデータ解析などにも幅広く使用されている。
ーー講師の指導面に関しては、どのようなところが特徴ですか?
やる気スイッチグループが教育業界で長年培ってきた指導メソッドをコーチ全員が共有しています。コーチは全員コーチングの研修を受けているので、できたら褒める、できないことがあれば励ます、というふうに生徒の個性も見極めながら適切な指導を行っています。
子どもが「自発的に始める」習いごととして人気
ーー生徒はどのくらいの年齢・タイプが多いですか?
HALLOは年長から高校生まで受け入れています。もっとも多いのは小学3、4年生です。小学校高学年になると学習塾に通う人も増えてくるので、低学年の習いごとのひとつとして入会されることが多いです。生徒のタイプはさまざまですが、「ものづくりが好き」「ゲームやScratchが好き」という動機が多いように思います。
ーーゲーム好きがきっかけとなると、男子が多いのでしょうか?
男女比は6:4です。意外と感じられるかもしれませんが、女子も多く通っています。Playgramはゲーム的な要素以外にも、男女問わず「面白い」「かわいい」と思えるデザインや、好きなキャラクターを自分で選択できるので、そういった点は女子生徒にも喜んでいただいています。また保護者からの「プログラミングは男の子がやるもの」というイメージもなくなってきていることも感じます。
ーープログラミングに関しては、保護者が薦めるよりも子どもが自分から「やりたい!」と入会するパターンが多いのでしょうか?
はい。そこが他の習いごとと違う点です。一般的な習いごとは保護者が子どもに薦めて始めることが多いと思います。しかし、プログラミングは子どもがチラシなどを見つけて自発的に「やりたい」と親に相談して始めるパターンが多いと実感しています。週に1回のレッスンを心待ちにしている生徒さんは本当に多いですね。
プログラミングを通じて「思考力」を高める
ーー保護者は子どもにどういったスキルを身につけてほしいと考えているのでしょうか?
「プログラミング教育は子どもに必須なのに、自分が教えられないから教室で身につけてほしい」と考えて入会されるパターンもありますし、「テレビゲームがとても好きなので、それを学習の方に活かせないか」と考えて入ってこられるパターンもあります。他には「子どもに思考力をつけさせたい」という目的を持って入会される方もいますね。
ーープログラミングを学ぶと体系的に考える力や思考力も鍛えられますよね。
そうですね。プログラミングとはすごく簡単に言えば「コンピューターに自分が意図した動作をさせる指示」です。たとえば「あそこに落ちているボールを拾ってもらう」という動作も、まずは立ち上がり、ボールの位置を具体的に指示し、と順序立てて組み合わせることが必要です。このように物事を分解して考えることによって、プログラミングで論理的思考力が身につくと言われています。
実際にHALLOに通っている低学年の生徒の保護者から、「HALLOでプログラミングを学びだしてから、子どもが物事を順序立てて考え行動するようになった」「自分の主張をわかりやすく話すようになった」とのお声もいただきます。プログラミングのスキルアップだけではなく、物事を考える訓練にもなっているのです。
「わかるまで見守る」スタイルで生徒自身ができる力を身につける
ーー個別指導スタイルとのことですが、先生と生徒の人数比を教えてください。
コーチ1人に対して生徒は最大3人までの少人数制です。同じコーチにつく生徒は学年も進捗もバラバラで、それぞれが自分のペースで学習、目標に取り組みます。コーチが生徒の画面を見ながら質問に答えたりヒントを出したりして、生徒の自分で考える力や達成感・喜びを引き出していきます。
プログラミングは解答がひとつではありません。どうすればもっと効率のいい解決策が見つかるかをコーチと一緒に考えたりもします。
ーー授業はどのように進めていきますか?
タブレットを使って自宅学習を承認し、レッスンでわからない部分を質問し、より効率的な解答・プログラムを学び、理解度・定着度の確認を行います。この一連の流れを毎週繰り返して、スキルを身につけていきます。
最初はブロックを積み上げるビジュアルプログラミングで、プログラミングの初歩を学びます。次に無理なくステップアップするためにPythonブロックモードの段階を経て、最終的にテキストコーディングの習得を目指します。また月に1度、作品プレゼンテーションの日を設けていて、自分が作ったものを他の生徒さんの前で発表することになっています。
プレゼンテーションは自分の考えを言葉でアウトプットするトレーニングにもなっており、論理的思考のトレーニングにも役立っています。
ーータイピングも学べそうですね。
はい。毎回レッスンの冒頭にタイピング練習をします。オリジナルのタイピング教材「Playgram Typing」を使用していて、正しい指のポジションから覚えられるようになっています。多くの小学校でタブレットが生徒全員に支給されるようになり、タイピングスキルは必須となっているので保護者からも喜ばれていますね。
「学習管理システム」を活用して情報や進度を保護者と随時共有
ーープログラミング教室の場合、保護者も理解できないことが多く「何をしているのかわからない」「自分の子どもはどんな感じなんだろう」という疑問も多いと思います。
学習管理システムにより、リアルタイムで生徒の進捗状況が可視化されています。今後の学習目標、それが今どこまで達成できているか、逆にどこができていないかも一目でわかります。こういった目標や進捗は定期的な保護者面談の際に、学習管理システムの画面を見ながら説明しています。
ほかにはレッスンが終わると「レッスンレポート」という形でその日学んだ内容や生徒が頑張っている様子をコーチから保護者に報告しています。次回までの宿題も明記しているので、「何をすればいいのかわからない」ということも防げます。
レベルの高い技術を身につけて「武器」を手にする
ーープログラミングに興味を持っている家庭はどんどん増えていると思います。
そうですね。プログラミングはこの数年で小中高での必修化、大学入学共通テストでの採択で社会的な注目度が急激に上がっています。IT化が加速し、これからも上がり続けることは明白ですから、子どもに少しでも学んでおいてほしいと考える保護者の方が多いです。
少し前まではIT関連企業にお勤めの保護者が非常に多かったのですが、いまは子どもの将来を考えたときに必須だと感じている方も増え、職業関係なく幅広くご入会いただいております。
ーー子どもが好きなことならやらせたいと考える保護者も増えていそうですね。
そうですね。「塾にはなかなか行きたがらないけれど、プログラミングは喜んでやっている」という話もよく聞きます。好きなことを継続する力も養われると思います。
オンライン校のメリットとは?
ーー対面でレッスンを受ける方法の他に、オンライン校もありますね。オンラインで学ぶメリットについて教えてください。
オンライン校を選ぶ最大のメリットは「送迎の必要がない」という点ですね。保護者の方がお仕事をしていて送迎ができないご家庭にはオンラインが向いています。また近くに教室がなくても最先端のプログラミング教育が受けられることもメリットです。オンラインにおいても基本的にレッスン内容、50分の授業時間、コーチ1人に生徒3人という枠組みは同じです。
ーーオンラインに向いていない生徒もいますか?
生徒によりますが、低い年齢層は実際に先生がそばにいる対面の方が向いているかもしれません。
ただ、よく「うちの子どもはおとなしくて、積極的に質問できるタイプではないからオンラインは向いていないかも」と不安に思う保護者がいます。しかし、それは保護者の杞憂である場合が多いのです。生徒のタブレット画面の状況をコーチが把握していますから、指が止まっているようであれば「何かわからないことある?」と声をかけています。コーチに気にかけてもらえると生徒もきちんと受け答えできるようになります。
保護者が思っているよりお子さまは自立できていますし、コーチングのスキルがあるコーチは生徒との関わり方を熟知しています。「オンラインは合わないかも」とお悩みの方こそ、まずは体験レッスンを受けてみてほしいですね。
ーーオンライン受講の場合は、どのように授業を進めるのですか?
コーチはメインPCのほかに、生徒の見ている画面がそのまま映し出されたタブレットを生徒の人数分設置しています。生徒の進捗をリアルタイムでチェックすることができるので、目の前にいなくても適切な指導ができます。オンラインだから難しいということはありません。
オンライン、教室、どちらでも受けられる体験レッスン
ーーHALLOに興味を持った人はどのように教室を探せばいいですか?
HALLOは独立した教室のほか、やる気スイッチグループの個別指導塾「スクールIE」や、英語で預かる学童保育「Kids Duo(キッズデュオ)」、知能育成(知育)と受験対策の幼児教室「チャイルド・アイズ」などで展開しています。
体験レッスンではコーチ1名と生徒1名で行い、教材に触れながらHALLOのレッスンを体験していただきます。保護者には教室の説明をしながら体験レッスンの様子も見ていただきます。オンラインでも同様です。
ーー担当コーチの希望は受け入れてもらえますか?
はい、保護者の方からのヒアリングと、お子さまの性格や様子を拝見し、他のお友だちやコーチとの相性がよいレッスンをご提案いたしますので、ご安心ください。
数年後に向けて今から準備を始めよう
ーープログラミング教室を検討している保護者にメッセージをお願いします。
プログラミング教育が小学校で2020年度、中学校では2021年度から必修化されましたが、その学習内容や状況はまだ学校によるところが多いようです。2022年度には高校での必修化、2025年度から大学入学共通テストにプログラミングを含む「情報Ⅰ」が新科目として追加されるため、これから2〜3年で状況がガラリと変わると考えています。プログラミングスキルがあると周りの生徒と比べて、圧倒的に有利になります。
子どもにとっても「他の人よりもたくさん経験していること、得意なこと」があると自信につながりますし、その自信はさまざまなシーンで活きると思います。まずはご相談いただき、ぜひ体験レッスンからお試しください。
ーー本日はありがとうございました。
取材協力:プログラミング教育 HALLO