- 大学受験の直前講習を受けるか判断するポイント
- 冬期講習と直前講習の違い
- 受講する講座を選ぶときに確認したいこと
- 大手予備校の直前講習の料金例
大学受験が近づくと、「直前講習も受けたほうがいい?」「冬期講習を受けたのに、さらに必要?」と迷う受験生や保護者の方もいるでしょう。
結論からいうと、直前講習はすべての受験生に必要なものではありません。 志望校の過去問を解いて見つかった課題に対して、大学別の実戦演習や答案添削など、自習だけでは補いにくい対策が必要な場合に検討するとよいでしょう。
一方で、過去問の復習や基礎事項の確認など、すでに「自分でやるべきこと」が明確になっているなら、講習を増やすより自習時間を確保したほうがよい場合もあります。
この記事では、冬期講習との違いを整理したうえで、直前講習を受けるかどうかの判断基準と、受講する場合の講座の選び方を解説します。
大学受験の直前講習は必ず受ける必要はない
直前講習は、大学入試に向けた最終調整に利用できる短期講座です。ただし、受講すれば必ず得点が伸びるわけではなく、全員が受ける必要もありません。
判断するときに大切なのは、「直前講習を受けるか」ではなく、「残された課題を解決するために、その講座が必要か」を考えることです。
たとえば、次のような場合は受講を検討しやすいでしょう。
現在の状況 直前講習で補えること 志望校の記述・論述問題を自分で採点しにくい 答案添削や解説を受ける 過去問を一通り解き、別の実戦問題にも取り組みたい 大学別・形式別の演習を追加する 特定の科目・分野・出題形式に課題が残っている 課題に合った講座で集中的に確認する 本番と同じ時間で解く練習をしたい テスト形式の講座で時間配分を確認する
反対に、志望校の過去問が十分に進んでいない、基礎事項に抜けがある、講習を受ける目的がはっきりしていない場合は、まず自習で取り組むべき内容を優先したほうがよいこともあります。
「周囲が受けているから」という理由だけで講座を増やすのではなく、現在の課題から必要性を判断しましょう。
直前講習と冬期講習は何が違う?
冬期講習と直前講習は、どちらも入試直前期に行われますが、開講時期や講座の役割に違いがあります。
ただし、「冬期講習は基礎、直前講習は応用」と明確に分かれているわけではありません。 冬期講習でも共通テスト対策や大学別対策を行う予備校があり、実際の内容は講座によって異なります。
おおまかには、次のように整理できます。
冬期講習 直前講習 開講時期の目安 12月~1月上旬ごろ 1月以降の入試直前期 主な役割 入試に必要な知識・解法の整理、共通テストや大学別の対策 本番形式の演習、大学別対策、答案作成や最終確認 講座の例 科目別対策、共通テスト対策、大学別対策など 大学別演習、テスト形式の講座、記述・論述対策など 選ぶときのポイント 入試までに整理しておきたい内容は何か 本番前に残っている課題は何か
実際に河合塾では、2026年度の冬期講習を2026年12月15日~2027年1月6日、直前講習を2027年1月7日~3月31日に設定しています。冬期講習は90分×5講、直前講習は高3生・高卒生を対象に90分×4講が基本です。講座によって日程や授業時間は異なります。
駿台でも冬期講習には共通テスト対策・レベル別・志望大学別など複数の講座があり、直前期には本番と同じ時間で問題を解いて解説を受ける「共通テストプレ講座」などが用意されています。
そのため、名称だけで選ぶのではなく、「その講座で何をするのか」まで確認することが重要です。
直前講習を受けるかは3つのポイントで判断する
直前講習を受けるか迷ったら、「現在の課題」「講習でなければ補いにくいか」「受講後の時間を確保できるか」の3点から考えてみましょう。
1.過去問から現在の課題が分かっているか
まず確認したいのは、志望校の過去問を解いた結果、何が得点できていないのかです。
たとえば、
- 英作文の内容は書けるが減点される理由が分からない
- 数学で解法は分かるものの、記述答案をまとめられない
- 試験時間内に最後まで解き切れない
- 特定の分野だけ正答率が低い
など、具体的な課題が分かっていれば、それを補える講座を探せます。
反対に、「何となく不安だから何か受けたい」という状態では、自分に必要のない内容まで受講してしまう可能性があります。
まずは過去問や模試を振り返り、本番までに改善したいことを整理しましょう。
2.その課題は自習だけでは補いにくいか
課題が分かったら、次に「講習を受けなければ解決できないのか」を考えます。
英単語や公式の確認、過去問の解き直しなどは、自習でも取り組めます。
一方で、記述・論述答案への添削、初見の大学別問題を使った実戦演習、講師から解答の改善点を教えてもらいたい場合などは、講習を利用する意味が生まれます。
直前期は時間が限られているため、自分でできることまで講習に置き換えないことも重要です。
3.予習・復習を含めても自習時間を確保できるか
講習は授業を受けて終わりではありません。
事前に問題を解く必要がある講座なら予習時間が必要ですし、授業後には間違えた問題や理解が不十分だった部分を確認する時間も必要になります。
そのため、授業時間だけを見て「これなら受けられる」と判断するのではなく、
講習時間+予習・復習時間
まで含めて予定を確認しましょう。
受講によって、志望校の過去問や自分の弱点補強に使う時間がなくなってしまうなら、講座数を減らすことも選択肢です。
直前講習は「志望校・課題・日程」の3点で選ぶ
直前講習を受けると決めたら、講座名や講師の知名度だけではなく、自分の入試対策に必要な内容かを確認します。
志望校の出題形式と合っているか
最初に確認したいのが、志望校の入試問題との相性です。
大学名が付いた講座であれば、その大学のどの科目・形式を扱うのかまで確認しましょう。
大学別講座がない場合も、
- 国公立大の記述対策
- 私立大の長文読解
- 英作文・自由英作文
- 数学の記述答案
- 小論文
など、志望校で求められる形式に近い講座を選べます。
同じ「英語」「数学」という科目でも、大学によって出題形式や求められる力は異なります。シラバスや講座案内を見て、実際に扱う内容まで確認することが大切です。
今の課題を補える内容か
講座の難易度だけでなく、何を改善したいのかとの一致も確認しましょう。
たとえば数学が苦手でも、「基礎知識が不足している」のか、「解法は分かるが記述答案を作れない」のかでは、必要な対策が違います。
また、得意科目だから受講する必要がない、苦手科目だから必ず受講したほうがよいとも限りません。
入試科目の配点や現在の得点状況を踏まえて、本番までに改善する優先度が高いところから考えましょう。
入試日程と予習・復習時間に無理がないか
直前期は大学ごとの試験日が続くこともあります。
講習の日程だけではなく、
- 志望校の試験日
- 移動にかかる時間
- 過去問演習の予定
- 講習の予習・復習
まで含めて確認しましょう。
特に私立大学を複数受験する場合は、試験の合間に講習を詰め込むことで疲労がたまり、自分の勉強時間が減る可能性もあります。
「空いている日に受けられる講座」ではなく、「残された時間を使ってでも受けたい講座か」という視点で選ぶと判断しやすくなります。
直前講習の料金はいくら?大手予備校の例
直前講習の料金は、予備校や授業時間、講座内容によって異なります。一律の「相場」で判断するより、受講したい講座の料金と必要な講座数から総額を確認したほうが分かりやすいでしょう。
2026年度に公式サイトで確認できる料金例は以下のとおりです。
予備校 直前期の講座例 一般生の料金例 河合塾 直前講習 90分×4講 18,200円 駿台 共通テストプレ講座 8,000円 駿台 50分×4講 15,400円 駿台 50分×6講 19,900円 駿台 50分×12講 29,800円
河合塾の直前講習は、高3生・高卒生を対象とした90分×4講の場合、一般生18,200円、塾生17,800円です。教材費も受講料に含まれています。講座によって授業時間や料金が異なる場合があります。
駿台は講座の時間数によって受講料が異なり、共通テストプレ講座は8,000円、50分×4講は15,400円、50分×6講は19,900円、50分×12講は29,800円と案内されています。受講料には消費税・教材費が含まれます。
複数講座を検討する場合は、1講座あたりの料金だけではなく、必要な講座をすべて受けた場合の総額を確認しましょう。
また、料金だけで講座数を決めるのではなく、「その講座によって何を補えるのか」を一つずつ確認することが重要です。
直前講習を受けない場合は何をすればいい?
直前講習を受けないからといって、受験対策が不足するわけではありません。
講習を受けない場合は、新しい教材を増やすよりも、これまでの学習から見つかった課題を優先して取り組みましょう。
特に確認したいのは、次のような内容です。
- 志望校の過去問で間違えた問題の解き直し
- 時間配分や解答順序の見直し
- 頻繁に間違える単元・分野の復習
- 英単語・古文単語・用語・公式などの知識確認
- 記述・論述問題の答案作成練習
何を優先するかは、受験する大学や現在の学習状況によって異なります。
過去問を振り返り、「あと何を改善できれば得点につながるか」を整理したうえで、本番までの学習計画を立てましょう。
まとめ|直前講習で今の課題を補えるかで判断しよう
大学受験の直前講習は、すべての受験生が受ける必要のあるものではありません。
判断するときは、まず志望校の過去問や模試から、本番までに改善したい課題を整理しましょう。
そのうえで、答案添削を受けたい、大学別の実戦問題に取り組みたいなど、自習だけでは補いにくい課題と講座内容が一致しているなら、直前講習を検討する価値があります。
一方、過去問の解き直しや基礎事項の確認など、自分で取り組むべきことが残っている場合は、無理に講座を増やす必要はありません。
申し込む前に、「何を改善するために受けるのか」「受講後の復習時間を確保できるか」「受講料の総額はいくらか」を確認し、残された時間を最も有効に使える方法を選びましょう。
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