都立高校の推薦入試でお子さんが不合格になったとき、何と声をかければよいのでしょうか。
「一般入試があるから大丈夫」と励ましたい。でも、落ち込んでいる姿を見ると、何を言っても傷つけてしまいそうで、言葉が出てこないこともあるでしょう。
保護者自身も、面接練習を頑張っていた姿や合格を願ってきた日々を思い出し、気持ちの整理がつかないかもしれません。
不合格を知った直後は、無理に励ましたり、次の受験へ気持ちを切り替えさせたりする必要はありません。 まずはお子さんの落胆を受け止め、本人の反応に合わせて接することから始めましょう。
推薦に落ちた直後、何と声をかける?
推薦で不合格になっても、一般入試に挑戦する道は残されています。
保護者としては、落ち込むお子さんを見て「まだチャンスはあるよ」「次を頑張ろう」と励ましたくなるかもしれません。
もちろん、こうした言葉が間違っているわけではありません。ただ、結果を知ったばかりのお子さんには、「もう次のことを考えなければいけないの?」と感じられる場合もあります。
推薦入試に向けて面接や作文の練習を重ねてきたのであれば、すぐに気持ちを切り替えられなくても不思議ではありません。
まずは「残念だったね」「頑張って準備していたよね」と、その気持ちを受け止める言葉をかけてみましょう。
例えば、次のような声かけが考えられます。
かけたい言葉 避けたい言葉 「残念だったね」 「一般があるから大丈夫」 「準備してきたのを見ていたよ」 「もっと練習すればよかったね」 「話したくなったら聞くよ」 「面接で何か失敗したの?」 「今は無理に話さなくていいよ」 「いつまで落ち込んでいるの?」 「悔しいよね」 「あの子は受かったのに」
ただし、ここに挙げた言葉が、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
「悔しいよね」と言われて気持ちが楽になる子もいれば、そっとしておいてほしい子もいます。また、「一般入試があるから大丈夫」という言葉も、本人が次の受験を不安に思っているときには、安心につながるかもしれません。
大切なのは、何を言うかだけでなく、いつ、どのように伝えるかです。
本人が話したくない様子なら、無理に言葉をかけず、普段どおりに接するだけでもよいでしょう。
お子さんが泣いたり、怒ったり、黙り込んだりしたら
推薦で不合格になったときの反応は、人それぞれです。
泣いて悔しさを表す子もいれば、怒ったり、何も話さなくなったりする子もいます。
保護者としてどう接すればよいか迷うかもしれませんが、まずは本人の様子を見ながら、無理に気持ちを聞き出さないことが大切です。
泣いているとき
お子さんが泣いていると、保護者もつらくなり、「もう泣かないで」「次があるから」と声をかけたくなるかもしれません。
しかし、泣いている最中に気持ちを切り替えるよう促す必要はありません。
「悔しかったね」と短く声をかけたり、本人が嫌がらなければそばにいたりするだけでもよいでしょう。
面接や作文の反省を始めるのは、本人が落ち着いてからで十分です。
怒っているとき
「面接官が悪い」「もう受験なんてしたくない」と、怒りを口にする子もいるでしょう。
保護者としては「そんなことを言っても仕方ない」と正したくなるかもしれません。
ただ、結果を知った直後は、冷静に考える余裕がないこともあります。
まずは「それだけ悔しかったんだね」と気持ちを受け止め、言い争いになりそうなら少し距離を取っても構いません。
もちろん、物を壊したり、人を傷つけたりする行動まで認める必要はありません。気持ちを受け止めることと、行動に注意することは別です。
何も話さないとき
結果を見てから部屋にこもり、何も話さなくなる子もいます。
何を考えているのか分からないと、保護者は心配になるでしょう。しかし、「どう思っているの?」「これからどうする?」と繰り返し聞くと、本人には負担になる場合があります。
「話したくなったら聞くよ」と伝えたら、いったんそっとしておきましょう。
食事の時間に声をかけるなど、普段どおりの関わりを続けることも大切です。
ただし、会話が少ないことだけで判断せず、食事や睡眠など、日常生活に変化がないかも見ておきましょう。
親自身もショックを受けているときは
推薦入試の結果に落胆するのは、お子さんだけではありません。
面接練習に付き合ったり、学校説明会に足を運んだりしてきた保護者も、合格を願っていたはずです。
「もっと早く準備していれば」「別の高校を受けさせたほうがよかったのでは」と、後悔が浮かぶこともあるでしょう。
お子さんの前では明るく振る舞わなければと思うかもしれませんが、保護者自身が残念に感じることまで隠す必要はありません。
ただし、その気持ちを本人にそのままぶつけないようにしたいところです。
例えば、「あんなに塾代を払ったのに」「もっと練習させればよかった」といった言葉は、本人を責めるつもりがなくても、余計な負担を与えてしまう場合があります。
保護者自身の不安や後悔は、配偶者や信頼できる人など、お子さん以外の相手に話してみてもよいでしょう。
また、お子さんが落ち込んでいるからといって、保護者が何とか元気づけなければと考える必要もありません。
何を言えばよいか分からないときは、無理に言葉を探さなくても大丈夫です。いつもどおり食事を用意したり、話しかけられたら耳を傾けたりすることも、お子さんを支える一つの方法です。
一般入試の話はいつ切り出す?
推薦入試の不合格を知ると、一般入試までの時間が気になり、「早く勉強を再開しなければ」と焦るかもしれません。
しかし、気持ちを切り替える速さは人によって異なります。
翌日からいつもどおり勉強できる子もいれば、机に向かうまでに少し時間が必要な子もいるでしょう。
本人がまだ落ち込んでいるときに、「勉強しなさい」「もう時間がないよ」と繰り返しても、すぐに前向きになれるとは限りません。
まずは本人の様子を見ながら、勉強の話ができそうなタイミングを探しましょう。
「そろそろ勉強しなさい」と指示するより、「次のこと、少し話してみる?」と声をかけるほうが、本人も自分の気持ちを伝えやすいかもしれません。
一方で、一般入試の出願には期限があります。必要な手続きは保護者が中学校と確認し、本人の意思を確かめる必要があることは、期限に間に合うよう相談しましょう。
勉強の再開については、本人が「そろそろやらないと」と話し始めたときに、一緒に考えるのも一つの方法です。
一般入試に向けた具体的な勉強法や志望校の判断については、関連記事「都立高校の推薦に落ちたら?一般入試までの切り替え方」で詳しく紹介しています。
落ち込みが続くときは誰に相談する?
推薦入試に落ちたあと、しばらく気持ちが沈むこと自体は不自然ではありません。
ただし、眠れない、食事がほとんど取れない、学校へ行けないなど、日常生活に影響が出ている場合は、家庭だけで抱え込まないようにしましょう。
中学校の担任やスクールカウンセラーなど、普段のお子さんの様子を知る人に相談する方法があります。心身の不調が強い場合や続く場合は、医療機関への相談も検討してください。
また、お子さんが保護者には話したがらなくても、学校や塾の先生、友人になら気持ちを話せることもあります。
親に話してくれないからといって、無理に聞き出す必要はありません。
本人が話しやすい相手に相談できるよう、学校や塾の先生に声をかけておくのもよいでしょう。
まとめ|お子さんの気持ちを受け止め、次の一歩を支える
都立高校の推薦で不合格になったお子さんを前にすると、保護者も何とか励ましてあげたいと思うでしょう。
しかし、すぐに元気づけることや、一般入試へ気持ちを切り替えさせることだけが支えではありません。
泣いていても、怒っていても、何も話さなくても、まずは本人の気持ちを受け止める。話したくなったときには、耳を傾ける。
お子さんが少しずつ前を向けるようになるまで、焦らず見守っていきましょう。
保護者自身も無理をせず、必要なときには学校や周囲の人の力を借りてください。
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