【第一志望合格率70%超】コーチングで生徒の可能性を広げるセルフクリエイトにインタビュー
大学受験を目指す高校生にとって、学習塾はただ勉強を教わる場所ではなく、自分の将来を考える大切な場でもあります。セルフクリエイトは「受験をゴールではなく通過点」と捉え、コーチングを通して生徒の可能性を広げることを重視しています。今回は代表の沖津先生に、塾を立ち上げたきっかけや、独自の指導方針、成果を上げる仕組みについてお話をうかがいました。
- 沖津亮佑(おきつ りょうすけ)先生
- 大学1年生から明光義塾で講師を務め、大学2年生で主任講師に。2014年、学生起業をし、世田谷区で小中高対象の個別指導塾を創業。2016年にコーチングライセンスを取得し、コーチング指導を開始。初年度には、高校受験・大学受験第一志望合格率100%を達成。2020年に水戸市で大学受験専門塾を創業。2024年6月合同会社ドドドを設立し、代表を務める。
セルフクリエイト開校のきっかけ
——本日はよろしくお願いいたします。まずは塾の沿革について教えてください。立ち上げのきっかけや、現在の状況などを教えていただけますか。
大学時代に小中高対象のアルバイト講師をしていた中で「コーチング」に出会いました。コーチングを活用して生徒と関わる中で、生徒たちの伸びを実感しました。特に成績の伸びを最も感じたのが高校生の大学受験でした。

それまで自分が受けた受験ありきの教育ではなく、生徒の可能性や選択肢を広げるところに教育の面白さを感じて、教育の道に進もうと決意しました。とはいえ、既存の企業でやることが難しいと感じたので、自分でやりたい教育ができるような塾を立ち上げよう。それが開校のきっかけです。2014年4月に東京の上野毛で開校しました。
水戸市に校舎を出したのは、起業したときに「30歳までには地元に戻る」と決めていたことが大きな理由です。
実際に29歳の時に、水戸市で開校しました。上野毛の塾での経験をもとに、大学受験だけに絞って、コーチング指導をする塾を創業しました。
受験をゴールにしない「コーチング」
——コーチングの重要性に気づき自分が受けた教育とやりたいことが違ったということですね。具体的にどのように違ったでしょうか?
いわゆる学習塾の授業というのは、何となくやらなければいけないからやっている、受験を突破するためだけにやっていることが多く、今もそれが主流です。一方、私が提供しているコーチングは、受験は人生における1通過点であって、その通過点をいかに効率よく、高いところで達成するかという点を重視します。これが他塾との大きな違いです。
——個別指導といえば、生徒が科目でわからない箇所を質問し、講師が答えるスタイルが主流です。最近は武田塾のように綿密な計画表から個々の志望校に応じたプランニング、いわばコンサルティングをしていく塾も増えてきました。沖津先生が取り入れているコーチングはそういった受験戦略も含んだ形でしょうか?
はい。武田塾のように学習計画の作成も取り入れています。ただし、私たちは最終ゴールを単に大学合格に置くのではなく、その一歩先を意識しています。
具体的には、授業で英語や数学を教えるだけでなく、生徒が宇宙に関心を持っているなら宇宙に関する記事を紹介し、「これを読んでどう思う?」と問いかけます。こうして学習内容をきっかけにしながら、生徒の興味関心を深掘りし、自分の将来に結びつけられるように導いていくのです。
問い合わせの多くは合格や成績アップから
——受験を一つの通過点と捉えているわけですね。とはいえ、保護者や生徒の多くは「将来よりも、今わからないところを解決してほしい」「どうすれば効率よく合格できるか教えてほしい」と考えるはずです。セルフクリエイトに通う生徒やご家庭は、どのような点を重視しているのでしょうか?
当塾に問い合わせてくださる方のニーズは、基本的に一般的な塾と大きく変わりません。たとえば「この大学に合格したい」「定期テストの順位を上げたい」といったきっかけでお問い合わせいただくことが多いです。
また、実際にお話をうかがうと「勉強の仕方を教えてほしい」「勉強のスケジュールを立ててほしい」といった点に魅力を感じて来られる方が多い印象です。

最初の指導の場面で、生徒に「塾でどういうことをしていきたいの?」と質問すると、ほとんどの生徒は「〇〇大学に行きたい」「テストをがんばりたい」と答えます。もちろんそのニーズに応えながらも、「それは一つの通過点であって、私たちはその先を一緒に目指していきます」ということを伝えています。
すると保護者も生徒も納得してくださり、体験授業を受けていただく流れになります。たとえば10年先まで見れば、いま最終ゴールだと思っている大学入試も実は通過点にすぎず、それを達成した先により良い未来が見えてくる。そうしたビジョンを最初に示すことが指導の土台となります。これは受験突破と矛盾することはありません。

将来を見据えた学びが自主性を引き出す
——両立はしつつも、成績向上もきちんと押さえていらっしゃるのですね。将来のビジョンを見せることは学習へどのような効果を及ぼすのでしょうか?
こういった動機づけをすることで生徒は「やらされている勉強」という感覚から解放され、「自分からやりたい」という気持ちに切り替わります。
その結果、私たちや保護者が何も言わなくても勉強時間が自然に増えたり、自習室に来る時間が増えたりといった変化が、入塾からわずか1〜2週間のうちに表れます。
勉強に対する姿勢そのものが大きく変わり、その副産物として点数向上につながっていく――これがコーチングによる指導の大きな効果だと感じています。

通い放題システムと個別担当制
——システムや通塾回数など、具体的に教えてください。
うちの通塾システムは通常の塾とは違っていて、通い放題にしています。今日授業があったとしたら、その日の最後の授業のときに「次の授業はいつにしようか」と、生徒と次の授業の日程を決めていく形です。
また、完全な個別担当制になっていて、1人の生徒に対して1人の講師がつき、基本的にすべての授業をその講師が担当します。日程調整もその都度、講師と生徒が話し合いながら決めていきます。
授業の内容についても特長があります。1回の授業の中で「英語の授業」「数学の授業」といった区切りは設けません。すべての科目について学習スケジュールを立て、生徒からの質問にも幅広く対応します。授業時間は1回につき1時間です。
——科目についての質問はどのように対応しているのですか?
全科目に対応します。基本的に生徒には「授業時間を質問の時間にあてることがもったいないから、質問に関しては授業外で答えます。わからない箇所にLINEで送ってください」と話をしています。
——授業の位置づけが他の塾と大きく異なりますね。
質問に答えたり、解き方を教えることは他の時間でできます。スケジュールの調整や大学受験に向けて話す時間が減ってしまうので、科目内容は授業外でカバーするようにしています。
講師のコーチングスキルの養成を徹底サポート
——一般的な塾と違って、講師の役割が大きく異なるのが興味深いです。コーチングのスキルを持っている講師を見つけるのは大変ではありませんか?
講師に関しては一般応募して、その中で何のために大学に入って、大学に入った後に何をしたくて、どういう人生設計を見据えているのかということで厳選をしている学生講師ですね。他に、元教え子や、過去一緒に働いていた方が講師をしています。

——コーチングのスキルを上げるために、塾としてどういった取り組みをされていますか?
私自身がさまざまな塾でコーチング研修を担当しているので、その内容を新しい講師にもすべて受けてもらいます。研修には十分な時間をかけていて、まずは動画研修で約2時間、さらにマンツーマンのコーチングセッションを8時間行います。
その後、「当塾が提供するコーチングとは何か」「生徒にどのようにコミュニケーションを取るべきか」を理解してもらったうえで、私を含めて既存の講師が実際に生徒とやり取りしている場面をおよそ3週間かけて見学してもらいます。
さらにその後は、学んだ内容を自ら実践する期間を約3週間設けています。つまり、コーチングを理解し、実際に使えるようになるまでに最低でも2ヶ月はかけるのです。
この期間を経て、既存の講師がサポートにつきながら指導に入り、徐々に独り立ちしてコーチングを実践していく流れになっています。
——研修に2ヶ月もかけているとは。講師の質の担保にも力を入れていらっしゃるのですね。
安心して任せてもらうための取り組み
——保護者面談はどれくらいの頻度でしょうか?
希望制にしつつ年3回期間を設けています。高校3年生は必ず受けてもらい、高校1・2年生はおよそ6割程度が参加しています。それ以外については、保護者の方とLINEでつながっているため、必要に応じて連絡していただけます。ただし、こちらから積極的に連絡をすることはありません。「保護者が過度に干渉しない」という方針を大切にしています。
——月額の費用以外で必要なものはありますか?
当塾の費用は月額費のみで、講習費や維持費などは一切ありません。それ以外で必要になるのは学校外で受験する模試代と教材費で、いずれも一般的に購入可能なものです。基本的には学校が配布する受験対策用教材を活用し、受験直前に不足がある場合のみ追加で購入していただきます。そのため、使用する教材の多くは過去問題集が中心となります。
開校以来、第一志望合格率70%を達成
——在籍する高校生のレベルはどのくらいの方が多いのでしょうか?
通塾している生徒の多くは中上位層で、通っている高校の偏差値が55~65程度が全体の約8割を占めています。茨城県水戸市にある特定の高校以上を対象としており、募集要項にも「偏差値50以上」と記載しています。
——第一志望の合格率は高いでしょうか?
はい、当塾が重要視しているのは「第一志望合格率」です。毎年70%以上を必ず維持することを全講師で共有しており、水戸で開校して以来、達成し続けています。一般的に大手予備校では第一志望合格率が10%前後と言われているため、この数値は水戸市内でもトップクラスだと考えています。
——生徒にとってどういう場所にしたいですか? 保護者の方へのメッセージをお願いします。
講師には常に「人生の選択肢を広げられる場所にしたい」と伝えています。生徒が心からやりたいと思っていることを応援したり、あるいは別の形で実現できることを示唆することもあります。
両親の意向に従って進路を考えていたけれど、話を重ねるうちに新しい選択肢を見つけたという生徒もいますし、あらゆる選択肢を提示できる空間を目指しています。そのためにもまずは「勉強を始めるきっかけを与えられる場所」でありたいと考えています。
保護者の方には「当塾に通えば3ヶ月後にはお子さまの目の輝きが変わります」とよくお話しします。保護者が望む大学ではなく、お子さま自身が行きたい大学を見つけ、その進学を全力でサポートする塾であることをお約束します。
——本日はありがとうございました。
取材協力:個別指導塾セルフクリエイト



